☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

TBSテレビ60周年特別企画『レッドクロス~女たちの赤紙~』

2015年08月03日 | 西島秀俊さん 徒然日記
出演者松嶋菜々子、西島秀俊、高梨臨
柴本幸、工藤阿須加、笑福亭鶴瓶、山崎努


【作品概要】
今から70年前、自らの信念で戦時召集状、いわゆる「赤紙」を受け取り、戦地に赴く女性たちがいた。
第二次世界大戦中、「従軍看護婦」として3万5千人余りの女性が戦地に赴き、1,120人が殉職。
彼女たちは戦地で命を救う仕事に崇高な理想を持って男たちと肩を並べて働き、今や当たり前の“女性の社会進出"の先駆け的存在でもあった。
しかし敗戦の色が濃くなるにつれ、大きく狂わされる運命。戦後も続く過酷な試練。逆境にあっても博愛の精神を持ち続け、生きることの尊さを信じ続けた女性たち──。
ドラマでは、戦争で家族と別れ人生を翻弄されながらも「博愛」の精神、そして家族への愛を貫いた天野希代という1人の女性の生き様を、満州事変から第二次世界大戦、朝鮮戦争の時代にわたって描く。(公式HPより)

【感想レビュー】
このブログには普段はドラマの感想は書かないのですが、これはと思いちょっと書きます。

看護婦に憧れていた少女が赤十字に学び従軍看護婦として満州へ渡り、開拓団、関東軍、匪賊、中国共産党など様々な立場の者達の中で任務を全うしつつ終戦を迎えるも、ソ連軍の侵攻や朝鮮戦争へと至る激動を、信念を強くもって生きていく様を描いた凄い作品だった。

この内容をわずか4時間半程度の尺で描いたというのは特筆すべき点だと思う。

それぞれの立場を多角的に捉え、常にシーンや台詞に反映しようと尽力している様子が伝わってきた。

どの立場にも善と悪が存在し、そこを描けば描くほど、個々人の人間性や信念が炙り出されていくようだった。

どんなに時代に翻弄されようが、どのような信念を持つのか、どのように生きるのか、どのように生きていくべきなのか。それを決めるのは他ならぬ自分自身だといわれているようだった。

キラッと光ったのは、暴力によって博愛精神をズタズタにされたハルさんが、中国共産党の思想に取り憑かれていく様子を描いたところ。空っぽの心を新しい概念で満たし自分自身を守りたい…というところ。(彼女の場合は恋…もあったかもしれないけど)そういった心の動きは戦後、ごく普通にあったようだけど、でもこれは落とし穴だという事。

大量の自国民を虐殺した中国共産党の悪の側面があるわけで、結局は、一見とっても魅力的に思える思想や精神も、知るのは良いが、吟味し消化し、取捨選択をしなければならない、という事だと思う。


このドラマは、従軍看護婦に従事した女性達がいた事実を伝えながら、そして赤十字の博愛精神の概念が、国境も宗教も民族も過去のわだかまりさえもを凌駕し、平和へと導くのだという理想を掲げながら、さらに現代日本の、政治への無関心さや昨今目立つ嫌韓や反中の流れをも、今一度見つめ直そうと問題提起した作品だと思う。

SNSや報道、書籍、映像作品などなど、ちまたに溢れる情報をリテラシーし、周りに流されないようにしていきたいと、改めて考えさせられました。


西島さんのキャタピラーみたいになってしまう描写についての賛否はあると思うけど、私は一定の評価をしたいと思う。。←何様…

彼のあの姿には、計り知れないショックがあったのではないかと思うから、ここ数年10代の若い人からも人気の西島さんが演じた意味は大きいと思う。

この作品は、戦争映画やお涙ちょうだい的な病気もの、親子離れ離れものにも慣れ、一周も二周もしてコメディしか観たくない大人向けのもの(←うちの旦那はん…)ではなくて、むしろ十代の若者達へ向けた作品なのかもしれない…とも思った。



【追記】『帰郷』(2004)

2013年11月03日 | 西島秀俊さん 徒然日記
【追記】『帰郷』(2004)

そしてまた、DVD特典の内容を少し…

萩生田監督の『神童』もそうですが、特典がとっても充実しています

監督、西島さんに負けず劣らずの身振り手振りの激しさ
(!!)です
でもとっても早口なので、身振り手振りもまた早くて、忙しなく……。
それで、ちょっとしたイントネーションがお二人は何だか似ていらっしゃるので、微笑ましいのです

この作品の脚本は、西島さんに当て書きしたものなのですが…。
それは、“晴男くんが西島さんそのもの”という事ではなく、一つ一つの場面で、西島さんだったら、どうするだろう?どうなるだろう?という楽しみの想定で作られたのだそうです

また、監督との対談や舞台挨拶の時のビジュアルが、既に晴男くんではないので、そこも見どころです




【追記】『メゾン・ド・ヒミコ』(2005)

2013年10月27日 | 西島秀俊さん 徒然日記
【追記】『メゾン・ド・ヒミコ』(2005)

本篇に続いて、DVDのコメンタリーを観たら…2回観たのと同じなので凄く時間かかりました…

今日は、もうのんびりDVDデーにしよう…。

コメンタリーを聴きながら観ると、改めてたくさん大好きなシーンがあるなぁと思います。

犬童監督、撮影担当の方、プロデューサーアシスタントの方、の3人でのお話しです。内容をちょっとだけ

西島さん、渋谷のとある坂を映画を観に行くために歩いていたのを見たとか、その時は遠くを見て胸を張って歩いていた、とか色々言われております。
普通の人だとか、。
でも演技の時は独特の雰囲気だ、とも。

西島さんの起用については、犬童監督がこのように仰っていました。

『西島くんは、あの、この細川専務の役は、あの…ほとんど他に居ないっていうか、うん、なんかこういう何を考えているか分からなくて、尚且つこう完璧な強さがあるっていうか、周りと全く関係ない強さを持っている人っていうと、西島くんしか思いつかなかったですね。』

『彼は最後まで、メゾン・ド・ヒミコとは外側に居る人間として設定されていて、これは一応あのー、“エイリアンみたいな人だ”と説明していたんですけど(細川専務)、その食べる事と生殖本能しか無い、生物として完全なものっていうか、そういう人として居て欲しかったですね。』

なんだか嬉しいですね

そうだ、高橋昌也さんとは東南角部屋の前に作品の中では共演されていたんですね。
もう一度観て思い出しました。
あのお洒落な衣装、本当にお似合いで素敵でした

改めて好きな画がたくさんあって、ウキウキしました

【追記】『ニンゲン合格』(1999)

2013年08月15日 | 西島秀俊さん 徒然日記
【追記】『ニンゲン合格』(1999)

黒沢清監督、西島秀俊さん、役所広司さん、菅田俊さん出演。



【STORY】
14歳の時に交通事故に遭い、昏睡状態が続いていた豊が10年の眠りから突然覚めた。
しかし、彼を出迎えたのは懐かしい家族ではなく、藤森という風変わりな中年男だった…。
(Movie Walkerより引用)

【感想レビュー】@theater
DVDを持っているのですが、スクリーンで観た事は無かったので、レイトショーでしたが、観て参りました

西島さんの出演映画の私的Best5の中の1本である本作ですので、もうドキドキしました

あまりに心を奪われた作品は逆にDVDを持っていても、1、2度しか観ないので、所々忘れていたり、こんなシーンあったかな?…としばしばなりましたが、却って新鮮に観れました

ここは好きなシーンなのですが、冒頭の、豊が病院のベッドで目覚めて、ベッドから落ちるシーン。
筋肉が無いので力が入らず、グニャリとベタッと床に落ちるのですが、その脱力感たっぷりの演技が素晴らしいのです

他にも、もちろん沢山、沢山グッとくるシーンがあるのですが、余韻を味わいたいと思います

また、音が全然違いました!
劇場で観る醍醐味を味わいました


西島さん出演映画の私的Best5(現時点)は、CUT/Dolls/ニンゲン合格/休暇/真木栗ノ穴。

それ以降は…2/デュオ、アートフル・ドヂャース、SELF AND OTHERS、すべては夜から生まれる、ラストシーン
…等々と続くのですが。

菅田俊さんは、CUT/ニンゲン合格/休暇の3作品で共演されていて、なんだか勝手に特別なものを感じてしまいます


それにしても!!
スクリーンで観れて幸せです!




【追記】『雨よりせつなく』(2005)

2013年07月13日 | 西島秀俊さん 徒然日記
【追記】『雨よりせつなく』(2005)

本編はだいぶ前にレンタルで観た作品なのですが、あまりに好きな作品だったので、少し前に購入しました。

それでまた本編を観て、感想を書いた後に、特典映像が付いていた事に気付き…少しだけ【追記】に書いてみます。


田波涼子さんのインタビューから。

ー西島秀俊さんについてー

『西島さんは、本当にナチュラルな方で、その綾美の感情を出してくれるような演技をしてくださるので、演じているの見た時に、ナチュラルさが凄くて鳥肌が立って、あぁ、西島さん素敵だなぁって…これが役者さんなんだなって凄く感じました。』

本業がモデルの田波涼子さんを、“綾美”として成立させてしまう相手役の西島さん…またしても恐るべしです

監督の演出も素晴らしいのでしょうね


ー当摩寿史監督のインタビューからー

台本に無かったシーンを足したとの事。

それが、釣り堀のシーンと自転車の通勤のシーンだそうで…!

この二つが何回も出てくる事で、日常を感じさせるわけなのですが…。

この二つのシーンがとっても印象的で大好きなので、監督…!素晴らしいですね


私はまんまと、そのシーンが本当に好きなのです!

とテレビ越しに伝えました