☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『おおかみこどもの雨と雪 』(2012)

2015年08月26日 | 邦画(1990年以降)
『おおかみこどもの雨と雪 』(2012)

監督:細田守
声:宮崎あおい、大沢たかお
【作品概要】
細田守監督による長編オリジナル作品第2作である。細田は本作で初めて自ら脚本も手がける。テーマは「親子」であり、19歳の少女が「おおかみおとこ」と出会い、その間に生まれた「おおかみこども」の姉弟が成長し自立するまでの13年間を描く。(Wikipediaより)

【感想レビュー】
ちょっと前のWOWOW放送を録画で観ました

結論からいうと、想像していたよりとっても良くて、しばらくリピートしてしまいました
何でだろう…

この監督のは『サマーウォーズ』だけ以前に観ていて、絵柄がちょっと好みではないものの、何かクセになるなぁなどと偉そうに思っていたのですが。
それでまぁ何となく観始めたおおかみこども。

おおかみこどもの雪が大人になった設定でのナレーションがまぁ長くて長くて悶々とするのと、雪のお母さんの無理くりな笑顔とかそのいじらしいキャラクター設定に相容れないものを感じつつも、何だか有無をいわせないエネルギーがあって、グッと堪えながら観る…。そして観る。さらに観る。

…っと、急にハッとさせられる瞬間があります

日本オオカミの末裔と人間の間に生まれたという設定が、まずもうファンタジーなのですが、そういった境遇ならではの(?)の苦労とか痛みみたいなもの
は、妙にリアルな描写なのです


そして登場人物達が忍耐を要するストーリー展開なので、観ているこちら側もムムムな時間帯が続きますが、一面の雪のシーンの音楽‼そして風を感じる映像の数々‼…このカタルシスは凄いっ‼と思わず魅入ってしまいました

おおかみ姿で疾走するシーンの、おおかみ目線のスピードを伴った映像の臨場感たりや…

また菅原文太さんのお声に耳を傾けつつ…。

いや、しかし色々凄かった

『青島要塞爆撃命令 』(1963)

2015年08月25日 | 邦画(クラシック)
『青島要塞爆撃命令 』(1963)

監督:古沢憲吾(本編)、円谷英二(特技監督)
出演者:加山雄三、夏木陽介、佐藤允
、池部良、浜美枝

【作品概要】
日本映画としては珍しく、第一次世界大戦を扱った作品。青島の戦いを題材に、日本初の海軍航空隊としてドイツ軍に立ち向かった若者たちを描く。画面いっぱいに「敵は勇敢だ!」「底抜けに勇敢だ!」などと手書きの字幕が広がるなど、他の作品には見られない演出がなされている。
(Wikipediaより)

【感想レビュー】
池部良さんの特撮映画で、『さらばラバウル』や『潜水艦イ-57降伏せず 』に続いて気になっていた作品です

日本映画にしては珍しく第一世界大戦を扱った作品と言う事で、確かに新鮮でした。
特撮の飛行機のシーンは格好良かった!イメージは、宮崎駿アニメです必ずと言っていい位に出てくる飛行機のシーン。『天空の城ラピュタ』とか『紅の豚』のイメージです。



↑余談ですが、こういう風に牛車で飛行機を運ぶシーンは『風立ちぬ』にあったなぁ。アナログだなぁなどとしみじみ思いつつ。


また、衣装はカラーでかなり見応えがあります。
そして、ちょこちょこウィットに富んでいてアメリカ映画っぽいノリもあったりするのと、日本がまだ自信を持っている頃の話しなのとで、全体的に重くはない感じです。この頃の航空隊とか、優秀なパイロット達だろうし、そういう優越性みたいなものも何となしに伝わってきます。

池部さん、二重のところに薄い紫のアイシャドーを入れてるように思ったけど、あれはニュアンスを出すためのメイクでしょうかね。カラーだからお顔のアップの時にちょいちょい目立つのですね。
… ちょっと『ゔっ』ってなったのはヒミツです。あしからず…。基本的には海軍航空隊の衣装が素敵な池部さんが拝めます











『わたしのハワイの歩きかた 』(2014)

2015年08月18日 | 邦画(1990年以降)
『わたしのハワイの歩きかた 』(2014)

監督:前田弘二
出演者:榮倉奈々、高梨臨、瀬戸康史、加瀬亮

【作品概要】
ハワイを舞台に、現地ロケにて制作された恋愛コメディ映画で、日常の行き詰まりからの解放を求めてハワイに旅した女性の、現地での恋愛の顛末を描いた。(Wikipediaより)

【感想レビュー】
WOWOWでやっていたので観ることに。
ちょっと前から放映していたのですが、榮倉奈々さんが主演という以外は知らず、タイトルだけで何とな~く敬遠していた作品です

結論からいうと、けっこう面白くて、軽く観られるわりに、さり気なく色々と描かれていて良かったです
フレネミーな女友達とか。いわゆる中二病な登場人物達とか。誇張されて描かれているけど、あぁいるいる、分かる分かるっていう感じがあって、でも笑える感じで全体的には爽やかだった

榮倉さん演じるヒロインにはなかなか共感はできませんが、まずまずの肉食系で面白かったです

それにしても…タイトル…?

なんか、いわゆるセレブリティな生活や身分に憧れる人達を軽くディスる感じとかもあって、そういう意味では、このハワイの設定は世界の縮図だったりした

本当は、私の人生の歩きかた、的な内容だったけど、ハワイってすることで違う土地でのプチモラトリアムで再生していく様子がゆったり描かれている。

ゆるゆる観るのにお勧めな映画でした



『ラストタンゴ・イン・パリ 』(1972)

2015年08月13日 | 西洋/中東/アジア/他(クラシック)
『ラストタンゴ・イン・パリ 』(1972)

監督:ベルナルド・ベルトルッチ
出演者:マーロン・ブランド、マリア・シュナイダー

【作品概要】
アパートの一室で出会った中年の男と若い女。男は突然の衝動にかられ、女を凌辱する。そしてその行為は、女の心に深い印象を残す……。現実から離れた世界で、情欲に身をまかせる男女を描く(Yahoo!映画より)。

【感想レビュー】
129分版を観ました。元より、男女のあれこれを描いた作品には興味が薄いですが、でも作品にも寄るし…と思いつつ観始める

役の設定やシチュエーションの多くが小出しだったので、飽きずに楽しめました
衣装がお洒落で、コートやブーツ、帽子にバッグと…思わず秋や冬が待ち遠しくなります
構図もいちいち素敵で魅入ってしまいました。

そしてなんというか…孤独というものがとても親しく感じられるというか…。あまりにもナチュラルにそこに在るというか…

マリア・シュナイダーのはち切れんばかりの裸身は、まるでヴィーナスのよう!少しもエロくないです!若さが眩しかった…

対してマーロン・ブランドは、枯れゆく男のエロティックさがむんむんで、そのセクシーさにすっかりやられてしまった

でもまぁ、年の差のある恋愛事情というのは、個人的にはちょっとチクゥってくる内容でした

『東京裁判』(1983)

2015年08月13日 | 邦画(クラシック)
『東京裁判』(1983)

監督:小林正樹
脚本:小笠原清、小林正樹
音楽:武満徹

【作品概要】
映画解説・あらすじ
 “東京裁判”と呼ばれ、戦後日本の進路を運命づけた極東国際軍事裁判。太平洋戦争敗戦後の昭和23年、市ヶ谷の旧陸軍省参謀本部にて開廷された裁判の模様を、裁判より25年の後に公開されたアメリカ国防総省の長大なフィルムをもとに製作した記録映画。生々しい当時の映像をもとに、戦争責任の所在、国家と個人の関係、あるいは勝者が敗者を裁くことの限界といった様々な問題を浮き彫りにした渾身の力作。
allcinema ONLINE(外部リンクより)

【感想レビュー】
前後編に分かれているDVDレンタルで観ました。近代史をもっと知ろうという一貫で観たものです。もちろんこれを鵜呑みにするのではなく、あくまでも資料として。

よく云われるように、連合国側などの勝者によって敗者を裁いたものだという側面が分かりやすい内容だった。
また、判事達や検察側にはそれぞれの立場で様々な思惑があり、それぞれに有利なシナリオに沿って判決が導かれるように躍起になっていた事も伺える内容だった。
例えば、連合国側の裁判長ウエッブ(豪)は、天皇責任については強硬派だったが、マッカーサーは、日本統治には天皇が必要であるとの思惑から、主席検察官キーナン(米)に、天皇免訴の立場を取らせた。
そうしたなか、多くの判事が連合国側に有利な判決で一致したが、インドのパル判事は、そもそも裁判そのものがおかしい、と指摘した。“平和に対する罪と人道に対する罪は戦勝国により作られた事後法であり、事後法をもって裁くことは国際法に反するなどの理由で被告人全員の無罪を主張した”
ただしこれは、日本の戦争責任が存在しないという立場ではない。

このように、連合国側か選んだ判事の中にも、法律者としての誇りを高く保つ人もいたのだなぁとびっくりした。

そして、被告側には一人一人弁護士がつくのだが、その中には連合国側と同じ国の弁護士もいた。こういった人の中にも、パル判事と同じように法律者として公平な論理展開をし、裁判を闘った弁護士がいた。


モノクロ映像でありながら、表情の変化や声の調子など、伝わってくるものがある。前編、被告席の東条英機が後ろに座っている大川周明に頭を叩かれて苦笑いするシーンなどは、法廷にドッと沸く声が響き、その空気が伝わってくるようだった。なんだか違和感があって、それが何なのかを考えているうちに数日が経ってしまったのだけども。どうも、真顔の東条英機像しか記憶にないから、歴史上の人物の笑った顔っていうのがけっこう衝撃だったのですね。しかも動画。

過去と現在が生々しく繋がっていく感覚…。緊張感のある法廷で、こんな一幕があったとは。

恥ずかしながら知らない事もたくさんあったので、観て良かったです。