☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界』(2012)

2013年09月13日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『ジンジャーの朝
さよなら、わたしが愛した世界』(2012)

【STORY】
冷戦時代のロンドンを舞台に、思春期の少女たちの揺れ動く心情と成長を描いたドラマ。

【感想レビュー】@theater
青春時代を第二次世界大戦下で過ごした両親の元に生まれた彼女たち。

幼なじみとして育ち、まるで一卵性双生児みたいな2人が、自我の目覚めとともにそれまでと同じ関係性でいられなくなる…。

そこまでは、ありふれたシチュエーションなのですが、そこからがもう…これまでか、これまでかの倫理観の崩壊…。

それを、実存主義の父親があたかも思想武装(?)して正当化するので、娘のジンジャーがあまりに可哀想でした。

ここまでくると滑稽な気もしましたが、家庭というミニマムな社会では、誰が正しいのか…正しくないのか、ではなく、従属関係のパワーバランスによっても変わってしまうので…。


でも娘のジンジャーが、前向きなのが救いでした…。


『炎628』(1985)

2013年09月13日 | 西洋/中東/アジア/他(クラシック)
『炎628』(1985)

エレム・クリモフ監督、アリョーシャ・クラフチェンコさん、、オリガ・ミローノワさん出演。



【STORY】
第2次大戦を背景に白ロシアのハトィニ村の人々の悲惨な運命を描く。

【感想レビュー】@theater
観るには覚悟がいる過酷な映画だというお話しは聞いていましたが…衝撃でした。

青年と呼ぶには少しだけ早いようなあどけない少年が、どんどん、どんどん変化して行きます。。

その様は、もう筆舌に尽くし難いとはまさにこの事…という感じです。


そして、爆撃の衝撃で耳が、一時的によく聞こえなくなって、水の中に居るような感じになる音の表現が本当に臨場感があって…。

そこからは、一気にトランス状態になって、音が先行して、体感させられていく感じでした。

それなので、金髪の娘:グラーシャが食べた物を戻してしまうシーンなんかは、一緒になって具合が悪くなってしまう程で、上映中にそんな風になったのは初めてでビックリしました…。


ラストの方で、ワーグナーのタンホイザー序曲の冒頭が、怒号とけたたましい喧騒の中でほんの少しかかったのも皮肉だし、さらにモーツァルトのレクイエムで締めくくったのは最高の皮肉でした。

レクイエムの曲が持つエネルギーが映画とあっていて、圧巻でした。

“628”は、ドイツ軍が焼いた白ロシアの村の数なのです…。