☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『愛の渦』(2014)

2015年06月26日 | 邦画(1990年以降)
『愛の渦』(2014)

監督:三浦大輔
出演者:池松壮亮
門脇麦
滝藤賢一
中村映里子
新井浩文
三津谷葉子
駒木根隆介
赤澤セリ

【作品概要】
裏風俗という設定と、本編123分のなかで服を着ているシーンが18分30秒のみという内容、三浦監督が役者に求める演技力といった理由から企画の立ち上がりから映画化にこぎ着けるまで、2年の歳月が費やされた(Wikipediaより)

【感想レビュー】
面白い…!
これは、全然エロではありません

“そういう”目的で集まった人達とその空間なのだけど、それはあくまでも設定に過ぎず、人間関係がテーマの作品でした。自己と他者。

人はどうやって他者との間合いをはかるのか?
どのように自己を開放していくのか?
肉体のみの排他的な関係ならば、かえって真の自己を開放できるのか?
それどころか、自分さえ知らない自己を発見出来るのかもしれない…?

もしくは、しがらみの中で本当の自己を開放できない自分も、排他的な関係において表現出来た自己、発見出来た自己も、真実の自己なのではないか。

人は誰でも、役を演じている。仕事上でも。家庭でも。

でもそれは、そんなに真実の自己と隔たりがあるのか?
実は表裏一体かもしれないし


観終わってから、そんな事をぐるぐる考えています

役者陣が本当に素晴らしいです


妖しいヴェールに包まれた秘密の空間のはずだったその場所が、健やかな朝日に照らされた時にはもう、もう、ただただ白けた日常に戸惑いながら戻っていく登場人物達を、こちらも同じく夢から醒めたかのような気分で見送らざるおえなかった…


それにしても面白い設定でした!

ストーリー展開のテンポも良かったし、色んな伏線が効いていて惹き込まれて観ました



『海街diary』(2015)

2015年06月24日 | 邦画(1990年以降)
『海街diary』(2015)

監督:是枝裕和
出演者:綾瀬はるか
長澤まさみ
夏帆
広瀬すず
【作品概要】
ベストセラーを誇る吉田秋生のコミックを実写化したドラマ。鎌倉に暮らす3姉妹と父親がほかの女性ともうけた異母妹が共同生活を送る中、さまざまな出来事を経て家族の絆を深めていく姿を追う。

【感想レビュー】@theater
これは…なんだか色々な観点からじんわりとくる映画でした

実は是枝監督作品は少し苦手というか…なんというか…とかチクッとした思いを抱きつつ、好きな俳優陣が多いのと、鎌倉に惹かれて観ました

正直、うまく作られているなぁという偉そうな感想と、しかしまんまとじんわりさせられた…!というちょっと悔しい?気持ちが合間って、只今複雑であります

その心は…。
たくさんあるのですが、例えば。

三姉妹の時には不自然なほどに台詞にわざわざ『あれ』を多用していて、共同生活後には『あれ』を確か使用しなかったことで、血の繋がりはあれど、ほぼ他人とのぎこちない空気感や距離感が表現されていたこと。

山形で、すずが一番好きな高台に三姉妹も登り、一緒に景色を臨むところでは、なんとその肝心な景色が映されない…が、ラストの鎌倉の高台のシーンでは、そこから臨む景色が映されること。

鎌倉が舞台というと、どうしても小津監督作品の印象が強いですが、冒頭の路地や竹生垣の撮り方にオマージュを感じてしまいます。素敵ですねぇ

“小津安二郎の反映画”のなかで、吉田喜重氏は繰り返し指摘する。小津さんの映画とは、事物の側に立って、われわれ人間を眺めることであった、と。
そういった小津監督作品への解釈、オマージュを海街diaryに感じました


そういえば劇中音楽の始めが、マーラーの交響曲第5番のアダージェットにちょっと似てたような…

そうだ、まえだまえだの弟の前田旺志郎くん、感性が豊かでとっても良かったです~


『横道世之介』(2013)

2015年06月23日 | 邦画(1990年以降)
『横道世之介』(2013)

監督:沖田修一
横道世之介 - 高良健吾
与謝野祥子 - 吉高由里子
倉持一平 - 池松壮亮
片瀬千春 - 伊藤歩
加藤雄介 - 綾野剛
阿久津唯 - 朝倉あき

【作品概要】
『パレード』『悪人』の原作者として知られる吉田修一が毎日新聞で連載していた作品を映画化。長崎から上京してきたお人よしの主人公の青年と周囲の人々のエピソードが描かれる。(Yahoo!映画より)

【感想レビュー】
とっても不思議な作品でした。

高良健吾さんのふわふわヘアも可愛かった…

1987年に大学に進学したという事は、今年45、6歳になる学年の青春時代なわけで。
あぁ、また当時を振り返るスタイルの青春ドラマかなぁなどと思いつつ、しかし妙に描写がリアルだなぁとも思って観始めました。
主人公の“世之介”が主体で、彼の記憶を辿っているはずが、彼と関わりのある人物達の記憶にすり替わる瞬間があって、急にあれあれあれ…と思っているうちに過去が遠くに感じられるようになっていく。。

そのへんの変わり目がスリリングな作品でした

ネタバレ注意の作品なので、このへんで…

またまた池松壮亮さんや綾野剛さんが出ていて、ここ数年の邦画話題作を続けて観ていると、同じ俳優さんの出演率が高かったりするので、この方よくお目に掛けるなぁ、というのが結構あります…
吉高さんのなんちゃってお嬢様ぶりが絶妙でした




『大人ドロップ』(2013)

2015年06月20日 | 邦画(1990年以降)
『大人ドロップ』(2013)

監督:飯塚健
出演者:池松壮亮
橋本愛
小林涼子
前野朋哉

【作品概要】
樋口直哉の小説が原作の青春ドラマ。いいようのない焦燥や不安を抱える4人の高校3年生が、思春期を脱していく姿を見つめる。

【感想レビュー】
『うさぎドロップ』からの『大人ドロップ』…
ちょっと前に観たのですが
ドロップっていう響きが、やはりノスタルジーですね。

青春ドラマというと観ていられないほどサムくなりがちな作品も多そうですが、この映画は、それどころか観いってしまいました

夏の汗で肌にまとわりつく制服とか。気怠さが眠気を誘い何時間でも睡眠を貪った夏休みとか。なかなかうまくいかない恋愛模様とか(←主に片想い

中高生あるあるでしょう、うん。

大人になれば些細なことが、一大事だったあの頃…というのがセンスよく展開されていきます。

池松くんと橋本愛ちゃんが素晴らしいのは勿論なのだけど、同級生役の2人もとっても素晴らしい

ラストのアッサリ感も良かったです






『うさぎドロップ』(2011)

2015年06月19日 | 邦画(1990年以降)
『うさぎドロップ』(2011)

監督:SABU
出演者:松山ケンイチ
芦田愛菜
香里奈

【作品概要】
宇仁田ゆみ原作の人気コミックを、『蟹工船』のSABU監督が映画化したヒューマン・ドラマ。ひょんなことから一緒に暮らすことになった6歳の少女と男の珍妙な共同生活を描き出す。不器用だが心の温かい主人公を演じるのは、『DEATH NOTE デスノート』シリーズの松山ケンイチ。彼のキュートな相棒を、『告白』などの子役の芦田愛菜が演じている。香里奈や池脇千鶴、風吹ジュンら豪華キャストらと共に織り成す感動の物語が胸を打つ。

27歳独身のダイキチ(松山ケンイチ)は、祖父の葬式に出席するため久しぶりに帰省する。彼はその席で6歳の少女りん(芦田愛菜)に目を留めるが、何と彼女は祖父の隠し子だということで親族一同がパニックに陥ってしまう。ダイキチは施設に入れられそうになっていたりんをふびんに思い、つい自分が彼女を引き取って育てると言ってしまい……。(Yahoo!映画より)

【感想レビュー】
ふむ
不自然な感じは狙ってるのでしょうかねぇ。状況とそれに直面した時の登場人物達の反応がそれぞれズレてる感じ。
だからふわふわしたファンタジーのようにも思える。
一応設定が普通の普通の生活の非日常を描いているから、何となく反応も型通りのものを予想してしまうし、期待してしまうのだけど、そこがふわふわとしているので、全体がふわふわとしたファンタジーのようでした

でも少女を演じる愛菜ちゃんが喪服を着て庭に立ちすくむ表情とか、射抜かれます

ダイキチを演じる松山ケンイチさんが、妄想ダンスシーン()で、帽子のツバギリギリに射竦めるとことか、本当に一瞬のカットだけど、ふおぉぉ~ってなります。
デスノートのLの眼差しを一瞬彷彿とさせるカットでした

ファンタジーで、さらに妄想

ふわふわ感を楽しむ作品でした