散文的で抒情的な、わたくしの意見

大河ドラマ、歴史小説、戦国時代のお話が中心です。

西郷どん 45回 西郷立つ 感想  翔ぶが如くとの比較

2018年12月03日 | ドラマ
西郷どん 45回  西郷立つ  大河「翔ぶが如く」と比較しながら書いてみようと思います。

大まとめの感想としては「史実通りに描く必要はない。ウソも許される。しかしもっとリアリティのあるウソをついてくれ。あれ史実なのかな?と思わせるようなウソをついてほしい。見た瞬間に、ありえないだろ!と思うようなウソはやめてほしい。時代劇だから嘘も許される。しかしそれに甘えてはいけない。史実を踏まえてウソをつくとか、もっとうまくやってくれ。何が重要で、何が重要でないのか。ついていいウソとダメなウソの境界線はどこか。最低限、それぐらいは考えてほしい。あと若僧に明治国家の大官を演じさせるのはやめてくれ。」となります。

1、西郷は家にはいない。

西郷どん、では、西郷は家にいて家族を大切にしています。でも家にはいなかったはずです。吉田村にいたと思います。鹿児島中心部(都市)にいると、暴発士族に「かつぎだされる」心配がありましたから、いません。だからあんな風に家族と幸福な日々を過ごしたりはしていません。

2、廃刀令

廃刀令に関して桐野が大山に「食ってかかって」ました。明治9年に刀を差していたのでしょうか。「るろうに剣心」じゃあるまいし。

大河「翔ぶが如く」では、、、もちろん桐野たちは刀など差していません。「すでに刀なぞ差してはおらんぞ」というわけで、「いまさら廃刀令もないもんだろ」という感じで受け流します。
明治9年ですからね。刀なぞ普通の生活においては差していないでしょう。村田新八なのかな。誰が誰か分からないけれど、洋装で刀二本を差している人物もいて笑えました。
そりゃ西南戦争の「戦時においては」、差していたかもしれません。日常の生活を送っているのに、明治9年か10年段階で洋装二本差しって。いたとしても「ちょっと痛い人」扱いでしょう。

3、密偵「中原」を拷問したことで西郷どんは怒り爆発「これは国家への反逆じゃ」

なんで一人の薩摩人を拷問すると「国家反逆」なのか。中原はポリスとして活動していたわけもないないし、1人の薩摩人をいじめたぐらいで国家反逆罪にはなりません。

翔ぶが如くでは、史実通り、西南戦争の直接のきっかけは、薩摩私学校生徒が、政府の「弾薬撤去」に抵抗し、「弾薬掠奪事件」を起こしてしまったから、となっています。弾薬掠奪事件は明らかな国家反逆です。国家反逆を行った私学校生徒を、政府に渡すことができなかったため「やむなく立った」とされています。

西郷どんでは、密偵事件→弾薬掠奪事件となっています。これは逆です。時系列でいえば、弾薬掠奪事件が先にあり、その後密偵の摘発が行われます。西南戦争のきっかけは、私学校生徒が起こした国家反逆事件である弾薬掠奪事件なのです。戦争の大義を得るため「西郷暗殺計画を作り上げた」という説もあります。「シサツ」が「刺殺」なのか「視察」なのかも、この作品に限ってはもうどうでもいい気がします。真面目に考えることを「放棄させる」力をもった作品。それが「西郷どん」です。ウソばっかりです。

4、桐野や村田新八は何をしていたのか。

薩摩の不満士族を「私学校」という集団に属させ、暴発を防ごうとしていました。しかし彼らは農民生活をしており、普段は鹿児島中心部(都市)にはいません。桐野があんな風にギャーギャー騒ぐドラマを初めて見ました。ウソが多すぎて泉下で桐野も泣いています。

5、大久保はどう対応したか。

それにしても瑛太の大久保の「威厳のなさ」「小者感」はどうにかならないものか。

西郷どんでも翔ぶが如くでも「薩摩に行って西郷に会う」と言います。しかし周りにとめられます。西郷どんでは「止められておわり」です。

「翔ぶが如く」では大久保はこう言います。

「自分が何のために鹿児島に行って殺されたのか。西郷も大久保が死にに来たと分かってくれるはずだ。そうすれば私学校から離れて、脱出するか(または死んでくれる)に違いない」

6、桐野が大久保を「大久保」と西郷の前で呼び捨てにしていた。

ありえません。先輩です。それこそ「西郷激怒」です。陰でならともかく、西郷の前で、そして人々の前で、大先輩である大久保を呼び捨てにするわけがありません。「大久保さー」です。

「桐野、年かさの一蔵どんを呼び捨てにすっとはなんごとか!いつからお前はそんなに偉くなった。二度と許さんぞ」と西郷は叱るはずです。



翔ぶが如くを見た人間からすると、「西郷どん」は漫画に毛がはえた程度の作品です。どうしても悪口が多くなります。

西郷どんの主役は最初堤真一に依頼がきました。が彼は断りました。(一応、子供が生まれるからとかいう理由が取り沙汰されています)

でも「出たくなかった」のだと思います。

ある程度シナリオができていて、どんな作品かも分かり、だから断ったと思います。堤真一は大河「翔ぶが如く」後半で重要な役を演じています。彼にしてみたら、翔ぶが如くというA級の大河で準主役を演じた自分が、どうしてこんなC級の大河で主役をしないといけないかと思えたことでしょう。

西田さんや鹿賀丈史さんは「翔ぶが如く」では主役そのものでした。彼らの「西郷どん」への出演は「NHKに拝みたおされて、仕方なく」というところだったと思います。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿