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NHKBSドラマ「ヘチ・王座への道」感想・英祖について

2019年12月02日 | ヘチ 王座への道


ヘチ王座への道、の主人公は朝鮮王朝21代国王・英祖です。ただし王になる前を描いていますから、英祖の名前はヨニン君です。ヨニングンと読みます。くんではなく、ぐんです。王の正室の息子だと「大君」(てぐん)ですが、側室の息子だとただの「君」です。

在位は1724から1776年。日本では徳川吉宗・家重の時代です。

ヨニン君ですから「ヘチ」ではない。ヘチとは司憲府(サホンブ)という治安のための役所です。「民を幸福にするのは名君とは言えない。法とその公正な執行機関が民を幸せにする」という発想が底を流れているのが分かります。韓国の今の社会を反映しているし、今の日本にも最も必要な「公正」が主人公ということです。

さて主人公である英祖。「トンイの息子」です。父親は粛宗です。トンイではなかなかの王様であったこの粛宗、実際にも「王権を強化した」とは言われています。ただし朝鮮王ですから、官僚の党派対立にはいつも悩んでいます。そしてそれを利用もします。

粛宗、王妃を廃して(党派の問題で)、チャンヒビンを王妃にしたと思ったら、前の王妃を復位させ、最終的にはチャンヒビンを殺してしまう。この過程はトンイでも描かれます。

そもそも王妃の権力が強すぎるのです。徳川将軍家では将軍の生母でも権力はたいして持ってはいません。少しは持っています。将軍の生母で有名な人はいません。「江」ぐらいでしょうか。ちなみに将軍を生んだ「正室」は江だけです。

さて、チャンヒビンの息子は世子のままで、そのまま王になりますが、病弱で死亡。「身分の低い女から生まれた英祖、イグム」が王となります。

トンイではこの最後の過程は描かれず、時代が飛んで、英祖が即位したところで終わっていました。その時は粛宗もトンイも亡くなっています。

そして「イサン」、これは英祖の「晩年」から始まります。英祖の孫が「イサン」です。

ヘチはその中間を描きます。つまり英祖が「王になっていく過程」とおそらく「王になってからの苦闘」を描くのです。そして英祖は「公正な王であった」となると思います。主人公は「公正」なので、公正の為に尽くす様々な人物もまた主人公各となるはずです。いまのところそれはパクムンスとヨジによって代表されています。

英祖の時代、まあ、その前から少論派と老論派が対立。実際は老論派も一枚岩ではなく、老論派内での対立もありました。英祖はそれらを政治的に利用します。そして50年以上の在位です。

感想

今は4回目まで放映されています。

ヨニン君のキャラが一定しないかな。政治に無関心の自然体人間かと思ったら、そうでもない。俺は無用者だと嘆いてみたり、颯爽とふるまったり、キャラがまだ揺れています。

悪人は英祖の初期に反乱を起こすミルプン君です。なぜか「俺は王になる」と言っていますが、王には男子が3人いますから、その可能性はないはず。とにかく「とことん悪人」ということになっています。

ヨジという女性役人が大活躍。あまり美しくない。韓国では有名なのかも知れないけど、なんか美しくない。

パクムンスという役人も大活躍。たぶん王としての英祖を支えていくのだろう。クォン・ユルが演じている。ボイス2では「とんでもないサイコパス」を演じていた人である。

英祖を知っていると。それなりに楽しい作品です。そして韓国史劇ファンならみんな英祖は知っていると思います。息子を悲劇的に殺したりと、いろいろ話題の多い人物です。

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