散文的で抒情的な、わたくしの意見

大河ドラマ、歴史小説、戦国時代のお話が中心です。

真田丸 目指すは家康の首ひとーつ。

2016年11月27日 | ドラマ
真田家を主人公にした場合、家康は「ほどよくワル」じゃないと成り立ちません。

極悪人でも困る。善人でも困る。ほどよく悪人であることが大切になります。

かつての「真田太平記」もそうでした。中村梅之助さんが演じた、まあ私の中では「最高の家康」なんですが、ほどよくワルでした。あまりにワルすぎても現実味がない。だからといって善人でも困る。

真田家にとっては「長年の敵」であったとしても、現実的に歴史をみるならば、家康は「偉人」です。260年の太平の世を開いたのです。こんな偉人は他にいない。

でもその為にはワルにもなりました。そのあたりの品のいいワルの感じ。中村梅之助さんの家康はうまく演じていた、脚本もよかったと思います。

「真田丸」の家康は、かなり露骨に悪人になっています。でも1年前に登場した時は「弱虫でへたれの」コミカルな人物でした。1年経って、だんだんとワルになって、ちょっと「ワルの度合い」が行き過ぎた感じですが、まあ許せる範囲かな、と思います。

目指すは家康の首ひとーつ。まあ、こんな使い古されたセリフを三谷さんは採用しないでしょうが、それと同じセリフを幸村は言うはずです。

ワルになっていてくれないと、このセリフが成立しません。

真田丸、大坂入城後の幸村は真田丸の勝利の他は、失敗続きですが、最後の最後に家康を自殺寸前まで追い詰めます。追いつめるはずです。

歴史的にはこの逸話はたぶん「伝説」ですが、とにかく真田家ものでは、家康はそうなる運命にあるのです。「お決まり」と言ってもいい。

ドラマとしては、草刈さんの死後は、滅茶苦茶というか、全然だめですね。茶々の行動も、秀頼の行動も矛盾だらけです。見ていられない。でも最後だけは少しちゃんとするでしょう。

具体的には「家康を自殺寸前まで追いつめる」ということ。それをもって幸村の勝利とするのでしょう。あとは茶々と秀頼が華々しく死んで、終わり、というところでしょう。

ホシイイ倉にこもって「華々しく死ぬ」なんて無理なんですが、その無理を承知で三谷さんは秀頼に栄光ある死を与えると思います。

もしかすると、信之のその後に触れるかも知れない。戦国最後の生き残りとして93歳まで生き、人々の尊敬を一身に集める。それをもって「真田家の勝利」とするのかも知れません。

色々書きましたが、この予想、一つ以上は必ず当たるはずです。

スニッファーは面白い。

2016年11月27日 | ドラマ
NHKの嗅覚捜査官スニッファー。日本のドラマとしては、実に面白い。

まあ日本のドラマではありませんが。

犬なみの嗅覚をもった男が、その能力で犯人を捜しだすという犯罪もので、「ウクライナの私立探偵スニッファー」が原作です。

でもこのドラマの題名(日本語訳)も変。私立探偵じゃないからです。特殊警察の顧問というか、協力者、契約局員です。

主人公の顔が似ています。もっとも阿部寛さんの方がハンサムです。

設定もドラマの流れも「非常に似ているが、全く違うとも言える」感じです。

主人公の元妻、今の恋人との関係。日本版だと非常にコミカルですが、ウクライナの原作版だともっと「シビア」です。

相棒の刑事、日本版だと香川さんですが、これまたコミカルな人物です。ウクライナ版だと「ハンサムではないが女たらし」という設定で、日本版ほどコミカルではありません。

ウクライナ版ではいわゆるロシア系マフィアが登場します。殺害シーンなどもかなりリアルです。

でも日本版はNHKですから、マフィアは新興宗教団体に設定替えされ、残虐な殺人シーンも少ししか登場しません。

日本版が「人情劇」になっており、親子の情とかに焦点があてられる傾向にあるのに比べ、ウクライナ版は「日本的な人情ドラマ」とは違っています。

人情ものの回もありますが、日本的な人情ものとはかなり違った印象を受けます。

ただ、相棒とスニッファーの関係に「熱いもの」がある点はウクライナ版の面白さです。普段は冷淡ですが、スニッファーの危機に対しては、熱い行動をとります。

ちなみに相棒を「刑事」と書きましたが、ウクライナ版での肩書は「大佐」です。

ウクライナの「村」が登場します。特殊警察の捜査設備や建物は非常に近代的なんですが、「ウクライナの村」は「びっくりするほど貧乏」です。住宅は家というより小屋です。

ウクライナのことなんて全く知らないので、ウクライナを知ることができる点も興味深いところです。こんなに貧しいんだな、と少し世界のことが分かった気持ちになります。

珍しくどちらも面白い。日本版、もうちょっと人情ドラマ性を薄くすれば、なお面白いと思います。

ちなみにウクライナ版は字幕のみで、そこが難点。字幕は疲れます。

「獄門島」と俳優の力  ドラマと映画の比較

2016年11月23日 | ドラマ
NHKで「獄門島」を放映してました。新版です。BSでは市川崑版のかつての「獄門島」も放映していました。

「こんなに違うものか」というのが感想です。

犯人だけは「NHK版」の方が原作に忠実です。映画版は「女性を犯人にする」という映画シリーズの目的のため、原作にはない司葉子さんという「女犯人」を作り出しました。

でもNHK版。「新しい」というより「実に変な」金田一耕助です。全く魅力がない。

他の俳優陣も同じです。早苗、和尚、お小夜、細かくは竹蔵に至るまで、「俳優の力」が違いすぎて、もう「格が違う」というほどの違いで、ほとんど「同じ作品」とは思えませんでした。

獄門島。

ドラマ「トリック」は細部まで横溝正史へのリスペクトが満ちた作品で、主人公の山田奈緒子の出身地は「黒門島」(コクモントウ)です。

犬神家の一族も名作ですが、映画「獄門島」も素晴らしい作品です。トリックの演出家がリスペクトしたい気持ち、よくわかります。

でも、映画版の「獄門島」を見て、「素晴らしい俳優さんたちはみな死んでしまったな」と、「なんだか悲しい気持ち」になりました。

司葉子さんは存命です。金田一の石坂浩二さんも存命です。三人娘の一人、浅野ゆう子さんもむろん生きています。お小夜の草笛光子さんも。

でも「亡くなった方」があまりに多い。

まず早苗役の大原麗子さん、本当に綺麗です。が、亡くなりました。それから床屋の娘の坂口良子さん。この二人の女優さんは早くして亡くなった。実に惜しいことです。

和尚役の佐分利信さん。分鬼頭の大地喜和子さん。それから、大滝秀治さん、三木のり平さん、加藤武さん、小林昭二さん。内藤武敏さん。東野英治郎さん。松村達雄さん。稲葉義男さん。

主要な登場人物は全て亡くなってしまいました。

映画とTVドラマでキャストを比べるのは「酷」ですが、それにしても「映画版」の俳優さんたちの力は凄すぎるなと、見比べて思いました。

NHKの新版は一度見ればもう十分です。映画版は何回みても飽きることことがない。それほどに素晴らしい作品です。

パーソンオブインタレストの終了(涙)

2016年11月16日 | ドラマ
当然ですが、ネタバレを含みます。


パーソンオブインタレストが5を持って終了しました。好きな番組だったのに涙。本当に泣いたりはしないけど。

みんな死んでしまった、、、、というセリフが沢山出てきました。

でも「みんな」は死んでません。

ルートとジョンが死んでしまった。ジョンは主人公だから当然魅力的ですが、ルートも好きだったのにな。

仮にこの番組が復活するとしても、もうジョンとルートは見ることができません。

もっともギリギリ、ジョンが死んでいない可能性はあります。遺体のシーンはありません。でも「生きていた」とするのは、ほとんど不可能でしょう。流れからみて。

ルートは最初は凶悪な殺人者として登場した女性ですが、「壊れ方」が魅力的ですし、後半は「正義の人」となります。

よくファスコ刑事からは「いかれた姉ちゃん」と呼ばれてました。ベッキーが年をとるとこういう顔になる、って顔をしています。でも死んでしまった。

フィンチとファスコとショウは生き残りました。たぶん「マシン」も。

この番組が復活するとして、ジョンの代わりはたぶんいるでしょう。カッコよくて強い男。でもルートの代わりは難しい。

パーソンオブインタレスト、わざと何年も「意味を調べない」で来ましたが、日本語訳は「容疑者」みたいです。「関心のある人間」じゃありません。

シーズン4ぐらいからコンピューターVSコンピューターとなってしまい、展開が「窮屈」になってしまいました。

単純に「人助け」をしていたら、もっと続いていたのにな、と思います。

だらだら続いているあまたの海外ドラマよりずっと面白いのに、残念です。