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犬神家の一族 2018 軽薄な金田一 スケキヨはまあまあ。

2019年01月02日 | ドラマ
年末に録画しておいた「犬神家の一族」2018を観てみました。TVドラマです。

TVドラマでゴールデンだからこの程度に「ライト感覚なのはしょうがないか」、、、なんて思いません。何やってんだろという感じです。

まず金田一がひどすぎる。渋谷鉄平みたいな加藤シゲアキ?セリフは学芸会レベル。深みも味もなにもない。しかも演出がひどい。金田一が軽薄にも「自分の推理を自慢げに披露」します。

そうじゃないだろと言いたくなります。金田一は「事件を未然に防げない」探偵なのです、全て後手後手に回り、事件が終わってから「カラクリに気が付く」のが金田一です。

「僕がもう少し早く気が付いていれば」が口癖です。まあホームズだってそうですが、事件を未然に防ぐことはできず、本人もそれに気が付いており、だから「カラクリの解説」もどこか恥ずかし気に行う。自分の推理を自慢げに披露するなんてこと絶対にやらないし、やる資格もないわけです。そして、そこが金田一の魅力です。

さらに根本的な問題は、珠世が犬神佐兵衛の「孫」として設定されていないということで、この段階で、すでに横溝作品の本質を捨て去っています。

野々宮珠世が実は「犬神家の一族」であることが、全ての惨劇の始まりであるはずです。その設定をなくしてしまって、単なる「恩人の孫」としてしまっては、「もはや犬神家の一族でもなんでもない」ということになるはずです。

どーして珠世が犬神家の全財産の相続人となるのか、説明がつきませんし、このTV版しか観ていない人には分からないはずです。恩人の野々宮大弐と犬神佐兵衛が男色関係。しかも大弐の妻の晴世と犬神佐兵衛は大弐公認のもと性的関係にある。で、晴世の孫の珠世は、実は佐兵衛の孫でもある。だから珠世が全財産の相続人とされた。そのドロドロをなくしてしまっては横溝作品とは言えないと感じました。

そのせいか、犬神佐兵衛がどこかユーモラスで、いいお爺ちゃんみたいな感じなのです。「違うだろ!」としか思えません。

「はる」は誰なんだろうと思ったら、平祐奈さんです。旅館の女中さん。でも坂口良子さんのようなインパクトはありません。天真爛漫さが不足している。しかも名前は「はる」ではなく、「美代」です。どうして?

スケキヨはまあ合格点です。ただし「かぶりものが可愛い、特に目が可愛い」のはいただけない。コント、スケキヨ君みたいな「かぶりもの」です。

役者は賀来賢人さんというらしい。名前は知ってましたが、はじめて演技を見ました。さすがに俳優さんです。加藤なんたらとかいうタレントとは演技の質が全く違います。

TVドラマだから仕方ない、、、なんて思いません。映画は「日本映画史に残る作品」なんだから、TV版とは言え、もっと真面目に作ってほしいものです。


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