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海道龍一朗・小説「我、六道を懼れず 真田昌幸連戦記」

2019年04月08日 | 真田丸
海道龍一朗・小説「我、六道を懼れず 真田昌幸連戦記」

前編・後編とありますが「厚い本」です。重い。

なんと表現したらいいのだろうか、とっても「古い作風」なのです。古い?というのは失礼でしょうか。

でも「重厚」というわけでもないのです。

「偉人伝」なのですね。真田昌幸を描く場合にも「表裏」の面白さはあまり描かないのです。

とにかく全員が「筋目を通す人」なんです。

じゃあクダケタ書き方ができないのかというと、恐らくできます。秀吉なんぞは随分クダケタ感じで書いているからです。

でも真田昌幸はあくまで「筋目を通す人」です。

変に新解釈を加えてない点はいいのですが、真田昌幸をあくまで「筋目を通す人」として描くというのは「一種の新解釈」です。

固くるしいと言えば、固苦しい作風です。武将には全部「殿」がつく。義経なぞに至っては「義経公」などと書いています。

面白みはありませんが、まあ悪くはない本だとは思います。