散文的で抒情的な、わたくしの意見

大河ドラマ、歴史小説、戦国時代のお話が中心です。

明治維新後、残念な有名人・薩長土肥

2019年06月14日 | 明治維新
明治維新後、残念な人々は沢山います。特に薩摩は西南戦争がありますから、西郷や村田新八など沢山います。ここでは西南戦争関係ははずします。

土佐

土佐は簡単で後藤象二郎です。大政奉還を進言したり、龍馬と組んであらゆる重要場面に登場します。明治維新の功により賞典禄1,000石。

ところが維新後が散々です。それなりに高い地位につきますが、西郷の政変で下野。事業に失敗。その後また大臣となりますが、わいろで辞職。明治後のドラマで後藤が登場しないのはそのためです。

薩摩

立派な人だったのに、死んでしまって残念なのが小松帯刀です。西郷、大久保の仲間としては別格で身分が高く殿様階級です。しかし幕末、大きな仕事は沢山しました。

もともと病弱で明治三年に亡くなります。彼が生きていたら、大久保、西郷の上に立ったでしょうし、西南戦争もなかった可能性があります。もっとも西南戦争がなくなったことが日本にとって幸いかは、それは分かりません。

あと有村俊斎。彼は立派でもなんでもない。幕末においても、明治後においてもひたすら残念な人です。

長州

生き残ったのに暗殺された村田蔵六と広沢真臣

暗殺されなかった人物としては井上馨。長州も名門の出です。物知りだということで聞多とも言われます。功績は多いのです。しかし汚職のイメージがあり、功績の割には評価されてはいません。

山田顕義、村田蔵六の弟子です。用兵の天才と言われました。山縣有朋に対抗できる来歴を持っていましたが、明治25年に亡くなります。日本大学を作りました。

佐賀

鍋島閑叟、お殿様です。お殿様の中では明治政府でも活躍できた人材だと思います。が明治四年に亡くなります。

あとは江藤新平。しかし江藤は幕末はほぼ謹慎状態で活躍はしていません。

もし、維新というものが正義であるとしたら

2019年06月14日 | 明治維新
一人の男がいる。歴史が彼を必要としたとき忽然と現れ、その使命が終わると大急ぎで去った。もし、維新というものが正義であるとしたら、彼の役割は津々浦々の枯木にその花を咲かせてまわることであった。中国では花咲爺のことを花神という。彼は花神の仕事を背負ったのかもしれない。彼、村田蔵六、後の大村益次郎である。

大河ドラマ「花神」の冒頭です。「もし、維新というものが正義であるとしたら」という「条件づけ」が印象的です。この作品、きちんと敗者も描くのです。特に河井継之助を描きます。それによって明治維新というものの「価値」が多少相対化されます。

明治維新は絶対的な正義であった、、、という描き方はしません。

そういう疑義のない歴史観は浅いものとなりがちです。例えば西洋化をしたから明治政府は悪いとか、薩長史観で教育は毒されているとか、そういう善悪二元論に立った浅い歴史観になりがちです。また薩長はテロリストであるといった「激論」、極端な見方になってしまう危険さもはらんでいます。

さて明治維新というのは、青写真なしの改革でした。青写真を持った人間もいましたが、その人間の数だけ青写真がありました。

龍馬の「新政府綱領八策」(船中八策の自筆版)などもその一つです。なんで自筆版なんかを出してくるかというと船中八策はなかったとかいう人がいるからです。色々面倒くさい。

・天皇を中心とした中央集権化を行う(ただし天皇の地位は立憲君主的なものする、法治国家)
・封建的身分秩序を解体し、広く人材を登用する
・富国を行い、陸海軍を増強する
・もって列強の浸食を防ぐ

これぐらいが共通項だったかも知れません。ただし天皇の地位については違うかも知れません。しかしながら専制君主にしようという志士は多くなかったように思えます。

・列強の浸食をふせぐ

が、もしかしたらただ一つの共通項だった可能性もあります。

村田蔵六は「陸軍の増強」の役割を担いました。ただし早期に暗殺されたため、その仕事は山縣有朋が引き継ぐことになります。

・長州征伐において総軍事指揮を行った
・彰義隊殲滅の総軍事指揮を行った
・戊辰戦争の総軍事指揮を行った

これによりつまり村田は「維新の仕上げ人」とされます。「維新の仕掛け人が龍馬とするなら、仕上げ人は村田蔵六」

司馬さんの見解ですが、どこまで国民に浸透しているのか、それは分かりません。

維新が正義か、それは人それぞれの見方でしょう。私は薩長も知っているし、長岡藩や会津藩の運命も知っています。どっちにも立派な人間がいます。あの時点での近代化は「時代の要求」だったかなと思います。人物としては徳川慶喜が好きで、同時に村田蔵六も好きです。前述の言葉に加えるならば、龍馬が維新の仕掛け人とするなら、仕上げ人は村田蔵六とそして徳川慶喜かなと思います。