散文的で抒情的な、わたくしの意見

大河ドラマ、歴史小説、戦国時代のお話が中心です。

大河ドラマ「麒麟がくる」 第二回「道三の罠」・感想

2020年01月26日 | 麒麟がくる
天文16年(1547)です。織田信秀の「美濃侵攻」から始まります。信秀の晩年ということになります。織田信秀はさかんに戦をしかけていました。史実としては今川や松平にも。

・とにかく斎藤道三がカッコいい。国盗り物語に平幹次郎さんと同じぐらいカッコいい。道三はこれでなくちゃ。

・加納口の戦いが描かれていた。5千人の美濃兵が死んだという伝承があるやつだ。美濃崩れ。

・光秀が孫子を暗唱していた。教養人であることが示されている。

・「貸した金を返せないなら、侍大将の首を二つとれ」と道三が光秀に言う。こんなセリフ、今までの大河では聞いたことがない。面白い。「光秀が戦う動機づくり」にもなっている。

・帰蝶、川口春奈がかわいい。帰蝶は信長とほぼ同じ年。おそらく15歳ぐらいの設定である。光秀は19歳。光秀とは「いとこ」だが、ずっと会っていなかった設定。「光秀と帰蝶の淡い恋はない」ということが分かった。と思ったら予告編で帰蝶と光秀はなんとなくいい感じになっている。帰蝶はずっと立て膝だ。ここまで「たくましい帰蝶」は初めてだ。

・尾張は美濃を攻めるが、美濃からは尾張をほとんど攻めない。これは何故か。今度調べてみたい。

・相変わらず殺陣がリアルである。金かけている。すごいシーンになっていた。

・負けた織田信秀「城に帰って、、寝るか」が良かった。「だめだコリャ」という感じだった。

・「やり」はとりあえず「叩いて使う」ことはないようだ。短いやりをもった敵の集団に対し、光秀は「刀で」切り倒している。短い槍の集団に「刀」では無理である。(という実験結果がある)

・戦いのシーンに、変な占い師とかが出てこないのがいい。

・火だるま俵、あそこまでの効果はきっとないだろう。

・美濃衆と道三との気持ちの乖離が描かれていた。

・道三の戦い方、気合のかけ方、武田信玄のようであった。「奇襲作戦」か。実際は奇襲などあまりないのだが、ドラマとしては面白い。

・光秀が討った侍、明智光安に似ている。のか本人なのか。首を落としたのだから、明智光安ではないのであろう。

・土岐が守護で、道三は守護代、戦国に詳しくない方には説明が必要かな。必要ないかな。

・道三の頼純暗殺。ダーク過ぎるが、超ハンサムな本木さんだから成り立つ。

・駒が「戦はいやだ」というようなセリフを言わない。言わないのは珍しいと思う。

・もう少し「時代背景や美濃の情勢を詳しく描くはず」であったのかも知れない。しかし色々あって全44回になってしまった。最初の方は、今回も含めてダイジェスト的になっているのかも知れない。NHKも大変である。

大河ドラマ「麒麟がくる」 第一回「光秀、西へ」・感想・素晴らしかったと思う。

2020年01月19日 | 麒麟がくる
麒麟がくる初回「光秀、西へ」の最初の感想です。ビデオを見返したら、また書くと思います。ツイッターのように、短文を連ねます。

・画面が綺麗だ。カラフルだ。そうなることは知っていたが、それにしてもカラフルだ。

・音楽もよい。特にオープニングが良い。

・最初の方は映画「七人の侍」か。

・初回を見て、特に大きな不満がない大河ドラマは珍しい。ほぼ予想通りであるが、光秀の描き方は予想と少し違っていた。

・斎藤道三が槍を振るっていた。良い演出だ。かっこいい道三を久々に見た。泣きそうになった。

・経済にこだわる道三対武士のほこりの光秀、という構図は、やがて崩れていくと思う。光秀も軍団を動かせば、経済について学んでいくはず。

・それでも光秀のキーワードは「誇り」なのであろう。本能寺の変の原因も「誇り」ということになろう。(個人的恨みではなく、もっと高い次元の理由づけがなされるはず)

・「人買い」「奴隷商人」が描かれていた。

・関所の理不尽、野盗の姿も描かれていた。

・戦国の悲惨さ(本当はこうだった)は描かれていたが、衣装がカラフルなので、リアルな悲惨さではなかった。それぐらいがちょうどいいと思う。本当にリアルに描かれたら見ていられない。

・帰蝶が「美濃国内で、おそらく土岐氏とすでに結婚して」いた。一応そういう史料はあるみたいだけど。川口さんの帰蝶は素敵だと思った。

・マチャアキの演技は今一つだったかな。重要な役だけに評価が辛くなる。

・門脇麦さんは魅力的な表情をしている。意志の強そうな顔立ちだ。素敵な女優さんだと思う。

・あれだけ駒に心を開きながら、結局はヒロ子と結婚する。どう整合性をつけるのか。つけないのか。

・駒を救った「大きな手の武士」。誰だ?斎藤道三の父?明智光秀の父?おそらく光秀の父だろうな。

・戦国の理不尽さをまざまざと見て、世を変えないといけないと思う光秀、もっと前から美濃の様子を見て気付いていてもいい気もするが、物語としては分かりやすくてよい。

・長いセリフが多かった。私は嫌いではない。誰が話し手かにもよるけれど。

・「史実を基にしたフィクション」であることが「演出から」はっきりと分かった。フィクションなのだ。だから楽しい。「これが史実だ」的な描き方をしていない。それが良い。幕末や近代史では過度なフィクションは排除すべきであるが、現代と直接にはつながらない戦国史ではある程度のフィクションが許容されてもいいと思っている。

・麒麟がイメージ映像としても出てこなかった、気がする。ちゃんと見返してみたい。

・最後にちょっと理屈っぽい意見。
人物の描き方が多重性を持っていて安心した。松永久秀に道三をほめさせ、光秀にはけなさせる。さらに本人を映像で描く。結果人物は二重、三重の解釈が可能な人物となって「見ている側に解釈の余地を与える」ことになる。それが良かったと思う。
時代劇を書きなれていない作家だと「平清盛は武士の世を開いた素晴らしい武将であった」と「ナレーターに語らせてしまう」、それではこっちに解釈の余地がなくなる。しかも見ていてもどこがそんなに素晴らしいのかよくわからなかったりする。
「光秀と道三には距離があり、師匠弟子の関係ではない」という設定のせいもあるだろう。しかし今後も人物は多重性、多層性を持って描いてほしい。一面的な「決めつけた描き方」をしてほしくない。特に「織田信長」に対してそれを期待している。

というわけで、第一話はよかったと思います。今後気になるには、「同じ脚本家の」あの「大河太平記」の足利尊氏のように、光秀が「高貴な将軍様に惚れ込んで」、ちまちまとくだらないことを思い悩み、行動力をなくしてしまったりしないかということです。大河「太平記」は名作でした。しかしどこが魅力的かも分からない後醍醐天皇に真田さんの足利尊氏が惚れ込み、徐々に優柔不断な男になっていく様はいただけなかった。あんなストーリーは嫌だなと思います。

「麒麟がくる」については、他に二十ほどブログを以前から書いていますので、よろしかったらご覧ください。

源頼朝は征夷大将軍を辞任していた・鎌倉殿=征夷大将軍ではない。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」

2020年01月18日 | 鎌倉殿の13人
「いだてん」を見ていなくて、「書くこと」があまりなく、韓国史劇を見て書いたりしていたのですが、今年は「麒麟がくる」があるし、2022年は「鎌倉殿の13人」があって、一気に「学習意欲」が高まっています。

「源頼朝は征夷大将軍を辞任していた」、割と有名なことのようですが、私は一年ぐらい前に知りました。辞任したのか、本人は辞任したけど朝廷は受理しなかったのか、判然とはしないようです。とにかく頼朝の意識としては「オレは征夷大将軍ではない。鎌倉殿だ。官位というなら、一応、前右大将ということでヨロシク」という感じだったのでしょう。

官位なんていくら高くても「それで現実に御家人たちが自分に従う」なんてことはないわけです。官位に従うというなら平清盛なんて前太政大臣です。そんなことに関係もなく、反平氏の動きは高まっていきました。

つまり「鎌倉政権のリーダーは征夷大将軍ではなく鎌倉殿」ということになります。

頼朝は1194年に将軍を辞任している。1199年までの5年間は将軍ではない。もし早死にしなければ、それからずっと征夷大将軍という肩書はなしに鎌倉殿を務めたことになります。二代目の頼家もすぐに将軍にはなっていません。

となると「鎌倉殿」とは誰なのか。鎌倉時代に限定して書くなら、

・源頼朝
・源頼家
・源実朝

まではまあ「鎌倉殿」なのかなと思います。しかしその後の藤原将軍や親王将軍は「実権力を有していない」わけです。

そうなると「源実朝」の次は

・北条政子と北条義時
・上記の二人が亡くなった後は、北条泰時
・その後は「北条得宗」

が「実質的な鎌倉殿かな」と思います。北条氏はなぜ将軍にならなかったとか言われますが、征夷大将軍位に意味などないならその質問自体が無効となります。北条得宗は実質鎌倉殿だったのであり、「鎌倉殿なんだから他の称号など必要ない」ということになります。得宗とは北条泰時直系の鎌倉政権のリーダーです。もちろんじゃあなんで親王将軍が必要だった?という疑問は残るわけで、それは今後考えてみたいと思います。

北条が将軍にならなかった(名目上のトップ1にならなかった)ことについては「出自が低かった。他の御家人と同列であった」「朝廷の権威を利用し、権力は自分たちが手にした」とか言われています。しかし北条の家格は低いのでしょうか。権威を利用したのでしょうか。私はちょっと違う考えを持っています。むしろ逆なんじゃないか。京都、朝廷の権威を排除しようとしたのではないか。征夷大将軍になるとすると、朝廷にその官位をもらわないといけないわけです。鎌倉の名目上でなく、真の権力者が朝廷によって「認めてもらう」という構造になる。これを避けたのではないか。鎌倉の権力者は「北条得宗であり、それは朝廷とは全く関係ない」という立場なのではないか。そう考えています。北条は高い官位も拒否しました。四位ぐらいにしかなっていないはずです。

話は大きく変わって、「鎌倉殿の13人」の「源頼朝役は誰が良いか」という話に移ります。

設定として「北条義時は源頼朝からすべてを学んだ」ということにするようです。そうなると小栗旬さんより年上ですね。そして「貴族風で気品がある」「でも粗野な面もある」「女好きであるけど憎めない」「それなりに威厳はある」ということになります。となると、

中井貴一さん、、、適役だが以前に演じている。
妻夫木聡さん、、、貴族風だが女好き感がない。小栗旬と年が近すぎる。
内野聖陽さん、、、悪くないが、やや武骨か。
北村一輝さん、、、悪くないが、貴族風ではない。
堺雅人さん、、、、いいかも知れない。
福山雅治さん、、、いい感じかも知れない。
佐々木蔵之介さん、適役かも知れない。

という風になります。

2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・キャスト予想・その3(三谷幸喜が好きな俳優を考慮しなければ)

2020年01月14日 | 鎌倉殿の13人
三谷組俳優(西田敏行さんとか)を配慮した、キャスト予想その2はここにあります。

☆脚本は三谷幸喜さんです。
☆「頼朝の挙兵あたりから、承久の乱あたりまでを描く」と三谷さんが言っています。

ここでは、三谷幸喜組俳優を考慮しません。

「1180年時点」とは「頼朝が挙兵した年の年齢」


源頼朝(1147-1199) 1180年時点33才・・・大泉洋(決定)

☆ここから「鎌倉殿の13人メンバー」ただし三浦義村等を加えている。

北条義時(1163-1224)1180年時点17才・13人の中で最年少・・・小栗旬(決定)

北条時政(1138-1215)1180年時点42才・・・坂東彌十郎(決定)

大江広元(1148-1225)・おおえひろもと・・・栗原英雄(決定)
1180年時点32才・1199年時点51才 大江姓は晩年・それまでは中原広元・中原親能は兄・嫡男大江親広は承久の乱で上皇側
早くから政所長官・守護地頭設置を進言・頼朝存命時は実質ナンバー2・一貫して北条義時と協力関係

三善康信(1140-1221)・みよしやすのぶ・・・小林隆(決定)
享年81才・1180時点40才・1199年時点59才・問注所執事(裁判所長官)・承久の乱では主戦論を展開・北条義時とは協力関係

中原親能(1143-1209)・なかはらちかよし・・・野間口徹
享年66才・1180年時点37才・1199年時点56才・京都守護・政所奉行・大江広元の兄

二階堂行政(生没年不詳・頼朝と同年代か)・にかいどうゆきまさ・・・岩松了
京都の公家出身・行政官・政所執事

梶原景時(1140?-1200)・かじわらかげとき・・・中村獅童(決定)
享年60才・1180年時点40才・1199年時点59才・坂東武者・御家人・教養人・歌人

足立遠元(1130頃-1207頃)・あだちとおもと・・・でんでん
享年77才・1180年時点50才・1199年時点69才・東京都足立区あたりを拠点とした武将・平治の乱に源義朝のもと参加・公文所寄人

安達盛長(1135-1200)・あだちながもり・・・野添義弘(決定)
享年65才・1180年時点45才・1199年時点64才・鎌倉最有力御家人安達氏の祖・源頼朝の側近・子の安達景盛は頼家とは対立、実朝の側近

八田知家(1142-1218)・はったともいえ・・・ムロツヨシ
享年76才・1180年時点38歳・1199年時点57才・保元の乱に参加・北条氏に対抗した頼家の下知により、阿野全成(頼朝の弟・頼家のおじ)を誅殺した

比企能員(没年1203)・ひきよしかず・・・佐藤二朗(決定)
頼朝の乳母比企尼の猶子・娘、若狭局は頼家の妻・頼家の外戚として権勢を振るう・北条氏最大の政敵

三浦義澄(1127-1200)・みうらよしずみ・・・藤岡弘
有力御家人・享年73才・1180時点53才・1199時点72才・三浦氏の運営は子の三浦義村(1160-1239)に譲っていたと考えられる。

三村義村・・・北条義時のライバル・山本耕史(決定)(大河草燃えるで藤岡弘が演じたのは、この三浦義村)

和田義盛(1147-1213)・わだよしもり・・・横田栄司(決定)
享年66才・1180年時点33才・1199年時点52才・坂東武者・最有力御家人・初代侍所長官・数々の武功を挙げる

和田義盛の父・伊吹吾郎

その他キャスト

北条政子・・・小池栄子(決定)・源頼朝の妻

北条政子のよくしゃべる妹・阿波局?・阿野全成(頼朝弟)の妻・実朝の乳母・・・宮澤エマ(決定)

北条時子・義時の異母妹・足利義兼の妻・芦田愛菜

北条義時と政子の母・伊東祐親の娘・岩下志麻

北条政子の侍女・木南晴夏

北条義時の恋人・北条泰時の母・阿波局?・・・山本美月

北条義時の最初の妻・姫の前・・・広瀬すず

北条義時の二番目の妻・伊賀の方・・・夏帆・ややワル?

北条義時の侍女・江口のりこ・義時に対し何かとうるさい設定

牧の方・北条義時の義母・宮沢りえ(決定)

大姫・頼朝の娘・南沙良(決定)

寒河尼・源頼朝の乳母・女地頭となる・黒木瞳

足利義兼・足利氏2代目当主・北条義時の妹、時子の夫・神木隆之介

北条政範・北条義時の異母弟・加藤清史郎

比企重子・能員の妻。比企尼の娘。政子に対抗的・ふせえり・比企は北条氏最大のライバル

比企尼・源頼朝の乳母・高畑淳子

北条泰時・義時の嫡男・執権政治の基礎を築いた・坂口健太郎・御成敗式目を作った人

北条時房(1175-1240)北条義時の超有能な弟・初代六波羅探題長官・初代鎌倉幕府連署・向井理

源義経・菅田将暉(決定)・源頼朝の弟

源範頼・頼朝の弟、義経の兄・迫田孝也(決定)

源行家・源頼朝のおじ・杉本哲太(決定)・鎌倉幕府倒幕に功績

源義家・八幡太郎義家・11世紀の武将・源頼朝や足利氏の祖・石坂浩二

阿野全成・頼朝の弟・新納慎也(決定)・源頼朝の良き相談相手のはず

藤原頼経・三寅・8才で四代将軍となる。28才で京都に戻される。・鈴木福

後白河上皇・似ても焼いても食えない「日本一の大天狗」・草刈正雄

後白河法皇の愛妾・川口春奈・策謀家

北条時政の後妻、牧の方・菜々緒・ちょいワルです

後鳥羽上皇・承久の乱を起こします。・ディーン・フジオカ

後鳥羽上皇の愛妾・剛力彩芽

源頼家・二代目将軍、暴れん坊将軍・金子大地(決定)

源実朝・三代目将軍・賀来賢人

土肥実平・阿南健治(決定)

木曽義仲・斎藤工・正式には源義仲

巴御前・広瀬アリス・義仲の恋人・武人でもある

藤原秀衡・奥州藤原氏・松重豊・義経をかくまう

藤原泰衡・奥州藤原氏・甲本雅裕

平時子(清盛妻)・石田ゆり子

平清盛・松平健(決定)

平知盛・清盛四男・「見るべきほどのことは見た」と自害・中村倫也

平宗盛・小泉孝太郎(決定)

静御前・松岡茉優・義経の恋人

常盤御前・板谷由夏・義経の母

若狭局・源頼家の妻・木村文乃

坊門信子・源実朝の妻・永野芽衣

亀の前・夏菜

土佐坊・児嶋一哉・義経暗殺に失敗・「とさぼう」だよ!

金売り吉次・荒川良々

武蔵坊弁慶・柳葉敏郎

北条宗時・片岡愛之助・北条義時のお兄ちゃん・武士政権計画の首謀者?

安達景盛・池松壮亮

三浦胤義(三浦義村弟)・野村周平

畠山重忠・中川大志(決定)

建礼門院徳子・新木優子・安徳天皇の母・平清盛の娘

梶原景季・溝端淳平

上総広常・加藤雅也・源頼朝に対し対等な姿勢でのぞむ

源三位頼政・岸部一徳・源氏で初めて三位まで登るけれども

以仁王・山田裕貴・後白河法皇の息子・清盛打倒に動き出す

曾我祐成・片寄涼太

曾我時致・伊藤健太郎

平賀朝雅(1205没)・ひらがともまさ・源氏の一族・北条時政の婿・将軍候補資格者、源頼朝の猶子・義時に殺害される・高杉真宙

藤原定家(1162-1241)・時代の記録を残した・柄本佑

伊東祐親・辻萬長(決定)

公暁・志尊淳・源頼家の息子・源頼朝の孫

琵琶法師・平家物語冒頭を歌い語る・滝田栄
以上

朝ドラ「スカーレット」・百合子(福田麻由子)・大野信作(林遣都)・松永三津(黒島結菜)・喜美子は何故TVを買わない?

2020年01月14日 | スカーレット
今週は「優しさが交差して」という題の週です。2020年の1月14日。

百合子(福田麻由子)が「かわいいな」と思います。絶世の美女ではない。でも表情やしぐさや声の出し方がかわいい。福田麻由子さんですね。子供の頃より柔和な顔になりました。「白夜行」とか「日本沈没」で拝見したことがあります。まだ少女でした。

信作は「ばあちゃんの死をきっかけに大きく変身」したはずですが、やっぱり子供の頃の気の弱さが残っているという設定みたいです。林遣都さんは主役もしている俳優さんなのですね。今回初めて見たわけじゃなさそうです。前も見ていた。しかし今回しっかりと名前と顔を認識しました。いい役をもらったのでは、と思います。百合子と幸福になっていただきたい。

松永三津(黒島結菜)。ツイッターなどを見ると、今回初めて「見た」という方も多い。そして「うざい」という方も多い。そういう役だから、当然です。「アシガール」とかを見ると、印象が変わると思います。なんならスペックサーガの黒島結菜、つまり「ニノマエイト」です。まあこれは見ないかな。

前に「出ても損な役」と書きましたが、損しています。でもNHKには「アシガール」で主演をさせてもらっていますからね、断れない。「朝ドラの主役だってできたはず」と思うと、かわいそうです。

物語は「ひたすら室内、狭い空間」で続いていきます。作業場と居間。これしか舞台がありません。そこで夫婦の「優しさのすれ違い」と松永三津のうざい行動ばかりを描いていく。

「世界が狭すぎるではないか」と思います。舞台は1970年、昭和45年だと思います。でもキックボクシングの沢村忠のほかは時代背景を探る手段がありません。

だって「TVすら持っていない」のです。「我慢が美徳だった時代」は終わって、昭和45年ならTVの普及率はほぼ100%です。カラーTVすら25%。

作者の水橋さんは昭和39年の生まれです。自分が6歳の時、TVがない家庭など「ほとんどなかった」という記憶がないのでしょうか。それともモデルになった方の家に本当にTVがなかったのか。ネットの情報ですが、離婚後相当困窮なさったようです。実際にTVがなかったかもしれない。しかしドラマは設定が違います。徐々にですが、豊かになり、喜美子も陶器を大量に作れば、収入が得られるという設定になっている。

生活はできている、百合子も働いて給料をもらっている、でも貧乏だからとTVを買わない。1970年なのに。ドラマの設定として、あまりにリアリティがありません。「貧乏、我慢の強調もほどほどに」と思います。そもそも「ちゃぶ台なんか本当にひっくり返していた家庭」なんか少ないと思います。食料を大切にするのです。貧乏なのです。料理をひっくり返すわけがない。一部にはあったでしょうが、非常に特殊です。

TVがない設定なので、喜美子や八郎さんは「外部の空間」を知りません。ニュースも見てない感じ。だから三津から「新しい情報」を手に入れようとします。江戸時代か!その三津だって「ヒッピー」だったはずなのに、ベトナム反戦にも興味を持たず、今はTVのない家でお手伝いをして、八郎さんにまとわりつくだけの生活です。

関西が舞台なら大阪万博が1970年です。映画「20世紀少年」の時代です。20世紀少年たちが子供だった時代です。「たけし」などまさに20世紀少年のはずなのに、あれほど情報過疎状態では19世紀少年になってしまいます。

私が、どうしてTVにこだわるのか。それは「ドラマの中に時代の情報が少しも反映されない」からです。オリンピックも、大阪万博も、アポロの月着陸も反映されない。そして「ひどい公害、環境問題」も、あの頃の人々の今とは違った「生活意識」も少しも反映されない、、、それは「もったいない」と思います。

あまりに狭い世界で、夫婦と家族と三津だけがなにかをやっているドラマ。超高度成長期だから面白い時代なのに、時代の雰囲気や情報を取り入れない。惜しい脚本だと思います。

私は戸田恵梨香さんを応援しているので、これからも一応見ますけれども。

2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・キャスト予想・その2

2020年01月12日 | 鎌倉殿の13人
2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・キャスト予想・その3(三谷幸喜が好きな俳優を考慮しなければ)はこちらにあります。

キャスト予想その1はここにあります。

☆脚本は三谷幸喜さんです。
☆「13人のメンバー」には、いわゆる「三谷組」の役者を多く並べています。
☆「頼朝の挙兵あたりから、承久の乱あたりまでを描く」と三谷さんが言っています。

北条義時(1163-1224)・・・小栗旬(決定済)
享年61才・1180年時点17才・1199年時点36才・鎌倉殿の13人の一人、13人の中で最年少

源頼朝(1147-1199) 享年52才 1180年時点33才・1192年時点45才・・・妻夫木聡

☆ここから「鎌倉殿の13人メンバー」

北条時政(1138-1215)・・・中井貴一
享年77才・1180年時点42才・1199年時点61才

大江広元(1148-1225)・おおえひろもと・・・高橋一生
享年77才・1180年時点32才・1199年時点51才 大江姓は晩年・それまでは中原広元・中原親能は兄・嫡男大江親広は承久の乱で上皇側
早くから政所長官・守護地頭設置を進言・頼朝存命時は実質ナンバー2・一貫して北条義時と協力関係

三善康信(1140-1221)・みよしやすのぶ・・・篠井英介
享年81才・1180時点40才・1199年時点59才・問注所執事(裁判所長官)・承久の乱では主戦論を展開・北条義時とは協力関係

中原親能(1143-1209)・なかはらちかよし・・・梶原善
享年66才・1180年時点37才・1199年時点56才・京都守護・政所奉行・大江広元の兄

二階堂行政(生没年不詳・頼朝と同年代か)・にかいどうゆきまさ・・・相島一之
京都の公家出身・行政官・政所執事

梶原景時(1140?-1200)・かじわらかげとき・・・山本耕史
享年60才・1180年時点40才・1199年時点59才・坂東武者・御家人・合議制発足後すぐに失脚・教養人・歌人

足立遠元(1130頃-1207頃)・あだちとおもと・・・西村雅彦
享年77才・1180年時点50才・1199年時点69才・東京都足立区あたりを拠点とした武将・平治の乱に源義朝のもと参加・公文所寄人

安達盛長(1135-1200)・あだちながもり・・・小林隆
享年65才・1180年時点45才・1199年時点64才・鎌倉最有力御家人安達氏の祖・源頼朝の側近・子の安達景盛は頼家とは対立、実朝の側近

八田知家(1142-1218)・はったともいえ・・・でんでん
享年76才・1180年時点38歳・1199年時点57才・保元の乱に参加・北条氏に対抗した頼家の下知により、阿野全成(頼朝の弟・頼家のおじ)を誅殺した

比企能員(没年1203)・ひきよしかず・・・佐藤浩市
頼朝の乳母比企尼の猶子・娘、若狭局は頼家の妻・頼家の外戚として権勢を振るう

三浦義澄(1127-1200)・みうらよしずみ・・・藤岡弘
有力御家人・享年73才・1180時点53才・1199時点72才・三浦氏の運営は子の三浦義村(1160-1239)に譲っていたと考えられる。

三村義村・・・向井理

和田義盛(1147-1213)・わだよしもり・・・西島秀俊
享年66才・1180年時点33才・1199年時点52才・坂東武者・最有力御家人・初代侍所長官・数々の武功を挙げる

☆以下主要人物

北条政子・・・綾瀬はるか・または満島ひかり

北条政子の騒がしい妹・阿波局?・・・広瀬アリス

北条義時の恋人・北条泰時の母・阿波局?・・・山本美月

北条義時の最初の妻・姫の前・・・黒島結菜

北条義時の二番目の妻・伊賀の方・・・夏帆

大姫・頼朝の娘・永野芽衣

比企重子・能員の妻。比企尼の娘。政子に対抗的・石田ゆり子

比企尼・源頼朝の乳母・斉藤由貴

北条泰時・義時の嫡男・執権政治の基礎を築いた・中川大志

北条時房(1175-1240)北条義時の超有能な弟・初代六波羅探題長官・初代鎌倉幕府連署・志尊淳

源義経・林遣都

源範頼・頼朝の弟、義経の兄・永山絢斗

阿野全成・頼朝の弟・染谷将太

後白河上皇・似ても焼いても食えない「日本一の大天狗」・草刈正雄

後白河法皇の愛妾・木村佳乃

北条時政の後妻、牧の方・吉田羊

後鳥羽上皇・承久の乱を起こします。・ディーン・フジオカ

後鳥羽上皇の愛妾・剛力彩芽

源頼家・二代目将軍、暴れん坊将軍、神木隆之介

源実朝・三代目将軍・竹内涼真

木曽義仲・阿南健治

藤原秀衡・奥州藤原氏・西田敏行

藤原泰衡・奥州藤原氏・甲本雅裕

平時子(清盛妻)・吉瀬美智子

平清盛・北村一輝

その他キャスト

平知盛・清盛四男・「見るべきほどのことは見た」と自害・ガクト
静御前・桜庭ななみ
常盤御前・板谷由夏
若狭局・源頼家の妻・橋本愛
坊門信子・源実朝の妻・瀧本美織
亀の前・壇蜜
土佐坊・児嶋一哉
金売り吉次・戸田恵子
武蔵坊弁慶・中原丈雄
北条宗時・迫田孝也
建礼門院徳子・新木優子
公暁・仲野太賀

以下、後で加筆します。

2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・13人の名前と年齢

2020年01月12日 | 鎌倉殿の13人
鎌倉殿の13人とは以下の13人・ただし三浦義澄に代わり子の三浦義村が描かれる可能性がある。

大江広元 公文所別当 → 政所別当
三善康信 問注所執事
中原親能 公文所寄人 → 政所公事奉行人。鎮西奉行
二階堂行政 政所家令 → 政所執事
梶原景時 侍所所司 → 侍所別当。播磨・美作守護 正治元年(1199年)失脚(梶原景時の変)
足立遠元 公文所寄人
安達盛長 三河守護 正治2年(1200年)病死
八田知家 常陸守護
比企能員 信濃・上野守護 建仁3年(1203年)謀殺(比企能員の変)
北条時政 伊豆・駿河・遠江守護 元久2年(1205年)追放(牧氏事件)
北条義時 寝所警護衆(家子)
三浦義澄 相模守護 正治2年(1200年)病死
和田義盛 侍所別当 建暦3年(1213年)滅亡(和田合戦)

源頼朝(1147-1199) 享年52才 1180年時点33才・1192年時点45才

大江広元(1148-1225)・おおえひろもと
享年77才・1180年時点32才・1199年時点51才 大江姓は晩年・それまでは中原広元・中原親能は兄・嫡男大江親広は承久の乱で上皇側
早くから政所長官・守護地頭設置を進言・頼朝存命時は実質ナンバー2・一貫して北条義時と協力関係

三善康信(1140-1221)・みよしやすのぶ
享年81才・1180時点40才・1199年時点59才
問注所執事(裁判所長官)・承久の乱では主戦論を展開・北条義時とは協力関係

中原親能(1143-1209)・なかはらちかよし
享年66才・1180年時点37才・1199年時点56才
京都守護・政所奉行・大江広元の兄

二階堂行政(生没年不詳・頼朝と同年代か)・にかいどうゆきまさ
京都の公家出身・行政官・政所執事

梶原景時(1140?-1200)・かじわらかげとき
享年60才・1180年時点40才・1199年時点59才
坂東武者・御家人・合議制発足後すぐに失脚・教養人・歌人

足立遠元(1130頃-1207頃)・あだちとおもと
享年77才・1180年時点50才・1199年時点69才
東京都足立区あたりを拠点とした武将・平治の乱に源義朝のもと参加・公文所寄人

安達盛長(1135-1200)・あだちながもり
享年65才・1180年時点45才・1199年時点64才
鎌倉最有力御家人安達氏の祖・源頼朝の側近・子の安達景盛は頼家とは対立、実朝の側近

八田知家(1142-1218)・はったともいえ
享年76才・1180年時点38歳・1199年時点57才
保元の乱に参加・北条氏に対抗した頼家の下知により、阿野全成(頼朝の弟・頼家のおじ)を誅殺した

比企能員(没年1203)・ひきよしかず
頼朝の乳母比企尼の猶子・娘、若狭局は頼家の妻・頼家の外戚として権勢を振るう

三浦義澄(1127-1200)・みうらよしずみ
有力御家人・享年73才・1180時点53才・1199時点72才
三浦氏の運営は子の三浦義村(1160-1239)に譲っていたと考えられる。

和田義盛(1147-1213)・わだよしもり
享年66才・1180年時点33才・1199年時点52才
坂東武者・最有力御家人・初代侍所長官・数々の武功を挙げる

北条時政(1138-1215)
享年77才・1180年時点42才・1199年時点61才

北条義時(1163-1224)
享年61才・1180年時点17才・1199年時点36才

時効警察はじめました・吉岡里帆・感想

2020年01月12日 | 時効警察
今更ながら「時効警察はじめました」

第3話ぐらいまではどうなることかと思っていましたが、その後はよかったと思います。

吉岡里帆さん

色々と心配する声がありましたが、終わってみればよく演じたと思います。壊れた感じの演技がよかったと思います。

個人的好みとしては
1、趣里さんの回
2、ギバちゃんが出てくるプロレスの回
3、最終回
4、カトちゃんが出てくる部分

が好きです。

三日月「ババンババンバンバンっていうのは、いい湯だなという気持ちを表しているのよね」
霧山「壁を叩いた音じゃないの」
彩雲「じゃあ、あービバビバノンノというのは」
三日月「そんなの知らないわよ。カトちゃんに聞きなさいよ」

ババンババンバンバン・ビバノンノってどういう意味なのでしょうか。

2022大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・鎌倉幕府の成立を、どう考えたらいいのか。

2020年01月11日 | 鎌倉殿の13人
北条義時についての「説明」は、「北条義時は信長より凄い」で書いています。

鎌倉幕府を語るにはどうしたって、後白河法皇から始めないといけません。時代は1167年ぐらいです。京都の政務は、以前から「治天の君」(ちてんのきみ)と言われた「上皇」が行っていました。そこに登場するのが後白河上皇です。平清盛とともに、まあ時々は喧嘩しながら、政務を行っていました。政務って、まあ土地の調停とか、治安の「そこそこ維持」といったものです。あとはまあいろいろ、みたいです。

彼はあまり品のよろしくない流行歌が大好きでした。「今様」(いまよう)と言います。「梁塵秘抄」(りょうじんひしょう)という歌集が今でも残っていて、彼の最大の文化的遺産です。いい歌が沢山あります。今でもAKBが大好きとかいう「くだけた知識人のおっさん」がいますが、そんなもんです。新しもの好きだったようです。

この人、平氏を利用し、あるいは平氏から利用され、後白河&平氏政権みたいなものを運用していきます。平家滅亡後も木曽義仲を利用しようとして失敗したり、源義経を利用したりしますが、源頼朝と鎌倉政権だけは利用できなかったようです。

平清盛は割と最後まで後白河法皇とうまくやっていきますが、いろいろともめ事は両者にはありました。1179年になって「土地の所有権をめぐる争い」(これは当時最大の政治課題)が「直接のきっかけ」になって法皇にぶちきれます。それで清盛はクーデターを起こして、後白河を幽閉して院政を停止させてしまいます。1179年という年が重要。源頼朝が鎌倉政権をスタートさせる挙兵をするのが翌年の1180年です。

平清盛はどこまで「やってやろう」と考えていたのか。その後福原(神戸)に都を移します。平家幕府を構想していたという人もいますが、それはここでは書きません。とにかく「平氏の世」はここで頂点を極め、同時に没落が始まります。

その頃、関東には北条氏のような存在がいました。土豪というか開発領主と言おうか、土地を持っていて武力を持つ人々でした。しかしその土地の所有権・課税権は不安定なうえ、土地紛争を中立的に裁定する機関もなく、そのうえ、畿内の治安警護に動員されてもいました。彼らをなんと呼ぶかは学説でも一定していないように思います。ここでは坂東武者とでもしておきます。

後に鎌倉幕府の中核を担う人々です。平氏政権にも後白河政権にも貴族にも寺社にも「不満だらけ」だったわけですが、団結して反抗することもできず、ひたすら不満を抱えながら我慢していたわけです。

京都なんかに干渉されない「おれたちの王様」を持って、その王様に「土地問題を判断してもらえばいい」、そう考えるようになっていたと思われます。

そもそも「我慢する」ような人間でもありません。江戸の武士とは違う存在です。犬を集めて弓で射る競争をしたり(犬追物、江戸期も薩摩藩などに残存)、場合によっては人を射って生首を並べて興奮したり、要するに「あらくれ者」です。品のいいサムライなんかじゃありません。

そこに後白河法皇の幽閉という事件が起きるのです。後白河の息子である以仁王は「平家追討の令旨」を発し、それが全国に流布します。なお以仁王の令旨は平家にも否定されましたが、朝廷も後に「非公式」として否定しているようです。そもそも以仁王は皇太子ではないので、令旨は出せません。出せるのはせいぜい御教書です。つまり本来はそんなに重いものでもないのです。

とはいうものの、源頼朝はこの令旨を利用します。彼は伊豆に流されていたのですが、決起するしかない状況にありました。令旨を手にした以上、決起しなければ逆に平家に追討されるのです。そして決起するにあたりこの令旨を「自分は正しい」という根拠として利用します。

ここで大河「鎌倉殿の13人」の主人公である北条義時や父の北条時政は、頼朝に味方しますが、最初の方の戦いでは300程度しか兵がいません。令旨の効力など当然なく、平家側にボコボコにされて、千葉に逃げます。この時、平家側の梶原景時は、落ち武者狩りで発見した源頼朝をひそかに逃がしたとされます。梶原は後に鎌倉で重臣となります。

この時の北条義時は、江間小四郎と名乗っており、北条家の嫡男ですらありません。ただの17歳の若武者でした。

さきに関東武者は「おれたちの王様」を必要としていたと書きました。その根拠の一つが「負けた頼朝軍の増大」です。負けた源頼朝軍に、上総介広常(かづさのすけひろつね)を始め、関東武者が次々と参加します。単に「源氏への恩」でもなく、「平家への反発」だけでもない。彼らは等しく無学でしたが、それでも中には「源頼朝をかついで、おれたちの独立勢力を築く」と考えていた知恵者はいたと思われます。彼らは、京都政権からは「ほとんどただ収奪されるだけの存在」だったからです。

政権の仕組み構築には「知識人」が必要ですが、頼朝には近くに京都からきた知識人が多少いたようですし、やがて大江広元なども鎌倉にやってきます。むしろそういう京都の知識人こそ「頼朝のもと坂東武者を組織化して、関東に独立勢力を築こう」としていたのかも知れません。

増大した頼朝軍は次々に平家側を破ります。ここで頼朝には「京都に攻め込んで、平氏にとって代わる」という選択肢もありました。なにしろ源氏は貴族です。しかし関東武者たちが反対します。

彼らは京都の干渉を排除して、自分たちの土地の所有権を認めてくれ、土地紛争が起きた時には調停する「おれたちの王様」が必要だったのであり、「なんで京都まで行かなくてはいけないのか」と主張したのです。頼朝も京都進軍を一旦中止し、関東に政権の基礎を築いていきます。(本領安堵新恩給付)

その後、守護地頭の設置、承久の乱の勝利を経て、幕府の姿は変容しますが、京都の干渉を排除するという姿勢は一貫しています。ただし京都には干渉し、幕府の意志で天皇を決定したりします。

初期の鎌倉政権はこのように「独立勢力として」成立しました。成立は1180年という考え方です。むろん他にも成立年代に対する考え方はあり、それぞれに根拠は持っています。

2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・主人公の北条義時は織田信長より凄い。

2020年01月11日 | 鎌倉殿の13人
北条義時は、伊豆の在地領主(土豪)の次男です。1180年に17歳で、源頼朝の挙兵に父や兄と共に参加します。その時は江間小四郎という名でした。そののち源頼朝の小姓の頭になります。この小姓のことを「家子」と言います。姉は北条政子で、頼朝の正妻です。従って、三代将軍実朝は「おい」です。

その後平氏討伐にも参加し、頼朝の側近として鎌倉幕府の安定化に尽くします。やがて頼朝が死に、二代将軍頼家の政治権がはく奪されます。政治は有力御家人13人の合議制となりますが、義時は最年少の36歳でメンバーに加わります。

その後、北条氏・北条義時は他の有力御家人を排除していきます。梶原景時、比企能員、畠山重忠、平賀朝雅などが排除されます。そして1205年には、義時は父の北条時政も追放します。幕府の政所長官となり、やがて「執権」と呼ばれるようになります。1213年には侍所別当であった最有力者の和田義盛を和田合戦で滅ぼし、ここに北条執権体制が確立します。

この過程において北条政子、三浦義村、安達氏、大江広元などとは協力的関係を保っています。

やがて実朝が暗殺され、1221年、後鳥羽上皇によって「承久の乱」が起きます。この戦いは「北条義時追討」を名目としたものでした。その戦いに鎌倉幕府、北条義時は勝利。後鳥羽上皇は「武力の放棄」を約束し、その後明治維新まで、皇室は武力を持ちません。それでも後鳥羽上皇は隠岐に遠流となりました。

1224年、62歳で死去します。義時の直系は「得宗」と呼ばれます。得宗は執権となりますが、執権を辞めても得宗です。鎌倉幕府における権力は執権より得宗の方が上、でした。執権は16人いますが、そのうち得宗は9人です。

何が織田信長より「凄い」かというと。

・天皇王家に「武力の放棄」を約束させたこと。「武力を持つ王としての天皇、上皇」はこの後、明治維新まで途絶えます。実質上、武士の世を作ったのは北条義時です。(ゴダイゴ天皇の武力は自前の武力ではないと考えています)

・実は義時は上皇に弓をひくことを怖がっていたという史料もあり、「義時も尊王の人だ」と皇国史観みたいなことを言う学者もいます。「怖かったけどやった」わけです。「やった」という行動が大切なのです。怖かったからやめた、なら普通の武将でしょう。でも上皇を三人も遠流してるのです。その「事実」が大切です。

・権力者であった父、北条時政を追放しています。信長は父にはそこそこ従順でした。

・鎌倉幕府の仕組みを、作り上げていきます。信長は政治の仕組みを作る前に死んでいます。

・信長には一回も朝廷から「討伐の命令」(勅命や宣旨)は出ていませんが、北条義時には明確に「追討の宣旨」が出ています。完全に朝敵となったのに、朝廷に勝利しています。朝廷はもちろんこの宣旨をすぐに「撤回」しています。

・同僚・他の有力御家人を次々殺し、その家を滅ぼし、北条執権制を確立します。


まあ「信長より凄いかどうか」は実はどうでもいいのです。とにかく、凄い「悪」(アク)であるわけです。「悪」とは鎌倉時代の用法としては「凄いやつ」です。

朝ドラ「スカーレット」・喜美子(戸田恵梨香)と八郎(松下洸平)は離婚しても良いのでは。

2020年01月09日 | スカーレット
生まれて初めて朝ドラを録画して「ちゃんと見て」います。

喜美子(戸田恵梨香)と八郎(松下洸平)が離婚しても良いのでは、、私は本当は平和主義で、予定調和も大好きなので「離婚してほしくないな」と思っています。

でも喜美子のモデルさんは離婚しているようです。松永三津(黒島結菜)という浮気相手適格者も登場しましたし、またなかなか魅力的な「当時の現代娘」なので、「離婚」かも知れません。

ただしちょっと疑問も残るのです。

あまりに「八郎さんを人格者として描き過ぎて」いるからです。道徳とか修身の教科書に出てきそうな人格です。だから「八郎苦手」という人もいるのです。逆にどっぷりとその魅力にはまって「#八郎沼」という方もおられるようです。私は男性ですので、八郎や松下洸平さんに好感を持ちますが、「沼」にはまりはしません。

さて、加えて、喜美子との関係もかなり「理想的」に描かれています。

こんな描き方をしておいて、「夫婦すれ違い」という伏線もさほど強くない状態で、黒島さんと浮気して離婚というのは「急展開過ぎる」「ついていけない」気がします。

なにより新人といえる松下洸平さんの好感度が低下するので「喜美子かわそう」というより「役者・松下洸平かわいそう」と思います。

当然「女優・黒島結菜」の好感度も低下する。出て損、な役になってしまいます。黒島さんはかわいいし、演技力もあるので(笑う演技凄く下手ですが)、そんな事態はかわいそうです。

これを解決するには「八郎さんに死んでもらって死別が一番いい」ような気がします。でも息子の病気の問題もあって、喜美子、不幸過ぎる事態にはなります。

まあ、今までの感じをみる限り、離婚するにしても「浮気して離婚」とはならないでしょう。「八郎さんの芸術家としての大成のためには、私ではなく、三津さんと一緒にいるのがいい。三津さんの芸術的フォローが必要だ」ということで喜美子が身を引き、「八郎の為に離婚する」となるのでしょう。

とはいうものの、

喜美子・戸田恵梨香は「生まれてからずっと父親と家族の為に生きて、結婚してからは八郎さんのために生きて」いるのです。

そろそろ「男、父親や夫のために生きなくてもいい人生」を用意してあげてもいいのではとも考えます。

「離婚してもいいのでは」というのは、それで「喜美子は本当の自由を獲得するから」です。

2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・キャスト予想

2020年01月09日 | 鎌倉殿の13人
2022年の大河ドラマ・三谷幸喜さんの「鎌倉殿の13人」のキャスト予想です。キャスト予想をすると「歴史的事実を勉強できる」「若い俳優さんについて知ることができる」ので私は好きなのです。あんまり「この人に演じて欲しい」とかいう「ファン意識」は入っていません。

2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・キャスト予想・その3(三谷幸喜が好きな俳優を考慮しなければ)はここにあります。


最新の2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・キャスト予想・その2はここにあります。

・真田丸の出演者が出るだろう。
・小栗旬が主演だから「信長協奏曲の出演者が出るだろう」という前提があります。
・描く時代は三谷さんによれば「頼朝の挙兵またはそれ以前から、承久の乱あたりまで」とのことです。

まず「鎌倉殿の13人」とは「誰のことか」。源頼朝死後、頼家の実権を取り上げて合議制にしたときの「13人のメンバー」です。

大江広元 公文所別当 → 政所別当
三善康信 問注所執事
中原親能 公文所寄人 → 政所公事奉行人。鎮西奉行
二階堂行政 政所家令 → 政所執事
梶原景時 侍所所司 → 侍所別当。播磨・美作守護 正治元年(1199年)失脚(梶原景時の変)
足立遠元 公文所寄人
安達盛長 三河守護 正治2年(1200年)病死
八田知家 常陸守護
比企能員 信濃・上野守護 建仁3年(1203年)謀殺(比企能員の変)
北条時政 伊豆・駿河・遠江守護 元久2年(1205年)追放(牧氏事件)
北条義時 寝所警護衆(家子)
三浦義澄 相模守護 正治2年(1200年)病死
和田義盛 侍所別当 建暦3年(1213年)滅亡(和田合戦)

一番若い北条義時でも36歳ぐらいですから、あとは結構な年齢のおっさん、じいさんです。

大江広元・源頼朝のブレーンのうち最も有名で、初期鎌倉幕府の仕組みを作った「知謀の人」。もとは京都の役人。「13人」の中でも最も重要な人物の1人・草刈正雄

三善康信・大江と同じ元京都の役人・頼朝のブレーン・遠藤憲一

梶原景時・イメージとしては「有能な嫌われ者」、予想俳優は吉田鋼太郎

北条時政・主人公北条義時の親父、重要な役です・中井貴一

比企能員・最有力御家人ですが「悲運」です。・高嶋政伸

和田義盛・イメージとしては武闘派・主人公北条義時と幕府の運営を巡って「最終決戦」を行う。・西島秀俊

安達盛長・源頼朝の側近です。予想俳優は華丸大吉の華丸さん。

「おじさんばっかり」です。次に予想を書く時は、もう少し「全体に若くする」必要がありそうです。13人の合議制が始まった1199年の時の年齢に合わせる必要はないからです。その他の13人のメンバーについては、私の中でまだイメージ化できないので、今後予想します。メンバーになりそうなのは、大泉洋、寺島進。

北条義時・主人公です。小栗旬(決定済)

北条義時の初恋の人・嫡男北条泰時の実母・山本美月

北条義時の最初の妻・黒島結菜

北条義時の二番目の妻・夏帆

源頼朝・高橋一生

北条政子・主人公北条義時の姉、頼朝死亡後「尼将軍」、柴咲コウ・または綾瀬はるか・または戸田恵梨香・または宮崎あおい・または満島ひかり

三浦義村・三浦義澄の子・最有力御家人・主人公北条義時のライバル・向井理

北条泰時・義時の嫡男・執権政治の基礎を築いた・中川大志

北条時房(1175-1240)北条義時の超有能な弟・初代六波羅探題長官・初代鎌倉幕府連署・志尊淳

源義経・林遣都

源範頼・頼朝の弟、義経の兄・永山絢斗

後白河上皇・似ても焼いても食えない「日本一の大天狗」・阿部寛

北条時政の後妻、いろいろ暗躍します・予想俳優 吉田羊

後鳥羽上皇・承久の乱を起こします。・ディーン・フジオカまたは伊勢谷友介

源頼家・二代目将軍、暴れん坊将軍、神木隆之介

源実朝・三代目将軍・竹内涼真

木曽義仲・阿南健治

平知盛・清盛四男・滅びゆく平家の中で圧倒的にカッコいい男「見るべきほどのことは見た」と自害・ガクト(友情出演)

平清盛・北村一輝

大河「草燃える」へのリスペクトとして
一回だけ出てくる謎の老人・石坂浩二(特別出演)
一回だけ出てくる謎の女性・岩下志麻(特別出演)
一回だけ出てきて義時を救う謎の武士・松平健(特別出演)

女性が少ないので、静御前・桜庭ななみ、、、常盤御前・壇れい、、、亀の前・壇蜜、、、大姫・永野芽衣、、、平時子(清盛妻)・吉瀬美智子、、、北条政子の騒がしい妹(阿波局?)・広瀬アリス。


今のところ以上です。「麒麟がくる」は、リメイク的大河ドラマで「国盗り物語をかなり改変したリメイク」です。「鎌倉殿の13人」、これも大きく改変されるでしょうが、ベースは大河「草燃える」でしょう。全編「ほぼ普通の現代語なので、人物の細かい心情も自由に表現でき、しかも分かりやすい」という画期的な大河ドラマでした。

参考・最後に三谷ファミリーと言われる役者さんについてウィキペディアから引用して載せておきます。実際はこの方々が演じる可能性が高いと思われます。

三谷作品に登場する俳優たち、および彼らによる製作チームは俗に三谷組と称され、劇団時代からの盟友であった西村雅彦を筆頭に、気に入った役者・信頼できる役者・自身が影響された役者を何度も起用する傾向が顕著である(西村の他、相島一之、梶原善、小林隆、阿南健治、甲本雅裕、伊藤俊人、宮地雅子らを起用し、野仲イサオや近藤芳正など団員ではない者も常連起用されている。佐藤B作やあめくみちこ、佐渡稔などの劇団東京ヴォードヴィルショー団員、白井晃らも常連出演者である)。松本幸四郎や役所など、自身が過去に感銘を受けた作品に出演していたために出演を依頼する場合もある。なお、西田敏行、佐藤浩市、香取慎吾、伊東四朗、藤村俊二、松金よね子、梅野泰靖、井上順、清水ミチコ、市村正親、唐沢寿明、鈴木京香、内野聖陽などは、すでに一定のキャリアを持ちながら作品に繰り返し起用され、新しい魅力を引き出された。三谷作品で好演したことが転機となり脚光を浴びた俳優も多い(戸田恵子、田中直樹、小日向文世、堺雅人、山本耕史、今井朋彦、篠井英介、浅野和之、小野武彦、山寺宏一、堀内敬子、吉田羊、八木亜希子、中原丈雄、長野里美、峯村リエなど)

みんなエスパーだよ・超能力者の運命・夏帆の魅力的な演技

2020年01月06日 | 超能力
「みんなエスパーだよ」は6年前にテレビ東京から放送されました。配信で初めて見ました。「エロ学園超能力青春もの」です。相当「お下劣」「お下品」です。

驚いた。今の日本の地上波で「ここまでやっていいのか」と驚きました。内容をよく知らなかったので、夏帆のパンチラの連発にも驚きましたし、安田顕が急に助手役の女性の胸を触り始めた時も、何が起きたのかと思いました。

本当に地上波放送なのかと、ネットで確かめたほどです。

「エロくて、下らなくて、面白いドラマ」ということなのでしょう。でも私の感想はちょっと違います。「ちょっと」です。「エロくて、下らなくて、面白い」ことは全く否定しません。

一つは夏帆がよくここまでやったなという感動です。昔の女優さんはよく「根性あるならヌードになれ」とか言われていましたが、ヌードより恥ずかしいかも知れない。それをよく演じています。

実年齢は22歳ぐらいでしょうが、ヤンキー高校生の役です。ただし表情がかわいいので、ヤンキー感は段々なくなっていきます。ただし言葉遣いは最後まで悪い。役についてはあまり説明しません。説明するだけで下ネタになってしまいます。

夏帆さんは、天然コケッコーで「すごく可愛い少女だな」と思いました。その後いくつかの映画で主演をしたはずです。全部かわいい少女、女性でした。「白い巨塔」でも金持ちの娘。「いつまで清純少女、清楚女性」ばかりやっているのだろう、ぐらいに思っていました。正直、出演作を多くは見ていない。清楚女性しかしていないと思っていました。

それがこんなすごい役をやっています。調べてみると2017年には「東京ヴァンパイアホテル」で「ヴァンパイア」役をしています。配信にあったので、ちょっと見てみましたが、あまりに「血まみれ残虐、暴力」シーンが多く、簡単に見られる感じがしないので、こんど覚悟を決めてから見ようかなと思います。


もう一つは「エロくて、下らなくて、面白い」作品、本当にエロ満載で、下らないのに、ちゃんと「青春もの」「超能力者もの」として成立していることです。「性に背を向けたり、無視したりして、青春ものが成立するものか」という監督の声が伝わってきそうです。ちなみに登場人物たちが性を解放してフリーセックスを行うとかいう作品ではありません。例えば透視能力を使って、あらゆる能力を使って、主人公が片思いしている女性が「処女かどうかを確かめようとする」という感じの作品なのです。結果処女だと判定しますが、いろいろあって、主人公は処女だと確信し、叫びます。「これで世界は救われた」。

主人公、染谷将太くんの中にも他の人物の中にも「性欲と純情が心の中で等しく共存」しているのです。それは夏帆さんも同じ設定です。だから彼女の「純情な表情」が活きてくるのです。

染谷将太くんは東京から来た「かわいい子」が好きでたまらないのですが、ドラマの進行の中で、明らかに夏帆に接近していくし、夏帆も染谷くんを好きになります。お互いに超能力で心が読めるのに、その思いがすれ違う。そんなシーンもあります。

素晴らしい作品とは言わないけれど、面白い作品です。でも子供はみないほうがいい。子供には分かりません。


話変わって、

超能力者が超能力で「自己実現をし、連帯を強め、イキイキと生きていく」というのもこの作品の特徴です。

実に珍しいのです。アメリカの「ヒーローズ」でも「七瀬シリーズ」でも映画「モンスターズ」でも、超能力者たちは「超能力があることによって不幸」になります。超能力者狩りなんて言葉もある。

超能力者ものでもっと楽天的な作品はないものか、といつも思っていました。「みんなエスパーだよ」はその楽天的な作品です。

繰り返しますが、子供と「第3話まで最後までみても、この作品が画期的だと思わない、いくら面白くても下品すぎると思う方」は見ない方がいい。そういう人にとってはただの「エロくてくだらないだけの作品」です。それは感性の問題で、そう感じる方が「劣っている」という意味ではありません。もしかすると「エロくて下らないだけの作品」なのかも知れません。

麒麟がくる・人物と戦国史の「新解釈」・放映前に予想すると

2020年01月04日 | 麒麟がくる
たぶんこんな感じになります。放映前の予想です。

1、織田信長の保守的(伝統・幕府・天皇を重んじる)性格も強調される。経済的能力も描かれる。(NHKが公式に発表している)

2、明智光秀は最初は幕府を再興して乱世を収束させようとするが、それが挫折する。今度は信長を押し立てて乱世を収束しようとするがそれも挫折する。仕方なくて「泣く泣く本能寺を起こし」、乱世を収束しようとする。

3、確実なのは「信長の覇道的暴走を止めるために泣く泣く本能寺を起こす」ということ。途中までの信長は盟友、これはNHKが発表している。同志ということ。

4、織田信長には天下統一構想など死ぬまでなかった。特に当初は、畿内を中心とした「畿内静謐」だけが政治目標であった。

5、織田信長には天下統一の意思は死ぬ数年前になってもなかった。攻めてくるから戦っただけ。死ぬ年の四国攻めあたりで方針転換をした。

6、今川義元はすぐれた統治者であった。

7、徳川家康は苦労人の若者である。とにかく「読書家」である。

8、比叡山焼き討ちも、一向一揆のせん滅も、「何度も何度も交渉したのに従ってもらえないから」、泣く泣く「やりたくないのに仕方なく」行った。

9、織田信長は義昭追放の前まで、本気で、ガチでなんとか幕府を中心に秩序を回復しようとして努力した。しかし決裂。義昭追放後は「正統性の基盤を失い」、天皇権威に頼るしかなかった。

10、足利義輝も義昭も実に立派な将軍であった。

11、最後の最後まで幕府に尽くした忠臣、三淵藤英の偉さを知ってもらいたい。

12、信長の上洛と武田の今川侵略は、連動した行動であった。

13、信長は不器用な生き方しかできない男であり、それがアダとなって信玄にも謙信にも見事に裏切られた。

14、朝廷は信長によって経済的に復活する。経済的に復活すると「それまで政治なんて行っていなかった」のに、天皇を中心になぜか急に高度な政治を行う集団になる。

15、信長の前にも「英雄というべき天下人」はいた。三好長慶と松永久秀である。凄い武将だったんだぞ、と描かれる。

16、桶狭間の戦いまでには回数がかかる。「美濃編」が終わらないと桶狭間にならない。今川義元の目的は領土拡張で、よくある戦国合戦の一つに過ぎないという扱い。たまたま義元が死んで、信長がその後活躍したので、すごい戦いとされてしまったという認識が示される可能性がある。

17、それでも桶狭間の戦いは派手に描かれる。何故なら大河ドラマは娯楽であるから。もちろん史実とはかかわりなく、主人公明智光秀も重要な役割を果たす。

史実として正確なのは「6」「7」ですね。「12」はどうなんだろ。「16」も間違いとは言い切れない。

あとはみんな怪しい。諸説あり状態。でも怪しげな新説(新説は懐疑的に扱うことが肝要)に基づいて、こうなりそうな気がします。

最後に書いておくと私は「史実通りに描け」なんていう気はさらさらありません。

私の予想の「あたりはずれ」は、ドラマの進行に合わせて、いずれまた分析します。

麒麟がくる・斎藤道三・明智光秀・織田信長をいかに描くか

2020年01月03日 | 麒麟がくる
「麒麟がくる」の話です。史実とは基本関係ありません。

1、明智光秀

乱世の収束を願う武士です。「武士の本当の使命とは何か」とか、大河の主人公らしからぬ観念的なことを考えているようです。悩める若者でしょう。脚本家は「太平記」の池端さん等です。つまりは「大河ドラマ太平記の足利尊氏のような若者」だと思います。光秀と尊氏、立場が似ています。最初は悩める若者、やがて成長ということです。脚本には前川さんという人もいて、この方はコメディ的要素担当だと予想します。池端さんだけだと、やや固いのです。「真田丸を意識した作品」となりそうです。


2、織田信長

既に「古い秩序つまり伝統、朝廷、幕府を重視する保守的側面も強調」とされています。そういう人物だということです。経済的能力も強調されるそうです。
「光秀の盟友」とのことです。つまり途中までは「乱世収束」という光秀の願いを「共有」します。おそらくあの退屈な「天下静謐論」が採用されるのでしょう。

とにかく(途中までは)「いつもの虐殺好きのサイコパスではない」ということです。比叡山の焼き討ちなんぞも「何度も何度も交渉した末に決裂して仕方なくやる」という描き方をされるでしょう。

今のところ「村の者と同じになってやらねば、化け物は見えぬ」というセリフしか公開されていません。格好も「農民の格好」で信長公記の「かぶき者の格好」でもありません。

「化け物がいるなら村の者と同じ視線になって確かめる」ということなのか。「池の水を抜いて大蛇の存在を確かめた、否定した」という信長公記の記述が元ネタかもしれません。

そうすると「実証的な態度を有した、それ故に変わり者、うつけとされた若者」なのかなと予想します。ちなみに「池の水を抜く」が映像化された記憶は私にはありません。できれば映像化してほしい。

親父の葬式で「くわと抹香を投げつける」、これも信長公記にありますが、久々に映像化してほしいものです。


3、斎藤道三

1544年の加納口の戦いからが描かれるようです。斎藤道三対織田信秀です。

この戦いは信長公記では尾張兵5000人が死んだとされています。そんなに死んだら尾張に兵はいなくなってしまいます。

斎藤道三軍の兵数は分かりませんが、ドラマ映像によると2万対4千とされます。「いくさは数ではない。そのことを思い知らせてやる」と斎藤道三、本木さんは言っています。

少数で持って大軍を破る。真田昌幸みたいな斎藤道三なのかなと思います。おそらく道三も表裏比興の者とされるのでしょう。

ビジュアル的にかっこいい道三です。いつもの「はげ頭の道三」ではありません。


映像的な美しさ、色の華やかさ、武将のかっこよさ、そういうものにこだわる作品となるのでしょう。「真田丸」ほどコメディ要素はないでしょうが、「真田丸」を強く意識した作品となりそうな予感ががします。また「信長協奏曲」の「雰囲気」も取り入れるでしょう。ただし全体の流れとしては「泣く泣く反逆する光秀」ということで、同じ脚本家が足利尊氏を描いた大河「太平記」に似た構造の作品となるでしょう。