KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

スーパーフェスティバル63ソフビ③

2013年10月01日 | イベントルポ



引き続きスーパーフェスティバル63での会場風景を見てみましょう。
最近時間の経つのが早く、つい先週行ったイベントも反芻しないとすでに
前のことのように思ってしまうものです。それだけ世の中にある情報も増えていて
摂取するにはスピードを要するということなのでしょうか。趣味はもっと
まったりと楽しみたいもので、そんな意味で自分のためも含めたソフビ覚え書きという
ところでしょうか。。。

上は新メーカー、カイザーさんによるオリジナル怪獣ソフビ、ジャバラ。



NERDONEさんのステレゴン消し風キャスト人形、コスモスガチャ風味なディスプレイ。






RON ENGLISHのキャラクター BIG BONER。





ANGEL ABBYさんのブース。
SKULL HEAD BUTTさんの双頭魔人(今回は右側の頭が
前に発売したSKULL‐Xになっている)とINVADER-Xのブラックバージョンを発売。



このほかANGEL ABBYオリジナルアイテムとして「宇宙巨人」1stカラーを発売。
造形のイメージから見て、以前出ていたモンキーキーやカメランを手がけた原型師
さんによるもののようです。











これが「宇宙巨人」。
片目が飛び出していて、全身GDGDしたディティールがついたまるで
乾いた惑星の地表のような肌、
ところどころ皮膚が剥がれて中のエンドスケルトン?が
露出しているなど、スカムな造形表現を全身にちりばめた異能の一作。
手の平には目があるなど、やや造形に独島の「青さ」が感じられます。
最近のコスモスガチャなど宇宙人系駄玩具をイメージソースにした
オリジナルソフビムーブメントに率直に反応して生み出された
キャラクターというバックボーンもうかがえます。
宇宙のある惑星「MF」から地球を襲ってきた宇宙巨人とか、
設定もいちおうあるようです。









シカルナ・工房さんのブース。「ハクライモンスタアー」全6体の未塗装版と
肌色素体に包塗装版、デラックス塗装版の3コースで販売していました。
ここのところキャストのオリジナルTOYがスーフェスでも増えているので
その流れのアイテムとして関心を持ったヒトもいたようです。











DUNEさんのブース。





VELOCITRONさんのブースに午後やってきたルーク氏主宰によるルルベルさんの製品。
鬼瓦みたいな顔に胴体はビンテージの犬の金型を流用した不気味ドッグ、デカ頭の
赤ちゃん(ボデイはブルー、ヘッドはイエローとなんだかふなっしーみたいなカラー)、
手長タイプの「モンスター」のマーブル成形による新バリエーション
などが展時販売されていました。






ビリケン商会さんのブースで販売されたマウント工房(増山努さん)が
塗装した一品ものカスタムクリテン星人と密猟ロボットブルガン。





なかもとしげる先生が作成したドリーム仮面と仲間たちのオブジェ。



ほとんどスケブに描いてもらった一枚絵のイラストレベルのサイン。







いっし歯科医院さんのブース。メディカル用品や耐放射能ゴム手袋、放射線管理区域の
ステッカーや手術用具など、こだわりのメディカルグッズを販売。
業務用の道具を扱うブースもスーフェスのようなイベントに卓をとり並んでいると
何かサブカル系でオシャレなアイテムを扱うブースに見えてくるから不思議なものです。
色々話していたらバイオハザードマークのステッカーをいただきました。
わーい、THANX!さっそくVAIOのボディに貼りマシタ。「バトルロワイヤル」のハッカー、
三村信史気分。








カイザーさんのオリジナル怪獣ソフビ「ジャバラ」。

「たしかジャバラという名前はミラーマンの怪獣ロボットにいましたよね。
何か関係があるのですか?」と指摘してみたら、その点を指摘した
のはタコが初めてだったそう。
そうなんですよ、実はミラーマンに出てきそうな怪獣だな~と前々から
ジャバラの画像をみるたびに思っていたんですが。

実はその名をミラーマンのジャバラから引いているだけあって、
「ミラーマン2クールでのノアとかキンダーの話あたりこんな怪獣がもう一匹
いたら?」というIFを想像しながら作った怪獣なのだそう。



さらに、ソフビにする前にこのジャバラが暴れる
自主映画も製作したのだそう。ブースの背後には映画で使用した
ジャバラスーツの頭部が飾ってありました。



カイザーさんはミラーマンの怪獣デザインを手がけた米谷さんのデザインラインが好き
とのことで、このジャバラも常に米谷デザインのフォルムをイメージしながら
仕上げたそうです。キンダーにあるような昆虫のような体表の節、
キングザイガーのような突起や触手がついてアクセントになっているなど、
ミラーマン第二クールであたかも怪人と怪獣の中間的なイメージで
造形された怪獣が出てきて番組のイメージがさらに厚みを増していた頃を
想起させるものがあります。

「ミラーマン」初期のアイアンやダークロンなど
いかにも異次元からやってきた無機質でシュールなデザインの怪獣とは
趣きの異なる雰囲気がこのジャバラにも込められています。
眼のみならず口までも電飾で点滅したりしそう。ミラーマン以外に
新マン4クールの宇宙人など、米谷デザインのいろんな特徴的なディティールを
学びデザイン時に盛り込んでいる様子がうかがえます。





TVのミラーマンのジャバラはメカ三葉虫のような
ロボット怪獣(インベーダーの乗り物)だったのですが、
もしかしたらカイザーさんの脳内にあるジャバラのエピソードでは
怪獣の姿をしたジャバラが暴れているのかもしれませんね。
コミカライズ版ではTVとは姿の違う怪獣、
みたいないかにもマニア心をくすぐるものがあります。

ソフビになったこのジャバラは腕を横に広げているスタイルで、
格闘戦というよりは直立ポーズのまま宙を浮遊して翻弄し、
ヒーローはつかみどころのない苦戦を強いられそうです。
矢島信男特撮監督が参加する前の、光線技の応酬で戦いが展開することでしょう。
自分のイマジネイションを好きな特撮作品への視点に加味しつつ世界観を
広げるようにソフビを創る、いかにもこだわりの怪獣好きが作った怪獣ソフビ、
といった印象をこのジャバラに受けました。











これぞ前衛、極北か?ワンフェスにも出展している「異形市民プロジェクト」。
すべての造形が溶け合い、混じり合い、赤錆につつまれてひとつになる。
その先にこそ廃墟ではない、ニューワールド~理想郷の静謐が訪れる。
こういうピカレスクでアバンギャルドな世界観で統一された空間創出ができたら
インパクトあるでしょうね。



じつはこれ、ウルトラ小道具系。「ウルトラマンタロウ」のテンペラー星人の回に
出てきたのと(たぶん成形型が)同じクモ。テンペラー星人が白鳥家に潜入するシーンで
クモに化けるんですが、この足が下にたれさがるオレンジのクモのビニール人形に
手を加えて使っていたと推測されます。






再びアートストーム・FEWTURE MODELSさんのブース。
実写映画も公開、オリジナルインスパイアアニメ「ガッチャマンクラウズ」が
新規ファンにも好評で迎えられた「ガッチャマン」のゴッドフェニックス号
(オリジナルバージョン)。

















ゲッターロボ、ゴーディアンなど懐ロボ充実。
Drスランプアラレちゃんもある意味懐ロボですね。



ガロの竜牙バージョン、おしゃべりペンダントくん。









ギムレットさんのブース。超絶組立のブロックフィギュア展示、今回は
ガンダム系。プラモビルダーを主役にした新ガンダムのオンエアにあわせてか、
プラモ狂四郎っぽいのがいます。





クラッシャージョウのパワードスーツもリアまで再現度がこだわりの出来。
イエロー系なので映画の後半に
ジョウたちの基地上陸を阻止しようとしたキリーの乗機だろうか。

しかしどれを見ても、よくこれだけパーツが合うものだなと毎回感心します。






   ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆   ◇

【補記】①マーミットの件
今回スーパーフェスティバル63に出展していなかったマーミットさんですが、
月開けて10月のホビー雑誌等の誌面で発表があり、これからはメディコムトイさんに
流通をおあずけして毎月の新製品受注活動を行っていくことが明らかにされています。
すでに原型製作中のアナウンスがあった超獣オニデビルなど新作怪獣天国の
ラインナップもこのメディコムトイさんの販売ルートで行っていきます。

今回のスーフェスでもタコにまで「マーミットはどうしたの?」と
聞いてくれるヒトが多かったのでスーフェス63ルポに付け加えておきます。

しかし、自分もここ半年ソフビ関係のブログ更新を休んでいて(イベントには
行っていましたが)やっと復帰したと思えば
今度は大どころであるマーミットさんがスーフェスに出ていないし、
毎月の新製品も出なくなっており、気になっていたのでホッとしました。











上は今年夏のワンフェスで展示されたときのKARSWORKSオリジナルソフビ・
「ハイドビハインド」。アメリカの都市伝説で親しまれているキャラクターに
赤松氏がオリジナルインスパイアドして製品化したもののようです。
赤松氏が得意とする昆虫や甲殻類的なエッジの利いたディティール表現が
存分にいかされた視覚・触覚ともに訴えるクリーチャーバイナルとなっております。

しかしソフビ、いやインディーズTOYのセカイもちょっと足を停めてじっくり
観察してみると、流通面もかつてイベント中心だった状況から
徐々に様変わりしていってますね。
なんにせよ、流通に関してはお客さんにとってはよりダイレクトに届き、
買いやすい状況になればいいに越したことはありません。

   ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆   ◇



【補記】②ソフビからキャストに拡散するインディーズTOY市場

インディーズTOYのマーケットも俯瞰してみると、コンテンツ的に見ても
明確に変化があり、怪獣的なものから、ソフビ世代からケシゴムや
80年代中頃のチープTOY的なアプローチで再生産や二次創作をするメーカー
プロダクツが層を厚くする方向に様変わりしています。
彼らは「ケシキャスト」「キャスト人形」といった名称を使い自分たちの
こだわりを明確化してお客さんにアピールするようになりました。

ケシゴム風キャスト人形の火付け役はバイキン軍団をモチーフにした
ソフビを2000年当初から展開していたガーガメルさん、
ワンフェスに出展しているZOOMOTHさんが
先鞭を切っていたように思いましたが、それに倣ってか、海外のインディーズ
TOYメーカーでキンケシなどにこだわりのある層が顕著なリアクションを示した
ことも興味深いと思います。

ケシゴムも怪獣ブームのころのレトロ系ソフビのように
かつて80~90年代にアニメや怪獣、TVの人気者や流行りものなどの膨大な生産の中から
このジャンル独特の造形スタイルがじっくり培われてきた分野なので
時にはその分野でのツボをつかんだマニア間での自家消費的アイテムが
生まれ得る分野ということができそうです。







こうした動きに乗って国内でも本格的にキンケシ的スタイルのキャスト人形で
自分のほしいアイテムやオリジナルアイテムを創るメーカーが増えてきました。



(上は夏コミで販売された、生粋の消しゴムマニアによる
珍種パチ消しゴムのパーフェクト資料集「とも駄珍子」。)

インディーズソフビTOYは当初ストリートフィギュアムーブメントの
一派生ジャンルの中にあったのですが、
需要層の変化ともに質的なメインのボリュームも変わってきます。
その上で、本来自分が生まれ育った成長期の人格形成時に
手にしたり遊んで馴染んだもの方角へと当然ながらヒトは導かれるものなのでしょう。
今まではソフビという素材にのみこだわってきた送り手、買い手の目線も
ソフビにこだわらない、むしろ自分の表現方法や親しんだ素材に近い
製品仕様に気づき始めた気配もあります。これまでもケシゴム風のほうが
コンテンツに即しているのにキャストという手段に行きつかなかった
という製品アイデアも実はこれまで多かったのかもしれません。

そんな意味ではインディーズTOYというジャンルも
ソフビにこだわらないという意味で、
より製品ジャンルの住み分けが明確になってくる時期にさしかかっていると
強く感じたスーフェス63でした。

(スーパーフェスティバル63ルポ おしまい
今回も取材ご協力・ご助言THANXDEATH)

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4 コメント

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Unknown (くらげ)
2013-10-02 15:53:32
レポ、お疲れ様です。

傍観する立場からすると今後の展開は、気に
なるし楽しみでもあるんですが…
でも流通の整理によって、断念される物とかが
出るようになるなら、それは望むところじゃない
ので、その辺の兼ね合いが気になりますね。
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Unknown (タコペッティ)
2013-10-02 20:11:25
>くらげさん
こんばんわ!毎度ご高覧多謝。
スーフェス63は自分の目線の範囲ではありますが
こんな感じでした。
色々流通状況も変わってきましたよね。

>流通の整理
ああ、そのへんは発表の間口を通販等と変えていくとか
して続けていけるんじゃないでしょうか。
インディーズと称される商品のうち、
全部が全部たくさんの消費者を抱えているというわけ
でもないのでニッチはニッチの間口でやっていく
ものもあることでしょう。
特に断念等はないと思います。
返信する
Unknown (ヒローン)
2013-10-02 22:29:25
タコさんこんばんは。
久しぶりのソフビメインのレポート嬉しいです。しばらく更新なかった時は心配しておりましたがこうしてまたタコさんのレポート拝見出来るのは本当にありがたい!!
公私共にお忙しいとは思いますがまた色んなソフビ情報よろしくです。次回も楽しみにしてます♪
返信する
Unknown (タコペッティ)
2013-10-05 08:11:18
>ヒローンさん

こんにちわ、ごぶさたしております。
ソフビのイベントも少なくなっており、様子を見ていた
のですが、今回のスーフェス63ルポは
現状を見る意味でもじっくりやって
みました。どうもお気遣いありがとうございます。
こちらこそよろしくお願いいたします。
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