KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

暑中お見舞い申し上げます

2010年07月24日 | 日記


珍しく柄にもなく日記みたいなことでも書いてみるか。
考えてみたらブログで日記っぽいことなんてあまり書いたことがないので
自分的に新鮮。

それが生きてる証拠なんだろっけど~ハンパでなく暑いですね。

日本全国津々浦々カナ?毎日外に出ていて、夕方電車を降りたりすると
地表の温度が下がってきてるのを実感でき、今日もやっとあの熱が退いた、
一日暑さをやりすごした、みたいな気持ちになりますね。

こらまた仕事場のクーラーが盛夏のナイスタイミングでぶっこわれました。
冷房入れてるとなんか水がザバザバ出てくる。
ドリフのコントみたいです。
だいたい理由はわかる。クーリングホースが古くなってクラックが入り
冷却時に出る水の送水ができなくなったんだな。
あえて送風だけで使ってます。昼間はとても仕事にならないけど
どっちにしろ日中は外でいろいろやってるから無問題カナ。一応10分くらいなら
冷房も使えるし。活動臨界というか時間制限設定して使うのを楽しむ
あたりがイカニモ、自分てつくづく特撮脳だと再確認したみたいな。




サンガッツさんのブログを拝見してたら
なんと冷房なしの環境でがんばってるとか書いてたな。
MUCHAだなあ~ソフビの作業とかもやってるんでしょう?と思いつつ
クーラーレスも実際そう迫られる環境で
やってみれば、これはこれでなんとかなるもんですね。

健康的にどうか。冷房つかれによる肩こりとか頭痛がなくなりましたね。
夜は体感温度が高めになっていてぽかぽかした中で熟睡できますよ。
温度調節ってこうやってやるんだなといい年になってようやくよくわかりましたよ。
まあ~思えば昭和の頃はこんな暑い中も皆暮らしてたんだから
すごいもんです。
もちろん水分はちゃんと摂ってないとだめですけどネ。

昭和の時代だってクーラー付きの家もあったんですが。
「トイレット博士」という70年代当時の少年ジャンプで連載してた
人気マンガで主人公のスナミ先生の家に
クーラーが入ったってだけで生徒たちが団員である
メタクソ団の連中が遊びに来たいとか大騒ぎする
話があったくらいなので、クーラーがどんだけ庶民生活の中では
まだまだ贅沢で貴重なものだったかわかります。
あ、最近のアニメ「けいおん!!」でも部室にクーラーがないので
唯たちが「涼しい言葉しりとりしたり
妄想したりして暑さを紛らわすんだよ!」とかやってましたね。

この温度下でザゴラとかスモゴンとか三浦トーイのヤツとかいじってると
昭和怪獣ソフビの黄金時代を社会的未整備の時代の雰囲気そのもので(笑)
バーチャル体感してるみたいな。
ガキの時分はこんな暑い中でも怪獣ごっこしてたもんです。
パチ怪獣だって、満足のいくおもちゃもない時代に作り手があれやこれや
売れるように考えた末に生まれた産物。
昭和的な納涼の工夫をもってこの暑さを楽しんで乗り切るのはどうか
などと気を紛らわしてみる。









気がついたら街頭のメイドさんも避暑にでも行ったのか
マネキンに!「はうあっ!これは人形!!」



年中ソフビソフビのお道楽で(それだけが理由で無いケド)
不義理ばかりしてたんで親戚と親の古くからの知り合いの家にお中元もって
まわってきました。
じつは生まれた家のあたり(家はもう取り壊されてないのですが)
もどうなってるか見たかったので。古い路地裏や袋小路、下町の商店街などの風景に
昭和の庶民生活の中にソフビがリアルタイムで
あふれていた時代を幻視できるかと思ったのですが、3年くらい前に
行ったときより急速に風景が変わってました。

よく遊んでた団地が今回ちょうど行ったときにユンボやブルドーザーにガシガシ
潰されて跡形もなくなってる瞬間に立ち会うことになったのにはびっくらしました。
劇場版「パトレイバー」の1作目にあったみたいな風景。
というのも、自分のこの生まれた場所は、高速道路が建つからと国からお達しがあり
小学校の頃に自分の家のほか、かなりの数の家がそのエリアから
引っ越しました。それからエライ年月がたって、
そのあたりの民家と団地はその間も工事の計画が宙に浮いたままずっと放置されてたんですが、
たまたま行ったらちょうど目の前でその団地が壊されている。
自分はなんのために生まれ育った土地から去ることを余儀なくされたのか。
「パトレイバー」の劇中では結局定かにされてない
帆場英一の真意がおぼろげにわかりました。
おまえも断末魔を看取れ!と団地に夢枕で
ささやかれてその場に居合わせたみたいな不思議な気分になりました。

その団地は当時はよく遊んだ場所なので、最期を看れてよかったのかもな。
よくスーパー怪獣シリーズのミニソフビをもってって団地の子とそこの
土手で遊んだものです。
幼児のやわらかい頭の中で展開する妄想の中で団地はスーパー怪獣の
カネゴンもどきやゲスラもどき(逆柱いみりさんの漫画にも
ゲストで出てきたあいつら)によく壊されてたものです。今は人間の都合で
壊されてしまったのだけど。

さらにブラブラと夏の宵闇が迫る夕餉の街を流す。
怪獣ソフビをよく買ってもらった商店街のおもちゃ屋も
もうなくなってしまってしまったのですが、
その店の軒先には80年代中頃まで今ではよく知られる有名パチ怪獣の
ヘドロ3号がぶる下がってたのを覚えています。

袋もくしゃくしゃでホコリをかぶってヘッダーもボロボロ。
乾き物のおつまみみたいでしたね。売れないパチ怪獣の店頭での哀れな末路です。
それが現代でコペルニクス的転回が起き、何の因果か異様な造形が普通のソフビに飽きてしまった
マニアに評価されたりするものだから、ヨノナカおもしろいというかケッタイなものですね。

シーズンで効率的に売れ筋のおもちゃへと切り替わる現在のおもちゃ屋と違い、
売れないキャラクタートイや怪獣が何年も放置された
昭和のおもちゃ屋の混沌とした店頭風景も
思えば、未成熟なまま走り続けた高度経済成長期の日本の文化を象徴していたのでしょう。

ちなみにこのおもちゃ屋の跡地には現在、その息子さんが
リサイクルショップを開いていました。お店には当時はブルマァクやマルサンや
得体の知れないパチ怪獣たちが軒先のさび付いた
つるし用フックをにぎわせていたものです。もちろん今はそんな
マニアならタイムスリップしてでも見たい光景は跡形もないですが、
目についたのはすっかりボートハウス風に
綺麗になったそのリサイクルショップのショーウインドウ。

そこには今風のつくりですが恐竜のソフビがいろいろ飾られていました。
この店主の子供時代に家がおもちゃ屋をやっていて怪獣の存在が
しっかり本人もそうとは気がつかないレベルで
原風景になっているのかもな、と思いました。

すでに消えてしまった風景で
怪獣が迎えてくれた、ちょっとイイ話。

最近はっきりしたこと。
長らく喪失していた故郷をイメージする模造記憶の断片というか
精神的物証が自分にとってはたぶんというか、どこまでもというか
怪獣ソフビなのでしょう。