KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

スーフェス53後編

2010年07月05日 | イベントルポ






後編、まずはイラネナさん。今回はVELOCITRONさんと共同出品。
なんと上のカネゴンの写真に写っている分で
カードカイジュウ第一弾の残った販売分はすべてなくなるとか。
いよいよ第二シリーズに向けて動き出したいとのこと。
メロメロンはどんな仕上がりなのかな。往年のスーパー怪獣シリーズの
ミニソフビにあるレッドキングもどきみたいに
素っ気ないつくりのほうがかえって昭和らしくて良いのだけど。

下2枚はイラネナさんがマニアの出店ブースで掘り起こしてきた
スポーンの乗り物。さっそく自分のソフビを載せて飾ってました。
メーカーさんも何人か集まって、どう見ても遊んでるようにしか
見えないけどフリーマーケット感覚でわくわくするものと出会う場所という
スーフェスの楽しさは作る側、売る側、買う側にとっても共通の
ミリキ。
そしてスーパーフェスティバルはおもちゃやカルチャーが混交する特異点、
アメリカントイとジャパニーズカイジュウバイナルトイが邂逅する場所。



今回、ルポを一目で見ても楽しめるといいカナ?と
各ブースでの写真をなるべく増量して記事を載せてたら
あっという間に規定文字数をOVER。てなわけで後編に分離します。

トイイベントに衝撃と爆笑をもたらすPICOPICOさんの恐怖の怪獣ショー
(そりゃスペクトルマンやがな。きぐるみが脱げないって怖いな)
もとい諧獣ショーの主役キャラ、ベッコス君がスタンダードソフビ化デビュー。
自分でソフビの宣伝ができるすごいやつ。
軟質ビニールを舌に使用、YOUTUBEの動画で子供たちに
アブダクトされてビヨーンと舌を引っ張られる、
あのおもしろかなしい一幕も再現可能!おめでたくも完売
(「お」をつけてみると丁寧すぎでおまぬけに。
タコはなかなかな売れ行きにブース前で無意味なギリギリ感を楽しんでたら
ラスト一個前だった、あぶない)。
本人手塗りによる汚し塗装(というかきぐるみリアル仕様)版も
極少数あったようだけど、たちまち売れてしまったようですね。
ベッコスソフビは今回と同じ仕様で
ワンフェスでも販売しますとのことなので買い逃した方も
お見逃しなくとのことでした。
ワンフェスでは相方の仮面ライライのドールも初売りされるそうなので
対決場面再現だ!








さっそく各地に旅立っていったベッコス。
この通りコスモナイトαのブースにも旅立っていたのだ。
卓上の月刊デムパゴン新作(発売時期は未定)のひわいなところに
デスメナーゴの頭部がついてるいかにも妄想怪獣の真骨頂ともいえる
合体を遂げたこれぞ、新というか真・かなデムパゴンと対決していました。
タコが近寄っていったらYODA氏があれやこれやと
さらにモンドにセッティングしてくれました。

もともと怪獣ショーのキャラクターなので、
フレキシブルに絵になりますね、ベッコス。舌もフレキシブルだけど。
鳥獣戯画の相撲をとる動物たちみたいでもあります。



パチサミで写真を失敗してしまったので
残念無念だったMAXTOYさんの
新作ドラギガス。以前発売したドラゾランの重厚な
地底怪獣ライクな胴体に新規の頭部をつけて別怪獣に。
(造形はドラゾランと同じドリームロケットさん)
しかしかなりヘビーウェイトな迫力となっております。
右がドラギガス、左がドラゾラス。
ドラゾラスはジキラみたいに曲がった3本角を配しちょっと
モンスターファイルのガズラーを思わせるシャープな頭部に。
ドリロケ氏「今度はこの頭部に新規造形の胴体がつきそれぞれ別怪獣になります」
タコ「??」
MAXTOYの人「次はメカドラギガスとか続々出ます」
タコ「???」
お買い上げになったお客さんが袋はいいです、とか申し出ていたら
ドリロケさん「ふくろうはこれですよ(自社製品の怪忍獣がっぽを指さす)
タコ「????」
てな感じでドリロケさんとMAXTOYさん、
隣にサンガッツさんにPICOPICOさんの
控えしソフビブースは異様なノリのテンションで盛り上がっておりました。








そしてドリームロケットさん。怪忍獣ががらがついにリリース。
会場売りもしていたので買ってきました。貝殻の表面処理も
カキカキとした風合いというか触感がいい感じで、
昔「赤影」を見たときにあの殻はどんな手触りなんだろう?と思ったのを
とうとう立体で触れられるアイテムとして
ライバルのカニ怪忍獣ざばみ同様に手にできた格好。
(劇中では貝殻に入った状態で飼い主の女忍者に携帯されるシーンが
印象に残っている)ゴーガを妖怪・魔物方面にバージョンアップしたような
神秘的な生態・形状のミリキをもつ、ががら。

しかし怪忍獣というと往年の「怪獣怪人大百科」でも
初期のガンダ、ガバリ、アゴンなど数匹しか写真掲載されてない
マイナー怪獣あつかいだったのですが
実はかなり円谷怪獣にも比肩する重厚でツワモノぞろい、
その後80年代のビジュアルSF世代の雑誌「宇宙船」で
ようやくコマ撮り写真が掲載されファンの溜飲がおりたくらいと
当時の撮影現場での資料用スチール写真も実際少ない存在だったので、
ドリロケさんにより本腰の入った立体化が続いてるのは
特撮ファン目線ではマーミットさんやベアモデルさんのの超獣ソフビ補完
同様に怪獣の立体的物証ともよべるうれしいリリースだったりする。
といいながら

タコ「現物を前にすると、ふと旅館とかで
サザエのつぼ焼きを詰めかえてお通しされるような
プラスチックの貝殻風食器を思い出しました」
横に出店のサンガッツさん
「ああー、パエリアとかを詰めた食品とかでこういう
貝みたいな容器があるね」(パエリアってのがツボ!)
ろくなこと言わない客にお隣さんだね。。。









ホラーイメージのキャラクターをリリースする
VELOCITRONさんのブース。今回は主宰の力さんがホラーコミックを
会場の中古マンガ販売ブースで物色しているのに遭遇。
結構なコレクターさんらしいです。
川島のりかず氏の作風はスペインホラーみたいな味わいがありますね、と
利いてみれば収集と愛好の目線も相当にシブイ。
川島さんの作品は離島で殺人ゲームやらされたり
「リアル鬼ごっこ」とか「ファイナルデッドゴーランド」とか
ジャパンホラーの最近の作風に多い、システマチックに
恐ろしい出来事が進行する辺りを先取りしていたようなところが
あるかな。力氏によると「川島氏のマンガは少女漫画風の目の大きい女の子で
体が細く描かれているデフォルメされた絵柄が作品内容を引き立てている」
とか。うーん、この人、通ですね。
前にうかがった力さんの出身地である
ピッツバーグの話も現代ゾンビ映画の始祖、
ジョージ・ロメロ監督を生んだ土地ということで
なるほどな~と思ったのだけど。生粋のホラー好きな人の
作ったソフビって今後どういう奇抜なのが出てくるか
引き続き気になるところです。

下は今回の掘り出し物の一冊。
力さん「この表紙はアマプロさんのペナンガランみたいです!」なるほど!








今回はライブ感を出そうと、リアルタイムで
撮った順番に会場で見たものを載せてみたりしています。
そろそろ昼になりました。この時間帯だとお客さんも
引き上げた人もいるのだけど昼ごろからブラッと訪れるお客さんも
きて、客層がスローホビーな人たちと入れ替わっていく感じ。
あいかわらず会場はにぎやか。しかもゆったり現れたお客を迎える
いろいろなサプライズがあったんですよ。

リアルヘッドさんたちのブースにSKULL TOYSさんのアイテムが到着。
リアルヘッドさんとのコラボブランド「骸骨商会」立ち上げです。
SKULL TOYSさんのトレードマークであるガイコツをイメージした
アイテムがいろいろ。
限定品のフォーチュンキャットは小判のドクロが一個一個表情も違い、
コレクターさんが何人もたむろしてどれを選ぶか身をよじって悩んでました。





サンガッツ本舗さんのブース。「ゲゲゲの女房」が盛り上がっていて
実写鬼太郎映画やアニメ「墓場鬼太郎」に続き近年では
水木作品への関心が特に高まっているタイミングで
サンガッツさんのほうでもコラボ的アイテムが販売中です。
「ゲゲゲの女房」は戦後の紙芝居~貸本~少年漫画~テレビ時代への
水木さん一家の目を通して映る戦後マンガという大衆エンタテイメント文化を追う
年代記としていよいよ面白くなってきました。
青林堂を思わせる出版社、また「ガロ」を思わせる雑誌も登場、
そして怒涛の週間マンガ雑誌時代へ足を踏み入れる頃合カナ?

アッキーナ演じる漫画家志望の女の子が実在人物では誰をイメージしているのか
登場以来タコは気になっていたのですが、「漫画家のつりたくにこのほか
当時何人かの水木先生の周辺にいた人物を組み合わせたものらしい」と
最近THRASH OUTのイベントで知り合ったサブカル方面にくわしい
ソフビファンの人からうかがいました。
その話は手塚能理子さんの証言をもとにしているそうですね。
ソフビ系のヒトで「ゲゲゲ」見てる人多いんだな~。BLObPUSさんも
ご覧になってるとブログで触れてたな。

今回あいかわらずのMUCHAっぷりでマニア(俺か)を狂喜させた
サンガッツさんのサプライズは、ワンフェスでの販売品告知。
載せてもいいよ~のせたもれ~とのことだったので
ココロおきなく、の
青島幸男主演の昭和の人気TVドラマ「泣いてたまるか」
に登場した「ナキラ」がラインナップに!




成田亨氏デザイン・高山良策造形の
ウルトラ怪獣直系のスタッフが生んだ愛らしいビジュアルを持つナキラ。
中堅ガレージキットメーカーからすばらしい製品化も最近あったのですが
ソフビでもほしいなあと思ったファンは少なからずいたと思う。
ご覧の通り、サンガッツさんの成田リスペクトも加味され当然ながらかなりカワイイ。
サンガッツさん「キューピー人形のプロポーションを頭に入れて
造形しました。ちなみにカラーはガラモン(ピグモン?)と
一緒に置いたら楽しいかな、と思って決めました」
一般ドラマの中で昭和の怪獣ブームの空気を伝えつつ
怪獣きぐるみ役者に従事する男のペーソスエピソードを
盛り上げたドラマオリジナルの怪獣ナキラ。
新旧きぐるみ怪獣としてベッコスといっしょに
飾っても楽しそう。
タコ「青島さんのミニソフビがついたりとかは?」
サンガッツさん「(そこまでMUCHAいうかい、とばかりに)それはないですね~」
青島つながりでギャンゴと並べて飾っても絵になりそう。

2月のワンフェスで販売したテレスドン同様にサンガッツさんの
リスペクトアレンジ、ソフビカバー的ポジションで製品化、というところか。
期待。



「怪獣おとし」ゲームで当日は長蛇の列ができた老舗・マルサンさんのブース。
ブログ「戯言備忘録」のくらげさんの記事でマルサンオリジナル怪獣の
復刻はどうなったのか?との内容があったので、主宰の神永氏とマルサン
オリジナルに詳しいスタッフさんにお聞きしたところ、いろいろ
お話いただけました。

第一弾にファンの復刻要望の高かったエビレオンを予定しワックス作業まで
いったのですが、その後ミニソフビなどを出してお客さんのリアクションを
うかがっていたら、なかなか声が上がらないというか
反響がつかみづらく、復刻したときの販売ボリューム
などの面で最低ラインの採算掌握が難しく足踏み状態にある、との話。
「友の会」でのやりとりもある時期まで復刻怪獣の要望など収集できたものの
神永氏「遠慮しているなら、要望や意見などもっと声をかけてきてほしい」。

マルサンさんに現物が残っているボンドラア、シーブルなどはエビレオン
同様に復刻可能ですが、欲しいファンの人たちの声が高まった時点で
次のステップに進めると思う、とのこと。復刻は10数体の怪獣が復刻され
ベラなどは当時よりも人気が出たんじゃないかな。今でも一定数出回っている
のでありがたかったのですが商業的成功といいきれず
(歯に衣を着せず言うとブツどり復刻だとやり方によって
モールドがゆるめになりやせて見栄えが災いしたのかなあ)

マルサンオリジナル復刻はいわばニッチなニーズへの対応であり
メーカーさんの負担になってもなあと思うので、強くはいえないのですが
きちんと利益は出し送り手も受け手も復刻継続の機運が高まって
次につなげて欲しいと思うわけで。
やはり復刻してほしいという声はどんどんメーカーサイドに伝えてくれたら
動き出すことを強調しておられました。ということで意見、要望は惜しまずに
メーカーさんに出すべき場面かもしれませんね。

マルサンさん、お答えいただきありがとうございます。









またまたイベントにカスタム品をもってきてくれた
さすらい系漂いの達人カスタムペインター氏。今回のお題はズドン。
「ちょうどショップで安く
黒い素体のアイテムが出まわっているのを入手できたので、岩っぽい
体表に好みのゴールドをふぃたら気持ちいいかなと思い、実行」とのことでした。
塗っていて、ふきとりにしたら味が出ると思いさらに実行。
金剛ズドンとでもいうか、重厚感が出ましたね。ちょっと
中国の妖怪画とかに居そうなオリエンティックなイメージ。
目も工夫して、胴体のギラギラ感につながるビジュアルインパクトを
持たせたのだとか。目が動くギミックをひきたてていますね。

いっしょに置かれたソフビはカスタムペインター氏が
会場内で物色したもの。
ブルマァクのオレンジ復刻ドラゴンキングは
オレンジ(シャレみたい)の発色がいいですね。
探すとなかなかないんだ、いいとこ押さえてるなあ。



氏以外にも、今カスタムをガシガシ作ってるので
今度見せちゃうぞ!と名乗りを上げてきたソフビファン氏がおられました。
そんなわけでご自分の自信作、こんなの塗ってみたけど発表したいZE!
ってなヒトはイベント会場ででも全然撮影OKなのでぜひ教えてください。











午後になって再びヤモブースにたちよってみれば
会場に遊びにやってきたBLObPUSさんが先日DM抽選通販を
行ったダイオウグソクムシとキングカメンパのカスタムアイテムを
持参しており、たっぷり撮らせてもらいました。
ヤモ造形をフルレンスに高める妖怪度、モンド・ビザール度。
キングカメンパは日野日出志画伯の(そういえばこの漫画家さんも
スーフェスにゲストでこられたことあるなあ)
「蔵六の奇病」をイメージして塗られたものらしい。

ワンフェスが近いので「7月はおこづかいがな~」とか
頭に去来しながら会場にやってきたお客さんも多い場面だったのでしょうが
いざ、面白いモノ、探してたアレ!に出会うとつい財布の紐が緩んでしまう。

でも帰りに「やっぱり思い切って買ってきてよかった」と結構思えたり
おもちゃのセカイは一期一会。スーフェスはあいかわらずちょっと何かいいモノ、
日常では見つからない面白いモノが見つかったり
有形無形を問わない、面白いことやムーブメントに気付くことができるイベントですね。

次回スーパーフェスティバル54の開催は9月を予定。
まあ、ほんとじきだよな~
じくじくとした梅雨もやがて快晴に吹き払われ
今度はわがままにも湿気がなつかしくなる熱い夏が始まるだろっけど、
ここは死なない程度にMUCHAということで
そこそこがんばってイキマッショイ。