三連休の最終日、朝から雲一つない小春日和、こんな日に家に籠もっていては申し訳ないということで、秋月から山越えをして飯塚に抜けて、麻生大浦荘を見物するというかなりのロングドライブをしてきました。朝9時に家を出て、九州自動車道で鳥栖から大分道を経て、甘木インターを降りて北へ一直線で秋月。秋月に着いたのは10時半前でしたが、もう既に車がラッシュ状態で、駐車場もほとんど満車ということでしたが、何と言っても前に一度来たことがある強みで、抜け道を通り、秋月の中心部に無事駐車することができました。狭い秋月の城前の通りは人人人で、ゆっくり紅葉を楽しむ状態ではありませんでした。とくに秋月城本門(黒門)前はあまりにも観光客が多すぎて写真撮影ができるような状態ではありませんでした。
秋月に限りませんが京都に住んでいた者の目からすると九州の紅葉は淋しく感じます。とくに比叡山の麓に10年以上住んだわたしとしては紅葉といえば山全体が真っ赤になるものと思っていました。京都ではそれを「山が燃えている」と言います。ところが九州の紅葉は常緑樹に覆われた山の中に、ところどころ赤や黄色が見えるということで、黄色とか赤は「点」としてそこにあるという様です。九州では代表的な紅葉の名所、秋月も例外ではありません。
黒門の前の紅葉は流石に美しく絵になります。しかし紅葉はほとんどそこだけということでカメラがそこに集中する。わたしたちとしてはがっかりした気分になりました。しかし、そんなことでへこんではいられません。何か収穫がなければと、きょろきょろまわりを見回していると、そば屋の宣伝マンが大声を張り上げながらチラシを配っています。何か非常に仰々しく「日本一の本格的手打ち蕎麦」とか。それで、その店はどこにあるのか聞いてみると「すぐそば」とのこと、ちょっと昼には早めかと思いながら、食べてみようかと思い、道を尋ねながら自動車を走らせましたが、それらしい店になかなかたどり着けません。
探し探しやっと山の辺鄙なところ、竹地蔵の手前に「蕎麦 愛深」を見つけました。こんな所にそば屋があるなんて想像できないぐらい辺鄙な場所で玄関の前には銅鑼などが置かれています。恐る恐る玄関を開けると数人の客が入っていました。窓際の景色のよいところに席を見つけ店の内部を見回すとなかなか風情があります。店員もとても親切そうです。メニューも品数は多くはありませんが美味しそうな写真が載せられています。「これならいけそう」と思って「手挽き蕎麦 虹の橋膳」(1250円)を注文しました。
暫くすると、まず蕎麦茶が供せられ、次に「ちょこちょこちょこ」と7~8品の前菜が美しく盛りつけられた大きな皿が運ばれてきました。どれもとても美味しく、ますます蕎麦への期待が高まります。後から考えてみるとこの演出は美事です。おそらく客の注文を受けてから蕎麦を茹でているのでしょう。その間客はかなり待たされますが、この店ではその間が楽しい一時となります。やがて大きな更に盛られた蕎麦が出されましたが、一口食べて、もう完全に心は囚われてしまいました。非常に美味しい。細さといい、硬さといい、腰の強さといい、ほとんど完全に近い芸術品という感じです。また、付け汁が良くできている。辛さと甘さとのバランスが良く、蕎麦の強さに負けない程度に濃い。最後にそば湯が供されたが、そば湯で薄めた付け汁はそれ自身が一つの「汁もの」という主張をしているようでした。
店を出て国道322号から県道66号を経て、狭い白坂峠を越えて国道438号を通って国道200号に出て飯塚市に入り市内の中心地にある麻生大浦荘を見物した。
大浦荘の感想は一言、「つまらない。わざわざ出かけることもない。廃墟に過ぎない」。ここに比べると先週の土曜日に出かけた伊藤伝右衛門邸は見応えがあった。その点についてはまた別な機会に。
秋月に限りませんが京都に住んでいた者の目からすると九州の紅葉は淋しく感じます。とくに比叡山の麓に10年以上住んだわたしとしては紅葉といえば山全体が真っ赤になるものと思っていました。京都ではそれを「山が燃えている」と言います。ところが九州の紅葉は常緑樹に覆われた山の中に、ところどころ赤や黄色が見えるということで、黄色とか赤は「点」としてそこにあるという様です。九州では代表的な紅葉の名所、秋月も例外ではありません。
黒門の前の紅葉は流石に美しく絵になります。しかし紅葉はほとんどそこだけということでカメラがそこに集中する。わたしたちとしてはがっかりした気分になりました。しかし、そんなことでへこんではいられません。何か収穫がなければと、きょろきょろまわりを見回していると、そば屋の宣伝マンが大声を張り上げながらチラシを配っています。何か非常に仰々しく「日本一の本格的手打ち蕎麦」とか。それで、その店はどこにあるのか聞いてみると「すぐそば」とのこと、ちょっと昼には早めかと思いながら、食べてみようかと思い、道を尋ねながら自動車を走らせましたが、それらしい店になかなかたどり着けません。
探し探しやっと山の辺鄙なところ、竹地蔵の手前に「蕎麦 愛深」を見つけました。こんな所にそば屋があるなんて想像できないぐらい辺鄙な場所で玄関の前には銅鑼などが置かれています。恐る恐る玄関を開けると数人の客が入っていました。窓際の景色のよいところに席を見つけ店の内部を見回すとなかなか風情があります。店員もとても親切そうです。メニューも品数は多くはありませんが美味しそうな写真が載せられています。「これならいけそう」と思って「手挽き蕎麦 虹の橋膳」(1250円)を注文しました。
暫くすると、まず蕎麦茶が供せられ、次に「ちょこちょこちょこ」と7~8品の前菜が美しく盛りつけられた大きな皿が運ばれてきました。どれもとても美味しく、ますます蕎麦への期待が高まります。後から考えてみるとこの演出は美事です。おそらく客の注文を受けてから蕎麦を茹でているのでしょう。その間客はかなり待たされますが、この店ではその間が楽しい一時となります。やがて大きな更に盛られた蕎麦が出されましたが、一口食べて、もう完全に心は囚われてしまいました。非常に美味しい。細さといい、硬さといい、腰の強さといい、ほとんど完全に近い芸術品という感じです。また、付け汁が良くできている。辛さと甘さとのバランスが良く、蕎麦の強さに負けない程度に濃い。最後にそば湯が供されたが、そば湯で薄めた付け汁はそれ自身が一つの「汁もの」という主張をしているようでした。
店を出て国道322号から県道66号を経て、狭い白坂峠を越えて国道438号を通って国道200号に出て飯塚市に入り市内の中心地にある麻生大浦荘を見物した。
大浦荘の感想は一言、「つまらない。わざわざ出かけることもない。廃墟に過ぎない」。ここに比べると先週の土曜日に出かけた伊藤伝右衛門邸は見応えがあった。その点についてはまた別な機会に。