ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

<パン屑> マタイ22:21

2008-10-15 17:05:40 | バン屑
皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。 マタイ22:21

以前に(2008年8月27日付)で、この言葉を取り上げて、「イエスは、税金問題と神殿への献金問題を対等に並べているということである。わたしたち的にいうならば、税金と献金とを同列において考えている。それが、どうのこうのと言うつもりはない」と述べた。今でも、「どうのこうの」言うつもりはないが、その後も引き続き、このことを考え続けている。と言うことは、つまり10月19日の主日説教の準備を8月の下旬にはじめたということで、今日やっと仕上げて、ブログ「落ち穂拾い」にアップした。
ところで、「皇帝のものは皇帝に返せ」という文章は税金問題としてはおかしいことに気付く。税金は決して「返済ではない」。収入の一部を社会に還元するというのが税金の本質である。それに対して、献金の本質は「神のものは神に返す」ということである。わたしたちも礼拝で「信施」(聖公会では礼拝の際の席上献金のことを「信施」と呼ぶ)の際に、「すべてのものは主の賜物。わたしたちは主から受けて主に献げたのです」(歴代上29:14)と唱える。それは、旧約聖書の時代でもイエスの時代でも、現代でも同じことである。
だとすると、皇帝への税金にこの言葉を当てはめることはおかしい。ファリサイ派の人々や信心深い人々が「神さまの者は神さまへ」と口癖のように唱えていた論理を、あえて皇帝への税金について語るということは、ファリサイ派への強烈な皮肉である。

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