ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

<パン屑> ガラテヤ5:9

2008-10-18 19:28:57 | バン屑
わずかなパン種が練り粉全体を膨らませるのです。 ガラテヤ書5:9

おいしいパンを焼くためには良いパン種が必要です。わたしは今までパンやピザを作るとき、ごく普通に市販されているフランス製のドライイーストを使ってきました。このイーストは発酵力も強く、とても使いやすく、ほとんど失敗はありませんし、焼き上がったパンも決して悪いわけではありません。現在では乾燥技術が発達し、結構良質のドライ・イーストが手に入ります。わたしの子どもの頃は、パンを作ったとき、必ず一握りの練り粉(ドー)を残し、それを次回の時に使っていたようです。従って、イースト菌の保存にとても気を遣い、ちょっとでも油断をすると質が下がってしまったようです。そうなると、近所の誰かにお願いして分けてもらうということになり、それは主婦としては恥ずかしいことであったようです。結果として、パンはパン屋さんに任せるというのが一般化したようです。日本でいうと、「糠味噌」のようなものです。
いろいろ、パンの作り方を勉強していて、一度天然酵母に挑戦したいと思っていましたが、天然酵母を使うのは大変面倒で、少なくとも丸一日は予備発酵をさせなければならないとか、冷蔵庫に入れておいても長持ちしないと脅かされておりましたので半分は諦めていました。しかし、先日所用があって博多の天神に出かけた際に、クオカ(パンやお菓子の材料店)に立ち寄り、クオカお薦めの「白神こだま酵母ドライ」(200グラム)を仕入れてきました。最近では天然酵母もドライ化され、とても使いやすくなっていました。箱には「世界自然遺産白神山地で発見された野生酵母」と印刷されておりました。
早速、これを使ってフランスパンを焼きました。使ってみた感じは、天然酵母は発酵の速度が穏やかで、一次発酵にはかなり時間がかかりましたが、二次発酵はすごく強力で、仕上がりは全体がまんべんなく膨らんでいるように思いました。焼き上がりの色と形と味は、気分の問題で、何か「美味しく」感じました。
いずれのイーストにも「予備発酵はいらない」と使用法には書いていますが、万が一、イーストが「いかれて」しまっていた場合を考えて、わたしは必ず予備発酵をさせます。むしろ、この予備発酵が「生きているもの」を育てているという感じがして、とても楽しい時間です。
ユダヤの厳しい戒律によりますと、過越祭では「種入れないパン」を食べるようですが、これは一種の苦行のようで、わざと美味しくないパンを食べて、先祖の苦難をしのぶようです。パウロは、酵母を入れて焼いたパンを味わうことを「世俗的快楽」と考えたらしく、こんなことを書いています。「パン種の入っていない、純粋で真実のパンで過越祭を祝おうではありませんか」(1コリント5:8)。この言葉にはパウロ独特の「強がり」が感じられます。

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