25年前と変わらぬ初夏の風景が広がっていた。
東西に大きく広がった琵琶湖の両岸は
北に向かって次第にその間隔を狭め、
やがてはいくつかの岬と入江が連なる複雑な地形となって収れんする。
その出入りの多い地形の中にあって、
沖合に浮かぶ竹生島を指し示すように突き出た岬が葛籠尾(つづらお)崎だ。
そして、その岬の根元ともいえる湖岸に菅浦集落がある。
菅浦の湖岸集落は平成26年に重要文化的景観として国の指定を受けている。
さらに翌年には日本遺産に登録されてもいるのだが、
それにもかかわらず、菅浦を訪れる人は近県の釣り愛好者などそう多くはない。
つまり、国をあげて大切にしたい場所でありながら、
どの時期であっても、この風景をほとんど独り占めにすることができるのである。
そんな、人知れずとも言える菅浦集落だが、
かつて一度だけ脚光を浴びたことがある。
いや、ほんとうのところはどうだったかは知らない。
国民的な人気を誇った映画のロケ地となったから
「きっと、そうに違いない」と、かってに想像しているだけだ。
その映画は、平成6年封切の「男はつらいよ」シリーズの第47作「拝啓車寅次郎様」だった。
マドンナ役のかたせ梨乃演じるアマチュアカメラマン典子に思慕を寄せる寅次郎。
さらに甥の満男(吉岡秀隆)の恋物語が同時進行する。
舞台は長浜、そしてここ菅浦だった。
典子が菅浦から撮った琵琶湖の朝夕、その風景に魅了されたのだが
実は映画の封切当時、それがどこだったかはわからなかった。
それどころか、そのシーンのことすらも忘れてしまっていたのだが、
偶然にも数年前、渥美清さんの没後20年の特集番組でそのロケ地が菅浦だったことを知った。
一瞬で当時の記憶が鮮やかによみがえり、
そして、宝物を掘り当てでもしたように無性にうれしくなった。
それから、四季折々の菅浦通いが始まったというわけだ。
昨年、幸運にもテレビの衛星放送で「拝啓車寅次郎様」がリバイバル放映された。
録画して、当時の菅浦を何度も何度も見返して、そしてまた、うれしくなった。
映画の撮影から25年の歳月が流れているにもかかわらず、
当時も今も、風景がまったく変わっていなかったからだ。
さて...。
「変わらない風景によく飽きもせず」
人はそう言うかもしれない。
けれども思う。変わらないことにとりつかれた自分がいるのだ、と
いい雰囲気 変わらぬ景色ですねー
変に有名になるより、このまま変わらず残って欲しいです。
時間がなくて訪れることができませんでした。
是非とも行ってみたい場所。
須賀神社とか集落の雰囲気を味わいたいです。
いつまでも保存は大変でしょうが、このままの姿を残してほしいですね。
嬉しいお写真ありがとうございました。
25年ほど前、彦根に住んでいた頃、仕事で度々通りかかって眺めた懐かしい風景です。
機会があればもう一度行ってみたいと思っています。
琵琶湖とともに暮らす生活が
そのまま風景になっている
日本の原風景ともいえる場所だと思います。
ぜひ機会があればどうぞ。
時間に余裕をもって、
ぜひお出かけください。
須賀神社参道の上り坂
ふり返って琵琶湖を何度も眺める。
それだけでも菅浦の風景を楽しめます。
琵琶湖の南はかなり開発が進んでいますが
湖北には昔ながらの風景がそのまま残っているところが多いです。
ぜひ機会があればお出かけください。
25年前に彦根に!
それでしたら映画のロケもご存知かもしれませんね。
全国いろんなところにお住まいだったようですから
琵琶湖に限らず、いろんな原風景をお持ちなのでしょうね。
その後、映画紹介のサイトを見て知ったような次第です。寅さんと菅浦の宿のおばちゃんとの心温まるシーンがありましたね。
現在は近畿在住で、北陸との往来が有った頃から、スッカリご無沙汰。
いかにも日本の原風景を示す、湖国ならではの美しい景色です。
水が年々美しくなるような気がしています。
かつて国鱒が放流された湖水ですが、ひょっとして水深深いこの辺りに棲息してるやも・・・とのロマンを感じます。