よっちんのフォト日記

旅先や日常で感じたことを
写真と文章で綴ってみたい。
そう思ってブログを始めてみました。

近江泥棒伊勢乞食-滋賀県東近江市:五個荘金堂

2024年10月27日 | 滋賀
Gokasho, Higashi Omi City, Shiga Pref.

さてさて、外村繁亭をあとしたワタクシは、五個荘金堂の町並み散策へと向かいました


五個荘金堂の「金堂」という地名は聖徳太子が当地に金堂を建立したという伝承に由来しているそうです。
そうなると随分と古い時代から、この地域は人々の暮らしが営まれていたということになりますね。
金堂村では、陣屋を中心にその三方に寺院が配置され、そのまわりに農村集落が形成されました


五個荘は農村集落ではありますが、江戸中期になると農業の傍ら行商に出る商人が現れ、
江戸時代の後期には呉服や綿・絹製品を中心に京都・大坂・江戸へ出店する豪商も現れるようになりました


五個荘は近江商人発祥の地として知られていますが、近江商人とは近江に本拠地をおく他国稼ぎ商人のことで、
近江八幡・日野・五個荘から特に多くの商人を輩出しました


取扱商品は呉服・太物・麻布など繊維関係が主で、活動範囲は関東・信濃・奥羽地方と畿内が中心でした。
五個荘商人の経営活動を支えていたのは勤勉・倹約・正直・堅実・自立の精神だったそうです


「近江泥棒伊勢乞食」という言葉がありました。近江出身と伊勢出身は商業で成功した者が多かったことから生まれた言葉ですね。
近江出身の人は商才に長けて、伊勢出身の人は倹約に努めていたというのが特徴でした。
これらに対して江戸っ子というのは「宵越しの金は持たない」と自負しているように金を貯められないということから、
近江出身と伊勢出身の商業で成功した人に対して負け惜しみとして使われていた言葉だようです。
江戸っ子にしてみたら他所者が江戸で金儲けをするのが我慢ならなかったのでしょうな


近江商人の流れを汲む企業というのは実に数多く、主だったものを挙げてみると
伊藤忠商事・丸紅・三井グループ・ヤンマー・西武グループ・高島屋・東洋紡・東レ・ワコール・ふとんの西川など、
名だたる大企業の名前が並びます。商才に長けていた人が多かったのでしょうね


ワタクシには商売に必要なハイリスク・ハイリターンを背負う覚悟が出来ない、
特に金銭的なリスクを背負うことに対する慎重さ、いや、怖さというのがあるんです。
ですので、ワタクシは経営者にはなれず、勤め人しか出来なかったなぁと思いますわ


昨日のブログで紹介した外村繁亭の一部が、NIPPONIA HOTELになっていました。
ワタクシには泊まることは無理だろうと思うような価格設定のNIPPONIA HOTELですが、外国人にはそうでもないのでしょうね。
最近、いろいろな場所でNIPPONIA HOTELと星野リゾート関連の宿泊施設を目にするように思います

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


近江商人、伊勢商人のように、私達の生活の中には廃藩置県から150年も経ったにもかかわらず、旧国名が生活の中に定着していますよね。
私は今でも「長野県に行く」と言わずに「信州に行く」と言いますし、「住んでいるのは南河内の方ですねん」と言います。
歴史というのはそう簡単に消え去っていかないということを実感しますわ。


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「三方よし」の精神-滋賀県東近江市:五個荘金堂

2024年10月26日 | 滋賀
Gokasho, Higashi Omi City, Shiga Pref.

さてさて、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている五個荘金堂の町並みは、
何度訪ねてもワタクシにとっては興味深いものでした


ここ五個荘は「近江商人発祥の地」だと、昨日までのブログにも何度か書いてきました。
近江商人は、近江国(現在の滋賀県)に本宅(本店、本家)を置き、他国へ行商して歩いた商人の総称で、
大坂商人、伊勢商人と並ぶ日本三大商人のひとつです


近江商人の経営哲学のひとつとして「三方よし」が広く知られています。皆さんもこの言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。
では、「三方よし」とはどういうことでしょうか


「三方よし」とは「売り手によし、買い手によし、世間によし」ということでして、
「商いというものは、売り手も買い手も適正な利益を得て満足する取り引きでなければならない。
そして、その取り引きが地域社会全体の幸福につながるものでなければならない」という共存共栄の精神を表しているんですね


確かに近江商人で成功した人は、自分の故郷や商い場などゆかりある土地で、
さまざまな「世間によし」を実践したエピソードが伝えられているんですよ。
ワタクシにはその最たるものとして、旧豊郷小学校の校舎が頭に浮かんできます
https://blog.goo.ne.jp/harigatake1961/e/743792644d80a8e34d2fcb0c550d5b73


こちらにも「飛び出し坊や」がありました。ちなみに本名は「とび出しとび太」というそうです


この建物は「金堂まちなみ保存交流館」でして、元々は三中井百貨店を経営した中江4兄弟の三男、富十郎の邸宅です。
内部の見学が出来るのと、「氷」と書かれた暖簾に惹かれて中に入ることにしました


実はこの日も猛暑日でして、ワタクシは相当な汗をかいておりました。
さすがに最近は涼しくなってきましたが、今年の夏はもちろん、9月も異常な暑さでしたね


ただ、昔の日本家屋って高温多湿な日本の夏を過ごしやいように造ってあるので、
室内に入るとほんの少しですが涼しさを感じることが多いんですよ。昔の人の知恵ってすごいなぁと思います


ワタクシはとにかく冷たいものが欲しく、かき氷を注文しました。
かき氷を食べたら汗が引いていきました。ではでは、もうひと歩きするとしましょうか

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


今年の夏はとにかく暑い日が多く、私は例年になくかき氷をよく食べました。
そして、炭酸水をよく飲みました。ほぼ毎日のように炭酸水を飲んでいたように思います。
炭酸水は糖分もありませんし、塩分も入っていません。スポーツドリンクを飲むよりは身体にいいのかなと思いますわ。



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商人屋敷-滋賀県東近江市:五個荘金堂

2024年10月25日 | 滋賀
Gokasho, Higashi Omi City, Shiga Pref.

さてさて、五個荘金堂へとやって来たワタクシなのですが、昨日のブログにも書きましたが五個荘金堂は
近江商人発祥の地の一つとして知られています。そして、金堂地区の中には商人屋敷を見学できる場所が数カ所あるのですが、
ワタクシはその中の一軒に入って行くことにしました


この家は外村繁邸というのですが、外村繁は、昭和10年「草筏」が芥川賞候補、昭和13年池谷賞を受賞、
昭和31年「筏」が野間文学賞を受賞した滋賀を代表する作家だそうです。ただ、ワタクシはこの人の作品を読んだことはありません。
上記した「草筏」という作品は、出自である近江商人の世界を客観的に描いた作品だそうです


建物の中に入っていくと「川戸」と呼ばれる施設がありました。
五個荘金堂の町は愛知川が琵琶湖にそそぐ扇状地の湧水を活用して、町中に水路をめぐらしています。
「川戸」はその水路の水を各戸に引き込んで生活に活用するものなんです。
野菜や鍋、釜を洗ったり、淡水魚を飼ったり、防火用水の役割もはたしました。水路とともに生きる生活が見えてくる気がします


この建物は外村宇兵衛家の分家として江戸時代末期に建てられた屋敷で、総面積2395㎡・建物面積496㎡もあるんですよ。
中庭も立派なもので、近江商人の豊さを窺い知ることが出来ますな


外村宇兵衛という人なのですが、呉服類の販売を中心に東京、横浜、京都、福井などに商圏を広げ、
明治時代には全国長者番付に名前を連ねたそうなんですよ。ワタクシが子供の頃も長者番付というのは残っていましたが、
今にして思えばとんでもない個人情報を全国に知らしていたんですよね


長者番付を見たイタリア人が「日本ではこんなものを載せるのか。イタリアでこんなことをやってみたらどうなると思う?
誘拐事件の被害者候補リストを新聞に載せるようなものだぜ」と言っていたのを覚えています


歴史を感じるこの建物では、これまで何度も映画やテレビドラマのロケが行われたそうです。
ワタクシは見ていないのですが、2022年に公開された映画『線は、僕を描く』では、三浦友和さん演じる水墨画の巨匠・篠田湖山の私邸として、
こちらの部屋で撮影が行われました。同映画では他に、青山霜介(横浜流星さん)と篠田千瑛(清原果耶さん)が
筆を執り成長していくシーンなどにも外村繁邸が使用されているそうです


五個荘で撮影が行われた映画『天外者 』では、三浦春馬さん演じる五代友厚の自宅という設定で撮影が行われたそうです。
NHKの朝ドラ『べっぴんさん』では、ヒロイン・坂東すみれ(芳根京子さん)の父・五十八(生瀬勝久さん)の実家として使用されています。
ただ、ワタクシは『べっぴんさん』は見ていたのですが、その記憶が全然残っていないんですよ


ではでは、金堂の町並みの方に向かって行くとしましょうか

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


最近の住宅建築って洋風化が進み、床はフローリングで和室はほとんど無い家が当たり前になってますよね。
でも、私は歳をとってきたせいか「畳の上で寝転がるのはいいなぁ」「縁側でボーッとするのはいいなぁ」と思うんです。
やっぱり身体の中には日本人のDNAがあるのでしょうね。



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近江商人の町-滋賀県東近江市:五個荘金堂

2024年10月24日 | 滋賀
Gokasho, Higashi Omi City, Shiga Pref.

さてさて、伊庭の散策を終えたワタクシは、車に乗って同じ東近江市にある
五個荘金堂という町に向かいました。20分ほどで目的地に到着です


駐車場に車を停めて歩き始めると、こんな看板があったんですよ。
五個荘は近江商人発祥の地の一つでして、古くから「六心の訓(おしえ)」と呼ばれる教えがあるとのこと。
小学校や中学校でもこの教えを推進しているそうで、ワタクシも思わず襟を正したのでした


五個荘の金堂地区は近江商人発祥地のひとつとして広く全国に知られ、現在も伝統的な農家住宅と商人の本宅が、
調和のとれた美しい町並みを作り出しており、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています


このお寺は弘誓寺(ぐぜいじ)というのですが、源平合戦の扇の的の逸話で知られる那須与一の孫でもある愚咄賢空坊により
1290年に創建されたという歴史を持つお寺です


五個荘金堂では鈴鹿山脈の伏流水を利用した水路が町内を巡っており、鯉の放流も行なわれています。
子ども達が餌をあげているので、鯉がたくさん集まっていたんですよ


前回までのブログで紹介していた伊庭もそうですが、水路がある町っていいですよね。
水路に限らず川が流れていたり、湧水があるような水の豊かな町というのがワタクシは好きなんです


2012年、今上天皇が皇太子だった時ですが、五個荘金堂を訪問されているんです。
そういえば今上天皇は学生時代に「水運史」を学ばれていたので、琵琶湖の水運などにも興味を持たれていたでしょうね


金堂地区の町外れに大城神社という神社があり、ちょうど秋祭りの時期だったんです。
大きな太鼓が自治会館の前に置かれてありました


子ども達にとって「祭り」というのは、嬉しく楽しいイベントでしょうね。
ではでは、五個荘金堂の町並み散策を楽しむとしましょうか

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


「六心の訓」を読むと、「はい」「すみません」「ありがとう」「どうぞ」「おかげさまで」に関しては、私は素直に出来ている気がします。
「私がします」もやっているつもりですが、ただ私の場合、そこに「奉仕の心」というのが無いように思います。
他人から「仕事してないやん」と言われるのが嫌、この仕事を誰がするのかで揉めるくらいなら自分でやる方が気が楽、
そんな気持ちが強いですので、まだまだ人としてダメだなぁと思いますわ。



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伊庭郷の産土神-滋賀県東近江市:伊庭

2024年10月23日 | 滋賀
Iba, Higashi Omi City, Shiga Pref.

さてさて、東近江市にある伊庭の集落をワタクシは初めて訪れたのですが、
水路が集落の至る所に流れている光景は、私の心に強く印象に残るものでした


豊かな水に恵まれている地域って、歴史的に水利などを巡って争うことが無かったからでしょうか。
どこに行っても人が穏やか、人が優しいという印象が強いんです


集落の入り口に大濱神社という立派な神社がありました。大濱神社の創建不詳なのですですが、
古くから伊庭荘八郷(伊庭、能登川、北須田、安楽寺)の産土神として信仰されてきた古社だということです


産土神(うぶすながみ)という言葉なのですが、その人がが生まれた土地の守護神を指す言葉なんです。
その人が生まれる前から死んだ後まで守護する神とされており、他所に移住しても一生を通じ守護してくれると信じられているんですね。
産土神への信仰を産土信仰というんですよ


ここでよく勘違いされるのが「氏神」と「産土神」の違いなんです。
「氏神」は地域ごとに祀られている神様です。ご存知の通り、神道には八百万の神と言われるほどたくさんの神様がいます。
氏神はかつて、血縁関係にある氏族が共同でお参りする神様であり、その一族に関係の深い神様が祀られていたそうです


ただ、ただ中世あたりから次第に混同が進み、氏神と産土神の概念を区別することなく、
一律に氏神と呼ばれることが多くなってきたのが現状のようです。
ですので、「氏神」という言葉は知っていても、「産土神」という言葉を知らない人も多いようですね


などと偉そうに書いていますが、ワタクシもちょっと「産土神」の意味が曖昧になっていたので、
もう一度調べ直してみて書いているのです。決してスラスラと頭に浮かんできたわけではありません


ではでは、そろそろ車を停めている駐車場へ行きましょうか。まだ時間も早いので、次の目的地に行くとしましょう。


滋賀県名物「飛び出し坊や」がありました。この「飛び出し坊や」は、ここ東近江市が発祥の地なんですよ

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


最近、有名な神社やお寺に行くと多くの外国人観光客に出逢いますが、彼らが参拝のマナーをよく知っていることに驚きます。
神社でいえば「二拝二拍手一拝」をきちんと行い、ちゃんとお寺の参拝方法との違いを知っているんですね。
むしろ日本人の方が、参拝マナーを守っていない人が目立つような気がするんですよ。残念なことです。



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