八千穂高原での星空が続く。
かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞ更けにける 大伴家持
この夜の天の川を眺めながら、七夕伝説に思いを馳せたこの一首を思い出していた。
八千穂高原(長野県佐久穂町)2021.10.02 22:39 Sony α7S2 FE2.8 16-35 GM (33㎜ ,f/2.8,13sec,ISO6400)
天の川にかかる夏を代表する三つの星座。
それぞれの星座の一等星を結ぶと「夏の大三角」が現れ、
そのうち、天の川を挟んで輝く星がヴェガ(織姫)とアルタイル(彦星)だ。
そのふたつの星の間、天の川に渡す橋のように「はくちょう」が大きく羽を広げている。
「かささぎ」というカラス科の鳥は実在するが、
家持がこの歌を詠んだ頃にはまだ日本に生息しておらず
空想の中の鳥とされる。
また、天の川を霜に例えているが
それは英語で呼ぶ Milky Way にも繋がるとおり。
いずれにしても、ロマンチックな光景と、この空に見入ったのである。