「9」のつく日は空倶楽部の日。
夏の終わりのある朝のこと。
石川県白山市 2021.08.21 05:09 Sony α7R3 Vario-Sonnar 24-70㎜/f2.8ZA SSM (24㎜ f/2.8,1/80sec,ISO125)
暑い雲の切れ間から明るい空がのぞき始めるとともに、
大陸からの高気圧が北陸を多い始め
そのとき感じた風が今年初めての秋風だったと思う。
今頃になって紹介するのもどうかと思うが
秋風が吹きだすと聴きたくなるのがこの人たちの歌声。
Simon & Garfunkel - America (from The Concert in Central Park)
「恋人になろうよ!結婚して幸せになるんだ。
少しだけど財産もあるんだぜ。ほらこのカバンのなかに!」
そして、僕たちは少しの煙草とミセス・ワグナーのパイを買って
「アメリカを探そう」と歩き始めたんだ
「キャシー!」
ピッツバーグで乗り込んだ長距離バスの中で彼女に話しかけた
「もうミシガンだなんて夢みたいだね。
昔、サギノウからヒッチハイクした時は4日もかかったのに...
実はその時も、アメリカを探そうとしたんだけどね」
バスの中ではよく笑い
ほかの乗客たちとゲームを楽しんだりもした
そうそう、こんなたわいない会話もあったっけ...
キャシーが、ギャバのスーツを着たヤツはスパイだなんていうものだから
僕は彼女に忠告したんだ
「気をつけろ!ヤツの蝶ネクタイは隠しカメラだぞ!」 ...ってね
「煙草をとってくないか。まだ一箱、レインコートの中にあったはずだから」
「もう1時間も前に吸ってしまったわよ」
仕方がないので、僕は外の景色を眺めることにした
キャシーはキャシーで雑誌を読んでいた
やがて、月が広い野原から昇っていった
「キャシー! 僕は何か大事なものを亡くしてしまったようだ」
彼女が眠っているのを知っていながら、彼女にそう話しかけた
「むなしくて、苦しくて...そして、どうしたら良いのかわからないんだ」
ニュージャージーのターンパイクで
向かってくる車を数えてみる
彼らも”アメリカ”を探しにやってきたんだ
みんなが、”アメリカ”を探しにやってくる
みんなが、”アメリカ”を探しにやってくる