じゅんむし日記

心は急いでいる。それなのに、何も思い通りの形にはなっていかない。がまんがまん。とにかく、今できることから始めよう。

「光と影」渡辺淳一

2014-07-09 | 
渡辺淳一さんが亡くなられたという報道を聞いて(もう前だけど)、
なんだかまた、渡辺さんの作品を無性に読みたくなりました。
(山崎豊子さんの時もそうだった…)

初期作品の医療ものは、
知らない世界だけに、興味深く面白かったですね。

で、本棚を調べてみると…
2冊しかない(・・?

そういえば…( ̄□ ̄;)
本を整理したときに、BOOK OFFだか図書館に出してしまったんだっ!
もう読まないだろうと思って(-_-;)

しょうがないから、中古本をまた買いました。



「光と影」

西南戦争のころ…
同じように腕を負傷した友人同士は、臨時陸軍病院へ向かう船の中で再会する。
治療としては、腕の切断が一般的だったが、
軍医の実験的出来心から、一人は右腕を切断し、もう一人は腕が残された。
それも、カルテの順番で後の方をたまたま残したという偶然に過ぎないことだった。

軍医の気まぐれから二人の運命は大きく変わることとなる。
一人は、不自由ながらも腕が残ったことで、
光ある表側の人生を常に歩いてゆくことになり、
やがて内閣総理大臣にまでなった。

もう一人は、かげりある裏側の人生を歩み、
ついには狂死してしまう。


なんか、こわいですけど、
人生ってこういうものなのでしょうか。

船中での再会の時は、確かに二人の中に強い結びつきが生まれたと想像します。
(その後の出来事のせいで、一時的なこととなってしまうのでしょうけど)

でも、裏側を生きたとされる人は、
その後の人生を生きていく長い中で、”そいつ”の存在に気付く時、苦しみはいっそう深くなり、それが死ぬまで続くのですね。
そいつがいるから苦しむという不条理。
これが運命、と割り切るに割り切れない思いでしょう。

こうやって他人(ひと)の人生をかいつまんで知った気になって、
そして、自分の人生をかいつまんだら、どういう人生だと言えるのかなぁ、なんて考えてしまいました。

他人の人生をどうだ、なんて、よく人はかいつまんで知った気になり、口にしますけどね^^;

もうちょっと、
渡辺さんの初期の作品を読み直してみようっと。
おもしろいのが、まだあったはず。
えっと…何だっけ?けんさく、けんさく。
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