茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記27年10月7日「当院の不妊治療と東洋医学的な考え方。」

2015-10-07 07:05:18 | 日記

当院では不妊治療・不育症治療を行っております。今日は当院の不妊に対する東洋医学的な考え方をご紹介いたします。


現代の様なストレス社会において、人それぞれ気・血・水の流れの変調は必ずあります、ですから鍼灸治療は全ての人に効果があるといっても過言ではありません。

 では不妊症・不育症の治療において鍼灸治療はどのような効果を持つのでしょうか。

 東洋医学において、大きく分けて肝・脾・腎の3つが、妊娠に影響すると言われています。

実際に不妊治療を受けている人を観察すると、特に肝・腎の力が不足している人が多く見られます。

昔から、「腎は精を貯蔵する『作強の官』(生命エネルギーの強さを作り出すもの)と呼ばれ、人体の生命活動を維持する基本的な栄養物資である精を貯蔵し、五臓六腑の要求に応じて随時その精を供給し、それらの健全な働きを維持しているといわれています。そして、全身に精力を与え、粘り強さや根気を生み出すとされています。

 腎は、生殖用の精も貯蔵しています。生殖用の精が不足すると、妊娠ができないいろいろな症状となって出てきます。男の精と女の精が合体し、胎児の腎気となり妊娠が成立します。受精した時点で胎児の腎気の強弱が決まっていて、これが持って生まれる「先天の気」です。腎の力は成長と同時にその力も高まっていきます。中国の古典医書『黄帝内経』という書物の中では、腎気の年齢的消長を次のように述べています。


 女子では、「七歳で腎気の働きが活発化し、歯が生え替わり、髪も長くなる。14歳で天癸が充満し、任脈と衝脈の流通が増進し、月経が始まる。21歳で体格は頂点に達し、28歳で筋骨は充実して引き締まり、毛髪は最も長く豊かになる。しかし、35歳になると陽明経脈の機能が衰え、白髪が進行し、49歳で任脈が空虚になり、月経が停止する」
 最近CMでよく見る女子は7年ごとに節目を迎えるとの出典はこの『黄帝内経』の記載です。


 つまり、生殖能力において腎は非常に大切であり、どんなに年齢が若かくても、生活環境や食生活などで腎の力が不足して来ると、生殖能力が衰え、次第に卵巣機能や子宮機能が低下し、無排卵や無月経、子宮内膜が薄くなり、着床しにくいなどの症状が出てきます。

 肝は血を蓄え、体の血量を調節する働きをしています。

東洋医学では「肝は血を蔵する」と言われています。肝は過度の怒り(怒る・イライラするということ)が起きると、精神上の激しい刺激を受けてその正常な働きができなくなり、酷いときは吐血まで引き起こすことがあるといわれています。

つまり肝経の血の流れ、特に、骨盤内の流れが悪くなることにより、冷え症・お血が出現します。

女性の場合、骨盤内に子宮という血液を集めたり、出したりを繰り返す臓器があるために、月経がスムーズに繰り返さなければ、血という形で滞った悪い血が溜まってきます。このお血の状態が進むと、軽い症状としては頭痛・肩凝り・月経前のイライラ・めまい・足の冷えとして現れます。

つまり腎経・肝経・脾経のいずれかが弱っている事により、不妊症の諸症状が出てくるのです。

鍼灸を用いて、特に腎経・肝経のツボを刺激することによって、自分が本来持っている力を再び取り戻し、卵巣と子宮の機能が高まり、妊娠しやすい体質へと改善されていくわけです。卵巣機能不全などのホルモンのバランスの崩れには、東洋医学が非常に効果的です。

しかし東洋医学だけに全てを頼るのではなく、症状によっては西洋医学との併用が有効であると考えます。

当治療院では鍼灸治療により不足している五臓の気を補い、「体の冷え」を治療し妊娠しやすい体質に改善をすることを目標といたします。




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