茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記30年3月1日「東洋医学的な妊活・不妊症の治療とは。」

2018-03-01 17:23:53 | 日記

「ことぶき堂鍼灸院」では東洋医学的な人体観に基づき鍼灸による「妊活・不妊症」治療を行っております。

妊活の治療をしている患者さんから『不妊症の治療と普通の鍼灸治療とはどう違うのですか?』と質問を受けました。

問診・脈診・腹診などにより「証」を立て「本治法」で虚している臓の気を補うところまでは基本的に同じです。

当院では「積聚治療」と言う刺さない鍼を使用する治療法で「本治法」を施術し、患者さんの状態に合わせた配穴で妊活・不妊症の治療を行います。

経穴の取穴方法は縄折法を用いたり独特の取穴方法がありますが、中脘・気海・関元・曲骨・帰来・水道・風市・血海・三陰交・照海などの中から反応の顕著な経穴を用います。

不妊症の鍼灸処方は数多くありますが「証型」に適応した配穴を用いることが重要です。

 

東洋医学において、大きく分けて肝・脾・肺・腎の4つが、妊娠に影響すると言われています。

臨床でも妊活にお見えになる患者さんは「肝虚証」「脾虚証」「肺虚証」「腎虚証」が多いと感じます。

昔から、「腎は精を貯蔵する『作強の官』(生命エネルギーの強さを作り出すもの)と呼ばれ、人体の生命活動を維持する基本的な栄養物資である精を貯蔵し、五臓六腑の要求に応じて随時その精を供給し、それらの健全な働きを維持しているといわれています。

腎は、全身に精力を与え、粘り強さや根気を生み出すとされ、生殖用の精も貯蔵しています。生殖用の精が不足すると、妊娠ができない様々な症状が出ます。

生殖能力において腎は非常に大切であり、どんなに年齢が若くても、生活環境や食生活などで腎の力が不足して来ると、生殖能力が衰え、次第に卵巣機能や子宮機能が低下し、無排卵や無月経、子宮内膜が薄くなり、着床しにくいなどの症状が出てきます。

肝は血を蓄え、体の血量を調節する働きをしています。東洋医学では「肝は血を蔵する」と言われています。

肝は過度の怒り(怒る・イライラするということ)が起きると、精神上の激しい刺激を受けてその正常な働きができなくなり、酷いときは吐血まで引き起こすことがあるといわれ肝はストレスが影響を与えやすい臓腑であると考えられます。

肝経の血の流れ、特に、骨盤内の流れが悪くなることにより、冷え症・お血が出現します。

女性の場合、骨盤内に子宮という血液を集めたり、出したりを繰り返す臓器があるために、月経がスムーズに繰り返さなければ、血という形で滞った悪い血が溜まってきます。

このお血の状態が進むと、軽い症状としては頭痛・肩凝り・月経前のイライラ・めまい・足の冷えとして現れます。


鍼灸を用いて、経脈上のツボを刺激することによって女性が本来持っている力を引出し、卵巣と子宮の機能が高まると、妊娠し易い体質へと改善されていきます。


当治療院では鍼灸治療により不足している五臓の気を補い、骨盤内部の血行異常を調え、腹部の「積聚」を緩解し、ホルモン系自律神経系の変調を調え、妊娠し易い体を造ることを目標とし治療をしております。


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