心證寺住職のブログ

諸天昼夜 常為法故 而衛護之 諸天善神に護られて

九品地公園の石碑

2018年05月10日 | 尾張の歴史

一宮市文京1丁目、九品地公園の南東、宮西公民館の脇に、下のような石碑が立っています。

前から気になっていたのですが、上の方のカメレオンみたいな装飾は何でしょう?

拡大すると、こんな感じです。なんでしょう?

ところが、最近、よく似たものを見かけました。

滋賀県に観峰館という書道関係の博物館があります。そこに、中国の古典的な石碑のレプリカがいくつか建ててあります。

その中の一つです。上のカメレオンのような所に「九成宮醴泉銘」とあります。

書道を学ぶとき、唐代の楷書の手本として「九成宮醴泉銘」を習ったという人も多いと思います。

その「九成宮醴泉銘」のレプリカです。本物は中国の西安郊外にあります。

さて、カメレオンみたいな装飾はいったい何なのでしょうか?

調べてみました。

螭(ち)という龍の仲間の想像上の動物のようです。二匹の龍がしっぽを絡め、頭を下にして向かい合っています。

中国の古典的な石碑は亀を台座にして、上部に螭を飾るのが一つの決まり事だったようです。

上部の飾りは螭首(ちしゅ)と言うそうです。

 

さて、九品地公園の石碑ですが、「九成宮醴泉銘」などの中国の古い石碑をまねて作ったようです。

碑文を読んでみると、「一宮耕地整理記念碑」とあり、大正から昭和の初めにかけて、農地、用水、道路を整備し一宮発展の基礎を作ったことが書かれています。裏面には、事業に協力した人々の名前が刻まれています。

建立は昭和15年11月。太平洋戦争に向かおうという頃です。国威発揚の意味もあったのかもしれません。

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