(昨日の続き)
高浜や大飯の秘仏を巡り、この地は、集落が小さな入り江ごとにあり、海岸線まで山が迫り、耕せる地面が少なく、交通不便で戦後の経済成長とは縁の遠かった地域だと感じました。
飛鳥、奈良時代には、都に最も近い海として、大陸と盛んに往来があり、大寺院が造営され、日本の表玄関だったものが、時代が下り、日本の政治経済の中心が太平洋側へ、東国へと移って行くにつれ、次第に静かな漁村、農村へ姿を変えていったのでしょう。だからこそ、1000年も前の仏さまがそのまま残されたのだと思います。
帰路「うみんぴあ大飯」という道の駅に立ち寄りました。埋め立て地でしょうか、広々とした駐車場に囲まれた真新しく立派な道の駅でした。同じ敷地内にホテル、マリーナ、こども家族館という「体験型児童館」、エルガイアという「未来体験ミュージアム」もあります。うみんぴあは、「さまざまな楽しみが集まる複合レジャー空間」だそうです。第3セクターの運営で、大株主には地元自治体の他、関西電力、三菱重工などが名を連ねています。
エルガイアには、「考えよう、地球の未来とエネルギーの未来」と題した常設の展示があります。地球の未来とエネルギーの未来を考えたとき、重要な選択肢の一つは「自然エネルギー」だと思うのですが、この施設では「地球温暖化や原子力発電について分かりやすく解説」しているようです。真四角の青い建物は、福島第一原発の原子炉建屋を連想しました。バスで連れてこられた見学者が吸い込まれていきます。
日本中のどの地域の人も等しく経済的繁栄を享受したい。当然のことだと思います。しかし、今私たちが、どんな暮らし方、生き方をすると、この先1000年、大切なものを残していけるのかと考えさせられました。