あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。
法華経の十二番目の話「提婆達多品」に「四摂法(ししょうぼう)」という言葉が出てきます。物事がうまく運び、人びとを助けるための四つの方法です。
布施 物でも心でも自分のものを人に惜しみなく分け与える。
愛語 やさしい言葉をかける。
利行 人のためになる行いをする。
同事 同じ立場で一緒に行う。
ああ、なるほどなと思います。
昨年は自然災害のとても多い年でした。困っている人を見過ごすことはできないからと、ボランティアで災害復旧に駆けつける方がたくさんありました。「つらかったですね」「怖かったですね」「大変でしたね」「頑張っていきましょう」と声をかけ(愛語)、食料や衣服、日用品などを分け与え(布施)、被災者の方と一緒になって(同事)、浸水で使えなくなった家具などを片付け、困っている人たちを助けていました(利行)。
人ととして当然の行為ですとボランティアの方たちは言いますが、仏の教えにかなった行いです。
普段は意識することがなくても、仏教は、私たちの行動や考え方の根本にしみこんでいます。
人々を助けながら自分も仏の道を求めていくことを「菩薩行(ぼさつぎょう)」と言い、仏教で一番大切な教えです。「忘れてしまっている、かまっていられない、自分にはもっと重要なことがある」と考える人もいるようですが、大切にしたいものです。
続きます。