小笠原丸が硫黄島の釜岩沖の停泊していた場所から出航して硫黄島を周回する時には、摺鉢山は最初は右舷後方側、向って右側に見えています。次に摺鉢山から最も離れた北側を東向きに進むことになって摺鉢山は見えなくなります。やがて再び、今度は向かって左側に摺鉢山が見えるようになり、船が南に進んで南西端の摺鉢山を回り込む時には、摺鉢山の裏側しか見えなくなって、その後に、また右側に摺鉢山が見えるという位置関係になります。それから1周を終えて、小笠原丸は北上を続けて、いよいよ硫黄島を後に父島に向けた航海に写ります。
この写真は、右側に見えていた摺鉢山がいよいよいったん見えなくなる直前です。
この写真は、右側に見えていた摺鉢山がいよいよいったん見えなくなる直前です。
硫黄島を一周する小笠原丸は平和祈念会館の前を通り過ぎて北西端に近づいていきます。この写真は、平和祈念会館とその右側に見える断崖下にある大阪山壕あたりを撮ったものです。このように沖合からみると、平和祈念会館は海面からかなり高い場所にあって、正面が崖になって海に落ち込んでいるのが分かります。
小笠原丸が北上すると、この写真のように、摺鉢山より右側に、釜岩と硫黄島とが地続きになって岬のような形になっている部分が薄く見えるという位置関係になります。小笠原丸が停泊していたのは、この岬の向こう側の湾内でした。
小笠原丸が釜岩と監獄岩の沖を通過したあたりから、だんだんと見え始めてきた右舷前方側の、硫黄島の北西端のあたりを撮ったものです。この後で、小笠原丸は北上を続けて北西端を回り込んでから進路を東向きに変えます。