試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3500形3544[3544F-1] 更新車 現行仕様 黒色窓枠修繕施工,運行番号・行先方向幕貼付 ※TOMYTEC製

2018-06-27 21:24:24 | 京成線:3500形
大改修。

TOMYTEC製京成3500形3544F更新車(3544F)は3544,3541のM2車が入場待ちになっている。
3544,3541のうち3544は粘着物質の付着が多く先発入場させた。
各部の清掃を進めるに連れ問題が次々と生じ約130分を要する難関整備の末に竣工を迎えた。


京成3500形3544 更新車(3544F)。

3544は第一次整備の際に搭載するクーラーキセ3台で塗装乱れがあると惑わされた。
結局塗装乱れではなく謎の粘着物質だった。
クーラーキセを相互交換した3543,3542更新車現行仕様(3544-1)は不都合無く竣工した。
当初予定していたクーラーキセの配置変更は不要となった。
3532F更新車現行仕様(3532F-2)の基本組成では3544F-1が中間に組み込まれる。
よって行先表示類は製品印刷の[■■■ 特急 成田空港]を全て流用する方針とした。
不要不急の工程は省略し3544F-1の出場に向け作業速度を上げる予定だった。


入工中の3544。

第一次整備では運転台側TNカプラーSPのスカート対応化を暫定措置に留めた。
3500形更新車の2+4+2編成は中間組込車(M2車)のスカートが側面見附に彩りを添える。
先頭に立つ3532,3529更新車現行仕様(3532F-1)と同様の措置を施し引けを取らない外観を確保する。
先ずTNカプラーSPマウントの整形から着手した。
ニッパーで切り落としただけのTOMIX製スカート用取付台座のままではスカートの枕木方向にずれが生じる。
これを抑止するため運転台側TNカプラーSPを分解しフレーム側面に残るリブ状のようなものを均す。


整形中の運転台側TNカプラーSPフレーム。

TNカプラーSPを組み立てスカートとの位置関係を確認する。
想定通り枕木方向のずれは解消の見込みが立った。
床下機器部品は取付脚を流し込み接着剤で溶着するTOMYTEC製京成3500形更新車の共通仕様である。
座席部品と台枠の一体化を施したした後にゴム系接着剤でスカートを固定した。
金属車輪は予め輪心黒色化等の整備を済ませていた。
プラスチック製車輪との交換を行い下廻りの整備を終えた。


整備を終えた3544用床板一式。

問題は車体に付着する粘着物質の除去である。
3543,3542では粘着物質の拭き上げで側面窓セルの黒色窓サッシ印刷を失う憂き目に遭っていた。
最悪な事に3544では車体にまで付着が及んでおり措置を悩ませた。
車体塗装までを剥がしかねない清掃には危険が潜む。
ただ放置しても将来的に同じ結末が待つと考え印刷剥離を覚悟の上で清掃する決断を下している。
銀色塗装被膜はある程度の強度を有する模様で表面の艶が無くなる程度であった。
赤帯もまずまずの耐久性を誇ったか一部で剥離してしまい赤マッキーにて誤魔化した。
対照的に脆かったのは青帯である。
TOMYTEC製3500形3592F現行色晩年仕様(6次車:3592F-2)は腰板青帯の大幅な劣化が進んでしまった。
青マッキーの極細字側で補修したところ青帯塗装は更に崩壊が進み車体に殆ど残らなかった。
3500形更新車でも耐久性向上には至っていないらしい。
清掃は終えたものの青帯は各所でひび割れが目立っている。


各所で目についた粘着物質。

なお3592F-2での施工結果を基に青帯の補修は見送った。
今後劣化進行が激しくなった場合に対策を考えたい。
車体塗装は全体的に甘く黒色塗装にも波打ちが見られた。
モールド断面のはみ出しは見附を悪くさせる。
爪楊枝での除去を行ったがこの作業が裏目に出た。
3544の黒色塗料は塗装被膜が比較的厚く窓枠モールド天面の黒色まで削がれている。


各色マッキーで補修した車体と側面窓セル。

まさか黒色塗装部全てを持って行かれるとは考えてもいなかった。
前面,側面窓枠は至る所で銀色塗装が露出する最悪の事態に陥った。
現状のまま窓枠を補修する事も可能ではある。
しかし塗装被膜の厚さが災いし窓枠モールド天面に段差が生じると判明した。
そこで中間組込車となる組成を逆手に取り前面窓枠モールドの印刷全剥離に手を着けた。


一旦塗装を剥がし黒色化を行った前面窓枠。

モールド天面へのマッキー塗布は3532F-1から続く作業で滞りなく黒色へ戻せた。
見附は悪くなく思え同様の状態に変わってしまった当該側面窓枠も塗装を剥がしての対処となった。
この方法は銀色塗装の塗装被膜が強かったからこそ採り入れられたようなものである。
結果的に誤魔化しが利いたものの3541(3544F)の取り扱いには十分注意したい。
側面窓車体断面の塗り潰しは太字側のマッキーへ改めた。
極太字側は角断面で効率的に黒色化が進められる。
但し寸法都合により広幅側面窓にしか採用できず車端部の狭幅側面窓は従来を踏襲した。


3532から移植した富士川車輌工業製[成田空港]幕 (3544,3532F-1)。

粘着物質除去の影響から車体補修が優先され前面窓セルへの色挿しは後に廻された。
3544は種別表示器周囲の青帯が端部まで達しておらず銀色塗装が顔を出していた。
青マッキーを乗せるだけで露出部をそれなりに補えてしまった。
調子に乗り3532も小細工を加えたが貼付していた富士川車輌工業製[成田空港]幕へ皺を寄せる失策をした。
3532には新たな富士川車輌工業製[成田空港]幕を貼付する。
皺の寄った[成田空港]幕は破棄とはせず3544への転用が決まった。
計画に無かった行先方向幕貼付に連動し運行番号表示器も[■■■]表示から[A01]へと変更になった。
運行番号表示器ステッカーは3532,3529と同じくグリーンマックス製京成3150形用を起用した。
外観は3532F-1と同一になり先頭にも立てる仕様に格上げされた。
3532の青帯補修は残念ながら貫通扉行先表示器周囲の成形不良が災いし失敗に終わっている。


全工程を終えた3544。

車体補修と3532の小細工失敗が響きクーラーキセ等の溶着に入るまで大幅に時間が押してしまった。
ただ最後の工程が軽度であり日付を跨ぎながらの整備となった。
クーラーキセが明灰色で統一され第一次整備終了時より見映えは良くなったと思う。
初めから3544Fは謎の粘着物質に振り回されたと言える。
そもそも何が原因か判らない。
最終入場車の3541(3544F)も既に側面窓セルへの付着を確認しており整備には神経を使うだろう。




3544 [A01 特急 成田空港]:前面窓枠修繕,運行番号・行先方向幕貼付。


3529 [A01 特急 成田空港]:3532F-1(通過標識灯擬似点灯化施工車)。

製品印刷の[■■■ 特急 成田空港]はステッカーによる[A01],[成田空港]表示へ改められた。
但し皺が寄ってしまった[成田空港]幕は前面窓セルを余り押し出さず3532,3529よりも引き込ませた位置にしている。
前面窓セルへの色挿しは3532(上野寄M2車)と全く変わらない。
従って通過標識灯擬似点灯化は見送られ3529とは僅かに雰囲気が異なる仕上がりとなった。
行先表示類は印刷流用のはずだったが別方向に進み中間組込車としては贅沢な見附を有する。




3544更新車現行仕様(3544F-1:クーラーキセ交換,側面黒色窓枠修繕施工,金属車輪化)。

一時はどうなるかと思われたが何とか3544更新車現行仕様(3544F-1)の竣工まで漕ぎ着けた。
粘着物質の除去が招いた塗装剥離は青帯の掠れに垣間見える。
特に幕板青帯への影響が大きく第二次整備で退化した箇所になってしまった。
3592F-2での実例があるため3544は要注意指定車となる。




3544+3543 (3544F-1:M2車+M1車)。

側面窓枠補修方式の異なる3543とは思ったより差異が目立たない。
塗装剥離による黒色窓枠の復活は細部の甘さこそ隠せないものの窮余の策としては無難な着地点になったと思う。
窓枠の銀色塗装露出は黒色塗料の塗布が成形部に行き渡らず生じたと予想している。
皮肉にも根本原因を取り除いた事が黒色窓枠化を容易にさせた。
しかし膨大な手間を要するためこの様な個体には当たりたくない。
なお誤って動力ユニットを搭載させた3543はこの機会を利用して本来の非動力車に改めた。


3531+3544 (3532F-1+3544F-1)。


2000形クハ2003+200形モハ208 (206F)。

3544は3532F-2の組成時に3531(3532F-1)と連なる。
前面窓の車体断面は当初から塗り潰す予定だった。
TOMYTEC製京成200形206F更新車晩年仕様(206F)は2000形クハ2003モハ208が突き合わされる。
200形より前面窓天地が広い2000形は車体断面の黒色化でこの差異を簡易再現した。
三平面折妻の3500形更新車は車体断面が連結部から見えるため中間組込車への黒色化採用が決まっていた。
措置自体は3532F-1から採り入れているが本来は3544F-1向けの工程であった。
狙いは的中し成形色の隠蔽に繋がったと思う。

3544F-1の出場は3541の竣工を待つだけになった。
大改修に至った3544ほどの施工内容にはならないと思う。
今度こそ製品印刷の[■■■ 特急 成田空港]が維持されるはずである。
車体断面の黒色化は必要条件だがその他は簡略化を考えている。
厄介な粘着物質が車体に付着していなければ3544F-1,3532F-2を出場させられるだろう。

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