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付け焼き刃の覚え書き

 開設してからちょうど20年。はてなにお引っ越しです。https://postalmanase.hateblo.jp/

★妖怪や幽霊を捜査する警察組織

2013-04-23 | ランキング・カテゴリー
 明かなファンタジー世界ではなく現代社会やよく似た歴史上の場所を舞台としているのに、妖怪や幽霊や魔法による事件が起きていて、その存在を公権力が認識していて対策する部署を設置しているものを思いつくまま。

「魔術師が多すぎる」 ランドル・ギャレット
 科学の代わりに魔術が発達したロンドンで起きた密室殺人を捜査するダーシー卿の事件簿。魔法ミステリの元祖的なパラレル・ワールドもの。

「妖獣都市」 菊池秀行
 普通の人は知らないけれど、人間界と魔界の共存を維持するため、魔界の過激派たちと人知れず戦い続けている闇ガードという組織があって……。

「S.P.A.T.!」 鷹野祐希
 誰もが幽霊を見ることができるようになった時代。幽霊専門の警視庁特務課に配属された新米婦警が、幽霊相手に聞き込みしたりする話。

「全裸男と柴犬男」 香月日輪
 普通の人は知らないけれど、オカルト専門の警視庁生活安全部遊撃捜査班という部署があって……。

「神のまにまに」
 ある日突然、八百万の神々が雲隠れしてしまった。この事態に対処するため政府は諮問機関を設置した……。

「妖怪アパートの幽雅な日常」 香月日輪
 ヴァチカンにはコングレッソ・ヴィエタートという奇跡狩りの部署があり、世界の霊的治安を担っているとか……。

「バッカーノ!」 成田良悟
 普通の人は知らないけれど、既に禁酒法の時代のアメリカではFBIが不老不死の魔術師たちの動向を監視していて……。

「レイセン」 林トモアキ
 普通の人は知らないけれど、日本にもオカルト事件に対処する組織が、陸上自衛隊・第40普通科連隊、警察庁特別資料室、宮内庁神霊班の3系統あって……。

「大魔王作戦」 ポール・アンダースン
 魔法や妖魔が普通に存在しているパラレルワールド。キリスト教圏の連合軍とサラセン教主軍の間に第二次大戦が起こるが、その裏では各国のスパイ組織による攻防も激化していた。

「かみあり」 染屋カイコ
 大阪から転校してきた少女は知らなかったけれど、神在月の出雲では、普通に神さまや悪魔や式神やらが跋扈していて……。

「英国パラソル奇譚」 ゲイル・キャリガー
 狼男や吸血鬼や普通に存在しているヴィクトリア朝ロンドン。異界管理局と関わり合うことになったオールド・ミスが……。

「憑き物おとします」 佐々木禎子
 誰もが幽霊を見ることができるようになった時代。霊障専門の保険会社とかもあって。

「オカルトリック」 大間九郎
 普通に超常現象による事件が起きているパラレルワールド。普通の警察には手に余るけれど専門部署が出張るほどは大規模な事件ではない……というときにお呼びのかかるオカルト探偵事務所の物語。

「となりにヴァンパイア」みたいに、人間は知らないけれど妖怪たちの世界にも警察みたいな組織はあって……というものまで含めると数が一気に増えそうなので、とりあえず除外。
 「ベン・トー」の心霊研究部は、もはやなんとなく闇ガードっぽくなってきましたが、まだ正体不明なので保留。6重結界を張って封印というあたり、部活って怖いなー。
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★魔王が主人公

2013-04-19 | ランキング・カテゴリー
「魔王ダンテ」永井豪(1971)

「BASTARD!! 暗黒の破壊神」萩原一至(1988)

「地獄戦士魔王」苅部誠(1994)

「まおゆう魔王勇者」橙乃ままれ(2009)

「はたらく魔王さま!」和ヶ原聡司(2011)

 とりあえず思いついたものだけ。最近だと『オーバーロード』とかを加えてもいいかな。
 ダンテの頃はオカルトでシリアスだったけれど、バスタードの頃からRPGの要素が入ってコメディ的な要素が強くなっていくわけです。最近のは、RPG風小説のバリエーションが出尽くしての逆転現象のような気がするけれど、この源流は『ワードナの逆襲』から始まり、『AZITO』へと続くパソコンゲームの系譜かもしれません。

 魔王小説とピカレスク小説とは少しニュアンスが異なるのだけれど、「魔王」に限らず、単に従来のカテゴリーでは悪役・敵役という役回りの存在が主役というと、『怪人フー・マンチュー』とか『ファントマ』みたいに悪くて怖いヤツが主役の話は当然として、歌舞伎『楼門五三桐』の石川五右衛門とかコミック『ルパンIII世』まで普通にあるし、なんだったら『泣いた赤鬼』を加えたって良い。
 そもそも視点の違いで善悪がひっくり返るのは茶飯事。
 これを初めて実感したのは、『宇宙大作戦(スタートレック)』の「未確認惑星の岩石人間」の回。「善と悪」の代理戦争ということで善のサイドに主役メンバーやエイブラハム・リンカーンが加わるのは当然として、悪のサイドにジンギスカンがいたことでした。ジンギスカンったら、「義経は大陸に渡ってジンギスカンになったのであります」……などとどこぞの校長先生の口の端に上るくらい、日本では小学校の図書館に普通に伝記が置かれていた偉人。それが悪人扱いなんだ。
 1974年放映の『仮面ライダーX』でも、悪人軍団にジンギスカンコンドルとかサソリジェロニモとかクモナポレオンとか、悪人と言い切って良いのか疑問に思うラインナップです。
 そりゃあ、攻め込まれたヨーロッパから見たら、チンギスハンは悪人だし、豊臣秀吉だってそうだよなあ。
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★ライトノベル

2013-04-10 | ランキング・カテゴリー
 異論のある人には申し訳ないけれど、この覚え書きでいうところの「ライトノベル」とは、「中高生を主な購買層として刊行されている文庫サイズの書籍で、表紙や本文イラストにそのとき流行のマンガやアニメ的な絵が採用されている」とパッケージ論として定義しています。
 ネット上ではそもそも論も過去の研究も無視したトンデモ科学のようなライトノベル論が散見されますが、少なくとも「ライトノベル」という言葉ができた時の定義は、ソノラマ文庫やコバルト文庫のような表紙にマンガ絵やアニメ絵を使い、挿画もふんだんに盛り込んだ文庫本のパッケージスタイルのことを指していたそうですし、このあたりがもっとも合理的なんじゃないでしょうか?
 

 中には、マンガ絵の表紙で太宰治とかニーチェを刊行してたりしますが、これも対象が中高生ならラノベ扱いですが、中身は太宰治やニーチェのままなのです。なにをもって「中高生向きの内容」とするかについては、これまた議論百出でしょうが、さすがにいくら「若き人々へ」といっても、これをライトノベルと言い張るのには無理がありますね。


『連帯惑星ピザンの危機』 高千穂遥
 日本初のスペースオペラで、イラストは当時現役アニメーターだった安彦良和。ソノラマ文庫がライトノベル・レーベルだったかどうかについて異論が出ることもあろうけれど、この作品を否定したらこの世にライトノベルなど存在しません。

『星へ行く船』 新井素子
 中高生向けの愛や性をテーマにした少女小説やノンフィクションが売りのレーベルだったコバルト文庫ですが、海外の翻訳作品と共にオリジナルの少女向けSF小説も刊行し始めます。
 なので、レーベル単位で定義するとライトノベルになりませんが、宇宙に飛び出した少女が活躍するSF小説で、イラストを漫画家が担当する文庫という定義では立派なライトノベル。そういう意味でライトノベル作家の元祖の1人であり、高校2年生でデビューしたSF界のアイドルであり、作家本人がキャラクター化までされ、その影響は少なくありません。

『野獣の都』 マイクル・ムアコック
 科学者の主人公が転送実験に失敗して太古の火星に飛ばされ、そこで意外な才能を発揮して大暴れでお姫様を救うという冒険小説。35年前のイギリス作家も書いていることはたいして変わりません。主人公が少年少女であると限定するとライトノベルから外れるけれど、中高生が手に取りやすい表紙と値段と内容です。
 初期のハヤカワ文庫はモノクロ挿絵はもちろんカラー口絵まで、松本零士がかなりイラストを描いてました。他にハヤカワ文庫でイラストで参加していたのは、藤子不二雄、モンキーパンチ、萩尾望都、吾妻ひでお、横山えいじ、米田仁士、あすなひろし、おおやちき、柴田昌弘、紫堂恭子etc...。最近でもエナミカツミ、赤井孝美といった人を採用してますね。

『憑物語』 西尾惟信
 特殊能力を持った高校生男子が主人公に、周囲には一癖も二癖もある美少女たちが集合している物語だけれど、これについてはハードカバーなので、ライトノベルじゃない。優劣ではなく、売り方のスタイルの問題なのだ。


『ふたりの距離の概算』 米澤穂信
 とある高校を舞台にした日常系ミステリ。
 アニメ化もされているけれど、これだけだとライトノベルじゃない。でも、カバーを裏返してリバーシブルにするとアニメ版のキャラが登場するのでライトノベル。

『彩雲国物語』 雪乃紗衣
 彩雲国初の女性官吏となった少女の奮闘記。
 コミックも担当している由羅カイリが表紙を描いている角川ビーンズ文庫版はライトノベル。シックなデザインの角川文庫版は一般文芸。
 このパターンは最近だとやはり『今日からマ王』シリーズがビーンズ文庫から一般の文庫レーベルに移籍してます。面白ければ、装幀を変えるだけでどこでも通用するんよ。

『霊能者は女子高生!』 メグ・キャボット
 もともとヤングアダルト系のソフトカバーで刊行されていた海外シリーズを、ヴィレッジブックスというロマンス小説が多いレーベルから再刊したもの。主人公が霊能力をもつ女子高生で、大昔の美青年幽霊とケンカしながら、悪霊や悪人をぶっ飛ばしていくハイスクール小説。
 翻訳作品で、ライトノベル・レーベルでもないけれど、ライトノベル。

「ステップファザー・ステップ」 宮部みゆき
 講談社ペーパーバックスのバージョンは、荒川弘のイラストなのでライトノベル。内容が中高生向きかどうかについては、内容そのままで小学校高学年向けの青い鳥文庫にもなっているので問題なし。表紙が一般文芸な講談社文庫版はライトノベルじゃありません。
 宮部みゆきの作品あたりになりますと、講談社から出た単行本で読めばきちんと大人向けとして読めるのに、荒川弘がイラストだとライトノベルっぽく思えて、青い鳥文庫になると難しい漢字にふりがなをふるくらいのことで小学校高学年から中学生向けで通用してしまいます。


 「ライトノベル」という箱書きは、書籍販売か電子書籍かと同じような、単なる販売形式の違いであって、中身まで限定するものではないというのが自分の解釈。
 遺伝子でマッピングするでなし、ジャンルがクロスオーバーするのに不都合もないし、自分的にはいちばん整理しやすいので、何のために定義するのかを考えたら、これがいちばん無難だと思います。定義した上で、簡単に例外事項とかグレーゾーンが出てくるのは、分類として美しくないじゃないですか。
 まあ、こういう定義の内容で論争するのも、博物学的で、端から見守るには愉しいものですけれど、少なくとも論とするなら簡単に定義から外れる例外が続出するような定義は問題外です。(2011/09/29 2013/04/10改稿)
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★異文明は地球の文化が好き!

2013-02-15 | ランキング・カテゴリー
 最近はファンタジー世界に現代日本のオタク文化が持ち込まれて人気になるパターンの話が目立つので、そこまでの系譜を目に付く範囲でピックアップ。

 具体的な出典を覚えていないので要チェックなのだけれど、もともと「宇宙人が地球の放送電波をキャッチしていて、地球の言葉や文化に詳しい」というパターンはあるし、よくよく考えてみれば伝道師やヨーロッパの人間が未開地を冒険し、現地の人間にキリストの教えや文明の利器を伝えるエピソードはごく普通ですよね。
 そうか。これは伝道物語の類型なのか……。

『山椒魚戦争』 カレル・チャペック
 知能が高い山椒魚に道具を与え、言葉を教え、安価な労働者として使役したあげく、逆に人間が滅びそうになる話。
 1935年の作品ですし、同じ作者のロボットとかを見ていると、文化流入による混乱をテーマにしているのではなく、植民地批判であり文明批評ですね。文化や技術が流入しても、誰も喜んでないし、面白くもない。

『天翔ける十字軍』 ポール・アンダーソン
 空飛ぶ円盤で地球侵略にやってきた宇宙人を中世騎士の集団が撃退し、返す刀でキリスト教に基づいた封建社会を銀河系に構築してしまう話。こちらは無理矢理な武力侵攻による教化で、従来の物語の延長線上に皮肉を効かせたオチを用意したものではあるけれど「地球文化」の布教ではあります。

『異世界の帝王』 H・B・パイパー
 こちらで持ち込まれたのは「戦争の技術」と「火薬の製造法」であって、娯楽方面は特になし。

『地球人のお荷物』 アンダースン&ディクスン
 惑星トーカの現住生物ホーカは熊のぬいぐるみに似た姿と高度な知能を持っているが、モノマネが天性の資質。
 輸入された地球の書物や映画から自分たちの文明を書き替えて究極のモノマネ社会を構築してしまい、街にはシャーロック・ホームズや三銃士が闊歩するはめになり……。
 このあたりが、自分のイメージする「異文明は地球の文化が好き!」話の原点だな。

『超時空要塞マクロス』 
 銀河の深淵から侵攻してきた異星人の艦隊は、戦争しか知らない戦闘種族。正面からぶつかれば地球にとうてい勝ち目はなかったが、彼らにはアイドルソングやら男女の恋愛というものにまったく免疫を持っていなかった……。
 戦闘に特化した男ばかりの集団に「美味い食事」という文化が流入して禁欲的なグループが崩壊するのは和田慎二の『明日香ふたたび』。男ばかりの世界に女が出現して政変が起きてしまうのがA・B・チャンドラーの『惑星スパルタの反乱』。

『A君(17)の戦争』 豪屋大介
 人間と魔族が全面戦争に突入している裏で、蚊帳の外に置かれた国王と魔王は同人誌作りに日夜いそしんでいた……。
 異世界に流入した日本文化がしっかり根付き、最初は義務的だった国王付きのメイドさんたちが徐々に腐っていくさまは壮観。

『這いよれ!!ニャル子さん』 逢空万太
 地球が宇宙文明から保護されているのは、オタク的なサブカルチャーが貴重だからだと言い切ってしまったエポック・メイキング的な作品。
 でも、こんなに続いてヒットするとは思ってませんでした。

『ゲート』 柳内たくみ
 これは自衛隊と接触した異世界の文明が、コスプレをファッションの主流と思い込んだり、王族がBLを「芸術」だと言い張る話だという印象が強いけれど、ストーリー的には文化ではなく武力で決着がついてます。

『アウトブレイク・カンパニー』 
 シチュエーション的には『ゲート』に近いけれど、こちらは正反対に日本政府が武力ではなく文化で異世界を傘下に収めようとする文化侵略話。


 拾い方のせいなのだけれど、だんだん片寄っていくよね。
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よく読み返す本100タイトル 

2013-01-01 | ランキング・カテゴリー
 年間ベストもやっているんだからオールタイムもやろうぜと数え始めたら、シリーズものを1タイトルに数えてもアッという間に100オーバー。こういうのは所詮は自己満足。考えているときがいちばんシアワセなんだヨ~といいつつ、ノンフィクションなど30タイトルほど削って100に納めてみました。
 投票の結果ではない(脳内会議はしない)ので、順不同。「傑作/名作と思った」「読んで面白かった」「誰もが読むべき」というような基準ではなく、「文学的な評価とか世間的な評判はおいといて、自分が好きで何回も読み直している」という本のリストです。
 なので「★★★★★」は買ってから最低5回は読み返しているという意味で、「★」は買ったときに1回読んだこっきりということになります。ただ20年前に買って3回読んだ本と、1月前に買って2回読んだ本だと2回の方が面白い本ということになりそうですね。(2013.01.01)

「ベルガリアード物語/マロリオン物語」 デイヴィッド・エディングス ★★★★★
 王道ファンタジーの定番。神話級の戦いと詐欺とユーモアにあふれた1冊。分厚くてもつい最初から最後まで一気に読んでしまいます。

「エレニア記/タムール記」 ディヴィッド&リー・エディングス ★★★★★
 一癖も二癖もある騎士たちと女神と巫女と盗賊の英雄譚。マロリオンを読み終わって、そのまま勢いでこちらも最初から最後まで……。

「魔術師の帝国~リフトウォー・サーガ」 レイモンド・E・フィースト ★★★★
 これも面白いけれど、やや固め。人死にが多いのも壮快感を欠く遠因かな。

「異世界の帝王」 H・ビーム・パイパー ★★★★★
 平凡な警官が平行世界に飛ばされ、剣と銃の世界で大出世の北米版太閤記。主人公が未成年ではないだけで、やっていることはライトノベルと同じ。

「ニューヨークの魔法使い」 シャンナ・スウェンドソン ★★★
 現代のニューヨークにも魔法使いや妖精がいるんだよという、ちょっとユーモラスなパラノーマル・ロマンス。

「ドラキュラ紀元」 キム・ニューマン ★★
 ドラキュラがイギリスを支配した世界での切り裂きジャックもの。虚実入り乱れる多数の登場人物のからみが醍醐味。読むのにパワーが要る大作なので、読み直しは控えめ。

「アルテミス・ファウル」 オーエン・コルファー ★★★
 犯罪組織の二代目は天才少年で、ひそかに人類社会を監視している妖精たちを利用して金儲けを企むという話。ライバルの天才少女が現れて、これからさらに面白くなりそう。児童文学枠だけれど角川文庫版も。

「ルーグナ城の秘密」 ピアズ・アンソニー ★★★★
 英語文化圏のダジャレとボーイ・ミーツ・ガールでびっしり埋まったファンタジー「魔法の国ザンス」の3冊目。シリーズとしては飽きてしまったのだけれど、3冊目のこの話は今でも好きなので単体でカウントしてます。

「妖怪アパートの幽雅な日常」 香月日輪 ★★★★★
 児童文学特有のお説教臭いところと息の抜けた笑いどころの組み合わせが絶妙なシリーズ。気軽に読める少年の成長譚。

「それがどうしたっ」 赤井紅介 ★★★
 悪魔の少女に翻弄される少年と幼馴染みの少女の物語。いわゆるラノベ的な三角関係というより、藤子マンガの居候もの的な話。

「ドラゴンになった青年」 ゴードン・R・ディクスン ★★★★★
 シリーズ化した続編やニコイチで作られたアニメ版はさておいて、突如として異世界に飛ばされた主人公が、同じく飛ばされて行方不明のガールフレンドを探すのだけれど、その過程でひとくせもふたくせもある仲間が集まり、最後は「ここは任せて先に行け」の王道パターン。

「コロボックル物語」 佐藤さとる ★★★★★
 最初に読んだのは小学生の時。それから定期的に読み返しているけれど、今読んでも面白い。面白いのはやはり1冊目の「だれも知らない小さな国」から4冊目の「ふしぎな目をした男の子」までなのだけれど、コロボックル童話や「小さな国のつづきの話」も後日譚や外伝枝篇としては愉しく読めます。

「ハルカ 天空の邪馬台国」 桝田省治 ★★★★
 古代の邪馬台国に救世主として召喚されてしまった少年が、ヒミコの巫女である少女ハルカと共に戦う、ちょっとエッチなボーイ・ミーツ・ガールの異世界冒険譚。「炎天の邪馬台国」と合わせて2冊で完結。

「鴨川ホルモー」 万城目学 ★★★
 今もなお京都市中の大学生によって継承されている、式神を操って闘わせるホルモーと呼ばれる奇妙な戦闘競技の物語。

「滅びのマヤウェル」 岡崎裕信 ★★★★
 人が呼吸をしたり食事や睡眠を取るように、他の能力者を殺さないと生きていけない少女と男装の少女が同居する話。

「夏の鬼 その他の鬼」 早見裕司 ★★★
 人ではないモノたちの姿を見ることのできる少女と仲間たちの日々の物語。都市伝奇。

「魔法科高校の劣等生」 佐島勤 ★★★★
 魔法がテクノロジーとして浸透している社会で、おおやけの基準では劣等生としか分類できないけれど実戦・実務基準では優等生以上の主人公が、才色兼備の妹とイチャラブしながらテロリストやマフィアを殲滅していく学園小説。 

「塵骸魔京」 海法紀光 ★★
 今も世界の闇の部分に潜んでいる怪物たちと、それを狩る者たちの戦いに巻き込まれた少年の物語。18禁ゲームのノベライズで、ゲームでは深く語られなかった少女を中心に語られる。

「ドリトル先生航海記」 ヒュー・ロフティング ★★★★★
 動物の言葉をしゃべれる獣医さんの冒険譚。お金に困ってサーカスをやるはめに陥ったり、巨大な蛾に乗って月まで冒険したり。

「鬼切り夜鳥子」 枡田省治 ★★★★
 妖怪退治の陰陽師の霊に取り憑かれてしまった、元気な少女の妖怪退治話。とにかくよく脱ぐ。

「アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う」 ゲイル・キャリガー ★
 行き遅れた貴族のお嬢さんがパラソル片手に吸血鬼や狼男を粉砕して回って女王陛下の拝謁を賜る、パラノーマル・ロマンス小説でスチームパンク。

「憑き物おとします」 佐々木禎子 ★★
 幽霊が普通の人間に見えるようになってしまった日本で、霊障専門の保険会社に雇われることになった青年と、勝手に付いてきたイケメンの死神と、ゴスロリ守護霊の物語。

「百合×薔薇」 伊藤ヒロ ★
 超能力を持った少女ばかりが集う女学校に潜り込んだ女装の少年が、お姉様と慕われるようになり、クラスのみならず学園を、やがては近隣の学園を束ねていく物語。男の娘版番長マンガのようなもの。

「はたらく魔王さま!」 和ヶ原聡司 ★★
 勇者との戦いに負けて異世界に逃れた魔王が、ボロアパートで四天王の生き残りと同居しつつ、ハンバーガーショップでバイトしたりして地道に再起を図る話。

「駆逐艦キーリング」 セシル・スコット・フォレスター ★★★★★
 第二次大戦のさなか、アメリカからイギリスまでの輸送船団を護衛することになった、駆逐艦キーリングのクラウス艦長の数日間の不眠不休の戦い。とにかく目玉焼きとコーヒーが欲しくてたまらなくなる話。

「レッド・オクトーバーを追え」 トム・クランシー ★★
 冷戦時代、ソ連の新型原子力潜水艦<レッド・オクトーバー>が密かに叛乱を起こして消息を絶つ。ラミウス艦長の目的は亡命か、それともアメリカへの先制核攻撃か? 米ソの部隊が追跡を開始するが……。
 
「ナヴァロンの要塞」 アリステア・マクリーン ★★★
 第二次世界大戦中の1943年、難攻不落の要塞に登山家キース・マロリー大尉指揮する特殊部隊が挑む。

「囮のテクニック」 ダドリ・ポープ ★★★★★
 第二次大戦中、対潜水艦作戦本部に配属された元・駆逐艦乗りの物語。船団護衛とか暗号解読とかの基礎を叩き込んでくれる本。

「戦国鉄砲商人伝」 橋本忍 ★★★★
 鉄砲商人から見た織田信長の物語。

「化物語」 西尾維新 ★★★
 吸血鬼の力を得てしまった少年が、周囲の少女たちの遭遇する怪異にかかわっていく物語。本筋以外の余談が醍醐味。

「丘ルトロジック」 耳目口司 ★
 オカルト肯定派の高校生集団が世界を革命しようとする話で、死屍累々。

「ソリッドファイター【完全版】」 古橋秀之 ★★★★
 格闘ゲームにのめり込んでいる高校生が主役のゲーム小説だけれども、いちばん目立っているのがタケちゃん先生である。開発スタッフであろうとプレイヤーであろうとゲームにかける一途な思いは熱いのだ。

「千の剣の舞う空に」 岡本タクヤ ★★
 MMORPGの世界で最強のプレイヤーをさがす青春ストーリー。その結末は身も蓋もなかったけれど。

「暴風ガールズファイト」 佐々原史緒 ★
 マイナー球技にかける少女たちの青春ストーリー。ラクロスって面白いのね。2巻で終わるのが残念。

「マリア様がみてる」 今野緒雪 ★★★
 女子校の生徒会を舞台にした成長物語。読み出すと癖になる。

「神明解ろーどぐらす」 比嘉智康 ★★★★★
 下校こそが人生のすべてという主人公が、とことんまで“下校”を追求し堪能して勝ち組になる話。

「ベン・トー」 アサウラ ★★★★
 閉店間際のスーパーマーケットで、売れ残りの半額弁当争奪戦に命をかける狼たちの物語。レトロゲームのネタ多し。

「いとみち」 越谷オサム ★★★
 本州最北端のメイドカフェでバイトすることになった、内気な女子高生と仲間たちの物語。

「俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件」 七月隆文 ★★
 ハイソな女性陣と庶民のカルチャーギャップを楽しむ話。

「のうりん」 白鳥士郎 ★★★
 農業高校を舞台に、まっとうな農業問題をアニパロとオゲレツなシモネタをたっぷり振りかけて語るおバカたちの青春記。

「ほうかごのロケッティア」 大樹連司 ★★★★
 南の孤島で成層圏までロケットを打ち上げることになった高校生たちの物語。

「“文学少女”と恋する挿話集」 野村美月 ★★★
 本を愛してやまない文学少女を中心に巻き起こる、恋のエピソードの数々を日常系ミステリのテイストで。

「子ひつじは迷わない」 玩具堂 ★★
 生徒会に持ち込まれる謎の数々を解決することを期待されているのは、隣の部屋でごろごろしている文芸部の少女であったけれど……。

「夜は短し歩けよ乙女」 森見登美彦 ★★
 「黒髪の乙女」に思いを寄せる「先輩」は、偶然の出会いを演出しようと彼女の姿を追い求めて大学内外を走り回るのだが、そこでさまざまな事件に遭遇してしまい……。

「アンの娘リラ」 L・M・モンゴメリ ★★★★★
 赤毛のアンのシリーズの最終巻。ヨーロッパでどこかの国の皇太子が暗殺されたことをきっかけに大きな戦争が始まり、小さなカナダの町からも大勢の若者が兵士として旅立つこととなり……という状況下での銃後の物語。

「俺はまだ恋に落ちていない」 高木幸一 ★★
 友人から「つき合ってみれば」と紹介された彼の妹2人は、美少女ながらなかなかの食わせ物だった……。

「クジラの彼」 有川浩 ★★★
 自衛隊を主な舞台とした、激甘なラブストーリー短編集。

「にわか高校生探偵団~理由(わけ)あって冬に出る」 似鳥鶏 ★★★
 フルートを吹く幽霊やらストーカーに追われる女子高生やら、たった1人の美術部員の葉山くんはしばしばトラブルに巻き込まれます。七転八倒したあげくに文芸部部長である伊神さんに助けを求めるのだけれど、彼はどうしてもっと早く呼んでくれなかったかと怒るのだ……。

「シアター!」 有川浩 ★★★★★
 放漫経営で解散の危機にある劇団を、まっとうな金銭感覚を持つ社会人がテコ入れする話。

「ひきこもり探偵」 坂木司 ★★
 テレビ化もされた、『青空の卵』からの始まる3部作の日常系ミステリ。引きこもりの青年とその友人の、どちらが依存しているのかいないのか分からない関係が、さまざまな事件が解決されていくうちに輪が広がっていく。

「赤朽葉家の伝説」 桜庭一樹 ★
 地方の名家の興亡を、女三代の行き方を通じて描いた、ミステリ風に描かれた伝奇小説のような文芸作品。

「大誘拐」 天藤真 ★★★★
 最後の大仕事として大金持ちの老婆を誘拐しようとした3人組が逆に振り回され、国家と警察相手の大博打に引きずり込まれる話。「身代金はきりよく100億や! ビタ一文負からんで」

「ステップファザー・ステップ」 宮部みゆき ★★★
 雷に打たれた泥棒が転がり込んだのは、親に捨てられた中学生の双子だけが住む家だった……。

「ワーキング・ホリデー」 坂木司 ★★★★
 元ヤンキーにしてホストのヤマトの前に姿を現したのは、彼が存在すら知らなかった実の息子だった……。
 ちょっとおばさんっぽい小学生男子と、元ホストで今は宅配業者となった男の不器用な家族の物語。

「ダディフェイス」 伊達将範 ★★★
 インディ・ジョーンズかハムナプトラかというトレジャーハント・ストーリーにラブコメを載せてしまい、そこに年の差が9歳といういびつな親子関係をぶちこんだもの。メデューサ編で大長編化して大風呂敷を広げたあげくシリーズ途絶。読者は悶絶。

「信長新記」 佐藤大輔 ★★★★
 織田信長が本能寺の変で死ななかったら……というIFものの先駆けにして金字塔。何度も何度も出版社を代えながら再版されるものの、これまた関ヶ原の戦いのクライマックスにてシリーズ中断。読者は悶絶。

「マージナル・オペレーション」 芝村裕吏 ★★★★
 仕事を探していて傭兵になってしまったニート青年が、ひょんなことから面倒を見ることになってしまった少年少女を引きつれ、世界各地で傭兵稼業をしていく。子供に戦争なんてさせたくないけれど、それが現状でいちばんマシな「生きるための仕事」なんです。

「凶鳥」 佐藤大輔 ★★★
 起死回生の秘密兵器を求めて、撃墜したUFOの回収部隊を送り込んだナチスドイツが、ゾンビと戦うことになる話。映像化したらB級ホラー戦争映画の決定版になりそうな予感。

「エンダーのゲーム」 オースン・スコット・カード ★★★
 蜂型の異星人との戦いが続く時代。軍の教育施設に集められた幼い子供たちが、厳しい訓練とシミュレーション・ゲームの繰り返しの中から世界の未来を見いだす話。

「ガンパレード・マーチ」 榊良介 ★★★
 幻獣と呼ばれる謎の敵との戦いに世界中が巻き込まれ、人類の勢力圏がわずかなものとなっている時代。極東の端にまで追い詰められた人類は、高校生を速成教育で前線に投入して時間稼ぎをする間に、軍の再編を試みているのだが……。

「遙かなる星」 佐藤大輔 ★★★★
 キューバ危機から核戦争へと突入。米ソが荒廃してしまった中、かろうじて沖縄以外の被害を最小限にとどめることができた日本は、生存本能の赴くままに宇宙をめざした。宇宙は無限の可能性を秘めた開拓地ではなく、滅亡からのシェルターに過ぎない。かくして土木工事を進めるかのごとく、宇宙開発が推進されるのだが……。

「反逆者の月」 ディヴィッド・ウェーバー ★
 月は巨大な宇宙船でした。遥か太古に銀河帝国の宇宙戦艦で反乱が起こり、今でも地上では地球人に紛れ込んだ異星人の反乱軍と船員の子孫たちが争い続けていたのです……。

「女子高生=山本五十六」 志真元 ★★★★
 太平洋戦争を再現した巨大MMORPGが完成。授業の単位としても認められるということで学生もぞろぞろ参加。そんな中、日本陣営のリーダー的存在である山本五十六の中の人としてスカウトされたのは、女子高生だった……。

「A君(17)の戦争」  豪屋大介 ★★★★
 いじめられっ子のA君は異世界に召喚されてしまい、なぜか魔族の軍を率いて人間の侵略に立ち向かえといわれてしまう。いつも逆境に追い詰められると窮鼠猫を噛むとなるのがA君なのだが……。

「彩雲国物語」 雪乃紗衣 ★★★
 彩雲国初の女性官吏となった秀麗の半生を描いた、大河ファンタジー官僚小説。おちゃらかなドタバタコメディとかロマンス小説のふりをしているけれど欺されてはいけない。最後の大団円までじっと我慢の大長編。

「翼の帰る処」 妹尾ゆふ子 ★★★
 病弱で早く隠居したいと願う青年官吏が、なぜか本人の意に反して立身出世を続けるはめとなり、それに合わせて仕事の内容も量も激化していつも死にかけという大河ファンタジー小説。

「ダブルスター」 R・A・ハインライン ★★★★
 次の太陽系政府選挙の結果次第では戦争も始まるという情勢下で、最有力の首相候補が誘拐されてしまう。当座の替え玉として抜擢されたのは、売れない役者のロレンゾだったが……。

「戦士志願」 ロイス・マクマスター・ビジョルド ★★★★★
 帝国宰相の世継ながら戦士としては失格の烙印を押された少年が、傷心の旅行で次から次にトラブルに巻き込まれ、解決しようとするたびに話が大きくなっていき、ついには宇宙戦争に介入するはめに……。

「地球への追放者」 K・H・シェール ★★★★★
 違法実験の罪で辺境の未開惑星に追放された科学者にして宇宙艦隊の提督が、その未開惑星<地球>に潜入している異星人の陰謀に気づくという、スパイアクション風SF。原子力戦闘機とかバンバン飛んでいるところに時代を感じます。

「太陽の簒奪者」 野尻抱介 ★★
 女子高生が観測した天体現象は、異星文明による太陽簒奪計画の発端だった……という、清く正しいSFで、がちがちの理系ヒロインが活躍する話。

「首都消失」 小松左京 ★★★★
 東京一円がいきなりドーム状の霧に覆われて連絡が途絶し、それによって生じた政治・経済・軍事的トラブルに残された人々が立ち向かう。
 ラーゼフォンの東京ジュピターがそのまんま。政治・経済・軍事がメインなので、SFなのに科学的分析とか解決は二の次というのが特色。

「テクニカラー・タイムマシン」 ハリィ・ハリスン ★★★★★
 タイムマシンを発明したから、過去の世界で映画を作ろう!という、セットを組むよりタイムマシンの開発に投資した方が安かった……という馬鹿話だけれど、タイムトラベルの基本は押さえたドタバタSF。地引き網で引き揚げた三葉虫でバーベキューパーティとか愉しそう。

「中継ステーション」 クリフォード・D・シマック ★★★★
 アメリカの田舎に世捨て人のように暮らしている男は、実は銀河文明が星々の間を行き来するために使用している転送システムの中継ステーションの管理人であったが、いつまでも歳をとらない男に米国政府が気づき……。

「海底牧場」 アーサー・C・クラーク ★★★★
 広場恐怖症で働けなくなった宇宙飛行士が、海底牧場でクジラの世話をしながら再起する。

「この胸いっぱいの愛を」 梶尾真治 ★★
 航空機事故で過去の世界に飛ばされた人々の運命を描いた梶尾真治の短編「鈴谷樹里の軌跡」を映画化し、その映画をもとに長編小説化したもの。リリカルで時代を超えた恋愛小説。

「天のさだめを誰が知る」 D・R・ベンセン ★★★
 宇宙船のトラブルから第一次大戦前夜の地球に遭難した異星人たちの地球体験記。ファーストコンタクト&仮想歴史もの。

「忠誠の誓い」 ラリイ・ニーヴン&ジェリー・パーネル ★★★★
 単独で都市に匹敵する人口と機能を備えた巨大居住施設のスタッフが周囲との軋轢の中から妥協点を模索していく。

「星のダンスを見においで」 笹本祐一 ★★★★★
 荒唐無稽なスペオペ時代の宇宙海賊話を正しく受け継ぎ、それに現代のハードなメカニックや艦隊戦闘の描写を組み込んだ傑作。

「時の果てのフェブラリー」 山本弘 ★★★
 時空間に異常が発生し、外界と切り離されてしまった特異空間に挑む調査隊には、1人の幼い少女が加わっていた……。

「未来の二つの顔」 J・P・ホーガン ★★★★★
 世界規模のインフラ管理を巨大コンピューターに任せてしまって大丈夫か? それを確認するため、スペースコロニー1つ丸ごと使用した実験が開始されたが、それはいつしか人間と人工知能の戦争となっていた。

「アンドロメダ病原体」 マイクル・クライトン ★★★★★
 墜落した人工衛星から未知の細菌が拡散し、1つの街の住人がたった2人を残して全滅した。乳飲み子とアル中の老人。その共通点は何か? ワイルドファイア計画が動き出した……。

「星を継ぐもの」 ジェイムズ・P・ホーガン ★★★★
 月面の洞窟から発見された死体は、有史以前の人間のものだと判明。彼は人間なのか。どこから来たのか。科学者たちが、その死の謎に挑む。

「竜の卵」 ロバート・L・フォワード ★★★
 人類が初めて接触した知的生命は、高重力の中性子星上に誕生していた。調査船が地表を観測するために発したビームが彼らに与えた影響とは……。

「ドリームパーク」 ニーヴン&バーンズ ★★★★★
 ホログラフィと役者が用意された大がかりなセットでは、今、南洋の宝探しゲーム、ライブRPGが始まろうとしていた。だが、その舞台裏では警備員が殺され、貴重な薬品が盗まれていた。犯人はRPG参加者の中にいる。
 だが、ゲームは世界に中継され、その収益は会社に膨大な利益をもたらすため中止はできない。

「竜の歌い手」 アン・マキャフリー ★★★★★
 移民先でトラブルに合って銀河文明から取り残された人々が、巨大な竜と竜騎士が惑星外から降り注ぐ糸胞の侵蝕と戦う大河小説の外伝的シリーズ。才能がありながら周囲に認められず阻害されてきた少女が、竪琴師の長に見いだされ才能を開花させていく中で居場所を見つける物語。

「サターン・デッドヒート」 グラント・キャリン ★★★★
 太古に異星人が残したと思しき遺産争奪戦に駆り出されることになった考古学教授の冒険譚。平凡な学者が稀代の冒険家へと豹変していくプロセスを楽しみます。

「クジラのソラ」 瀬尾つかさ ★★
 銀河文明からオーバーテクノロジーを与えられる代償は、コンピュータを使った宇宙艦隊戦ゲームの勝者を星の世界に送り出すこと。
 今、今回のゲームに参加するため、世界中から強豪チームが集結する。

「南極点のピアピア動画」 野尻抱介 ★★
 バーチャルアイドルとニコニコ動画によって生まれたのは星の世界への道。世界中どこにでも、民間だろうと公的機関だろうとVOCALOID“初音ミク”……ではなく、小隅レイの信奉者はいるのだ。

「虚船」 松浦秀昭 ★★
 宇宙人の侵略から江戸の民を守る、空奉行の戦い。隠密同心+謎の円盤UFO。

「星虫年代記」 岩本隆雄 ★★★
 世界中に降りそそいだ流星雨とともに出現した星虫と呼ばれる生き物は、人々の額にぴたりと張りつくと宿主の知覚能力を飛躍的に上昇させたのだが……。

「神の目の小さな塵」 ラリー・ニーブン&ジェリー・パーネル ★★★
 人類の版図の外側から進入してきた謎の宇宙船の臨検に赴いた帝国戦艦<マッカーサー>は、その中から異星人の死体を発見する……。

「大宇宙の墓場~太陽の女王号」 アンドレ・ノートン ★★★
 交易船に配属された若き船乗りの冒険。

「コンラッド消耗部隊」 リチャード・エイヴァリー ★★★★★
 宇宙移民の最前線に投入される、高い能力を持ちながら使い捨てにされるのが前提の調査チームの冒険譚。

「サマーウォーズ」 岩井恭平 ★★★
 映画の隙間を丁寧に埋めつつ再構成。

「海竜めざめる」 ジョン・ウィンダム ★★★
 海底よりの侵略者は海月のような海底戦車で沿岸の寒村を蹂躙していくが、その魔の手は間もなく世界全土へと伸びていく。極地の氷が突如として溶け始め、海面が上昇を始めたのだ……。

「群青神殿」 小川一水 ★★★
 原因不明の海難事故が続き、やがて世界中の海運が停止状態に陥ってしまう……。

「青い世界の怪物」 マレイ・ラインスター ★★★★
 あの漁船だけ豊漁が続くのは何故なのか? その秘密を探ろうとレーダー装置の人気がうなぎ登りになるが、それはフィリピン近海に潜む虚空からの侵略の発端に過ぎなかった……。

「物理の先生にあやまれっ!」 朝倉サクヤ ★★★★
 世界各国に出現した巨大ロボットがバトルロイヤルを繰り広げるはずが、なぜか主人公ハーレムになってしまう話。

「超妹大戦シスマゲドン」 古橋秀之 ★★
 世界各国から集まった兄・姉が妹をコントローラーで操縦して戦わせるというバカ話。バカが一周して石川賢のゲッターロボみたいな宇宙大戦になってしまうのには言葉もなく。

「宇宙をかける少女」 瀬尾つかさ ★
 アニメのノベライズだけれど原作を超えてます。
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私的年間ベスト2012

2012-12-31 | ランキング・カテゴリー
 今年も今夜で終わりです。
 いろいろ体調管理に気をつけつつも仕事が忙しく、思うように本が読めなくてかなり溜めてしまいました。余裕が無くて、分厚い本、緻密な情景描写や登場人物の心理描写がねちっこいまでに書き込まれた本も読めなくなりました。
 それでも1日1冊ペースは維持してますが、ライトノベル系が増えましたね。

『豚は飛んでもただの豚』 涼木行
 昨年12月に刊行され、手に入れたのは年が変わってからなので、こちらでカウント。
 元不良のボクサー志望の純情高校生と、美人三姉妹が繰り広げる青春ストーリー。
 姉妹の幼なじみのデブ男が出番少ないながらも印象的。タイトルも彼が「飛べねえ豚はただの豚だ」の言葉に発憤して努力したことから。出番が多いと主人公を食うこと確実。 


『俺はまだ恋に落ちていない』 高木幸一
 友人からの紹介で、彼の2人の妹とつきあうことになった高校生の戸惑いと決意の物語。まっとうな青春小説。全4巻。
 『豚は飛んでもただの豚』と同じ方向性の作品。大きな事件はないけれど、登場人物を絞り、人間関係をしっかり語っているから面白い話になってます。これもまた良し。


『魔法科高校の劣等生』 佐島勤
 20世紀末に超能力の存在が社会に認められ、その制御技能として魔法が世の表舞台に登場し、その魔法を効率よく使うために科学技術が使われるようになって100余年。
 魔法科高校に主席合格した妹と劣等生であるはずの兄が(顕してはいけない)頭角を現していく学園活劇。2011年夏スタート。専門用語の説明も多いので、ハードSFは理解できないしする気もないとか、スポーツものはルールがわからないし覚える気もないから読まない……というような人にはお薦めできません。細かい用語もしっかり頭に入るとか、逆にわからないところはとりあえずスルーできると面白いと思います(私は後者)。


『侵略教師星人ユーマ』 エドワード・スミス
 人類と意思疎通する気配の全くない、宇宙人の宇宙船が地球に居座って10年。そんな宇宙人に喧嘩を売る国語教師がやってきた。彼、ユーマは海に鎮座する宇宙船に向かって叫ぶ。「俺が侵略する星に手を出すな」と。
 自称・侵略宇宙人の変人だが教師としては優秀で、生徒や同僚たちからの信頼も厚い男とその美少年な弟を取り巻く人々の物語。
 平凡な日常から始まる、熱血学園青春侵略小説。


『マージナル・オペレーション』 芝村裕吏
 働こうと思ったら、いつの間にか戦場でオペレーターとして年端もいかない少年少女の兵士たちの生殺与奪に責任を持つことになってしまっていたニート青年の物語。
 今年は、交通事故で箱だけの身体になってしまった少女と医師のラブストーリー『キュビズム・ラブ』や電脳空間での祖国防衛戦『この空のまもり』など芝村作品が豊作の年でした。


『憑き物おとします ~死者たちが騒ぐので』 佐々木禎子
 幽霊の存在が普通に認知された社会で、保険会社にむりやり就職させられ、迷惑な幽霊を成仏させる仕事を引き受けるはめになったロック・ミュージシャンと、彼のゴスロリ守護天使、天然な死神たちによる除霊譚。


『銀のプロゲーマー』 岡崎裕信
 賞金付きゲームがあたりまえになった世界で、プロゲーマー養成のエリート校に合格してしまった、マインスイーパーだけが取り柄の高校生の学園バトル小説。
 ゲームを楽しむ高校生の物語は増えてきたけれど、この熱さはその中でも上位クラスだと思いました。


『アルカナオンライン』 猿野十三
 仮想現実体験型のMMORPGの世界に妹ともども取り込まれた青年が、ゲーマー初心者なので開き直り、クエスト攻略を無視してひたすら海で泳いで魚と戦い続けていくうちに、すっかり世の中の流れとズレてしまい……。
 最近目立って多い、ゲームの仮想現実世界から帰還できなくなるケースの物語。主人公のやっていることはズレているんだけれど、単なる悪ふざけとか自暴自棄とかではなく、本人はあくまで真摯で真面目だから面白いんだよね。


『宇宙軍士官学校』 鷹見一幸
 銀河文明から与えられた技術によって世界が統一され、繁栄の時代を迎えた地球。技術供与の見返りに、そろそろ宇宙戦争に人を出してもいいなんじゃないかな?という宇宙人たちのタンスターフルを断れなかった地球人は、あらたに士官学校を設立。そこで教官を勤めるべく送り込まれた候補生たちの物語。


『友達からお願いします。』 清水マリコ
 小学校時代のトラブルから目立たず地味に生きていくことを選択した少年が、生真面目でまっすぐなクラスメイトの美少女と行動をともにすることになり、その自分と正反対の生き方に興味を引かれるのだけれど、その少しズレた行動に翻弄される話。


 2009年に書籍化が始まった『ソードアート・オンライン』のテレビアニメ化、『ゲート』のコミック刊行など、今年は全体的にMMORPGというかバーチャル・オンラインゲームの世界を舞台にしたファンタジー小説が多角展開で隆盛の年。正統派の『ログ・ホライズン』が巻を重ねる一方で、『オーバーロード』や『アルカナオンライン』、『勇者互助組合交流型掲示板』のような変化球もばんばん登場しています。
 シリーズ新作が着々と刊行されて『犬とハサミは使いよう』や『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』も好調。『化物語』もアニメ化が続き、新作『憑物語』が登場しましたが、こちらは『猫物語』『傷物語』までで読むのをやめといた方がすっきりして良かったかもしれないと思っているところ。読みますけどね。

 皆さん、良いお年を。
 そして来年も面白い本に巡り会えますように。
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★バーチャルリアリティー(仮想現実世界に封印されて)

2012-09-03 | ランキング・カテゴリー
 現実世界の主人公が物語の世界に入り込んでしまって冒険する……っていうのはファンタジーのパターンの1つで、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」(1979)、少女マンガだと渡瀬悠宇の「ふしぎ遊戯」(1992)、最近の児童文学だとメアリー・ポープ・オズボーンの「マジック・ツリーハウス」(1992)とか。
 それが欧米におけるテーブルトークRPGの普及やコンピュータRPG、そしてMMORPGの出現によって、不特定多数の人間が架空世界を共有するタイプの物語が生まれてきましたが、つまるところ「往きて帰りし物語」の電脳バージョンにすぎません。新しそうに見えて、サイコスリラーや仮想戦記に振れたりしていても、実はファンタジー王道パターン。
 そんな物語の系譜を少し拾ってみました。また「VR-(仮想現実体験型)MMORPG(多人数同時参加型オンラインRPG)」というのも長すぎるので「VRMMO」としておきますし、年は原書・ウェブ版の発表開始時期です。

1954 
・『指輪物語』刊行開始。

1966
・ディックの短編『追憶売ります』発表。仮想体験で火星旅行の記憶を買った男の物語。

1973
・ライブRPG的な、西部劇や騎士の時代を体験できる遊園地でロボットの叛乱が起きる映画『ウエストワールド』公開。

1974 
・世界初のテーブルトークRPG『ダンジョン&ドラゴンズ』発売。

1976 
・アップルコンピュータ設立。

1977
・トリップムービーで望み通りの夢を見ようとしたことから事件が始まる、寺沢武一の『コブラ』開幕。 
・テレビドラマ『ファンタジーアイランド』放送開始。プレイヤーの希望に沿った物語を用意し体験させる不思議な島の冒険。

1980 
・コンピュータRPG『ウルティマ』発表。

1981 
・コンピュータRPG『ウィザードリィ』発売。
・ライブRPGの運営が目的の巨大テーマパークを舞台にした『ドリームパーク』刊行。

1982 
・映画『トロン』公開。物質転送機によってネットワークの世界に入り込む物語。プログラムの擬人化が特色。

1983 
・テーブルトークRPGの世界にプレイヤーが転移して帰還困難になる『眠れる龍』刊行。

1984
・電脳都市チバを舞台に電脳空間でのハッカーの冒険を描いた、ウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』刊行。サイバーパンクの原点。

1987
・『スタートレックTNG』にて仮想現実を体験するレクリエーション施設ホロデッキが登場。しばしば暴走。

1989 
・VRアドベンチャーゲームをテーマにしたSFミステリー『クラインの壷』刊行。
・電脳内部の仮想現実空間をメジャーにしたコミック『攻殻機動隊』の発表開始。
・仮想現実空間ではないにもかかわらず、キャラクターの経験値が冒険者カードによってレベル管理される深沢美潮の『フォーチュン・クエスト』。

1990
・『追憶売ります』を映画化した『トータル・リコール』公開。記憶を売る娯楽ビジネスから始まる物語。話全体が現実か夢か不明。

1992 
・サイバーワールドで冒険するアメコミ『ハーシュ・レルム』(フドナール&パケット)刊行。

1993
・NHKアニメ『恐竜惑星』放送。VR技術を応用して恐竜世界での冒険を繰り広げるが、そこは仮想現実ではなく別次元の世界だった。

1994 
256人同時プレイのVRMMOの世界から帰還不可能となる『クリス・クロス』刊行。
・NHKアニメ『ジーンダイバー』放送。VR技術を応用して恐竜絶滅の謎を解き明かしたり、人類の進化の歴史を守ったり。

1997
・NHKアニメ『救命戦士ナノセイバー』放送。VR技術とナノテクを応用してミクロ世界で患者の治療に挑む。

1999
・PSゲーム『デジモンワールド』発売。
・映画『マトリックス』公開。仮想現実空間を支配する人工知能と戦う。  
・『ハーシュ・レルム』がテレビドラマ化。米軍が構築した仮想現実空間を支配する男を殺すために送り込まれた兵士の物語になり、仮想現実世界の死はリアルでも死に。

2001
・映画『アヴァロン』公開。VRMMOの世界での戦争を語る押井守版『ウィザードリィ』。

2002 
バンダイナムコがVRMMOの世界を舞台にした『.hack』をメジャーミックスで展開。
VRMMOの世界から帰還不可能となる『ソードアート・オンライン』発表開始。

2005 
・夢の中でVRMMOのような世界に転移しては冒険する『シフト~世界はクリアを待っている』刊行。ゲーム内で死ぬと二度とゲームに復帰できない。

2006
・TVアニメ『ゼーガペイン』放送。人類が仮想空間でしか生きられなくなっている世界での戦い。

2007
・現実世界にそのままVRMMOの世界が重ねて表示されるNHKアニメ『電脳コイル』放送。

2008 
・教育カリキュラムの一貫としてVRMMOの世界で戦争体験することになる『女子高生=山本五十六』刊行。

2009 
・自在にVRMMOの世界に転移しては勢力争いを繰り広げる『アクセル・ワールド』刊行。ゲーム内で死ぬと二度とゲームに復帰できない。
・アニメ映画『サマーウォーズ』公開。

2010 
MMOそのままの世界へ転移して帰還不可能となる「ログ・ホライズン」発表。

2011
VRMMOの世界から帰還不可能となる「アルカナ・オンライン」刊行。

2012 
VRMMOの世界から帰還不可能となる「スカイ・ワールド」刊行。

 多くはないけれどバーチャルリアリティ(仮想現実)空間を舞台にした作品は定期的に存在しています。でも、物語世界に入り込む話と定義すると一気に増えますが、仮想現実空間から戻れなくなり、その世界での死は現実での死……とまで限定すると数本になります。
 その全体的な特徴というかよく使われるテーマとしては、まず何が現実で何が仮想か虚実がひっくり返るかもしれない「胡蝶の夢」の思想。「クリス・クロス」も「クラインの壺」もタイトルの意味としては「胡蝶の夢」と同じです。どちらが現実かあやふやとなるのが1つのテーマです。
 その延長でゲーム内での死が現実世界での死または意識不明となって現れたりします。
 次に、仮想現実と言うことで、現実世界では四肢が不自由だったり精神的に追い詰められているプレイヤーが仮想空間で自由な肉体と精神を手に入れたとき、虚実どちらの世界を選ぶのかという命題。『ドリーム・パーク』でもゲームは精神療法の一環として活用されていました。
 そして、架空世界に存在しているモンスターや怪物は生きているのかいないのかということ。もしプレイヤーのキャラクターがその仮想現実空間で本当に生きていると感じられるのだとしたら、自分たち以外の怪物やNPCだって生きていると考えちゃいけないのか、考えないといけないのではないか、自分たちの都合の良いように動かせると考えてはいけないのではないかというテーマです。
 面白い話は、このあたりはきちんと押さえてますね。

 リスト化しながら、なにか忘れているような?と懸命に思い出し確認しては「ゲームのプレイ内容をさも現実であるかのように描写しているだけで、仮想現実空間の話じゃないや」とかまとめてます。
 漏れがあればご指摘よろしくお願いします。
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★学園祭

2012-09-01 | ランキング・カテゴリー
 学園祭とは、楽しかった学生生活の象徴であり、学生がその全力を注ぎ込める一大イベント。
 そこで学園祭がメインの舞台となる作品を並べてみました。文化祭と体育祭のどちらでも良いけれど、できれば1冊の最初から最後までが準備期間から後夜祭くらいまでの期間であること。でも、単に学園祭から物語が始まるとか、みんなで学園祭にも参加してみた……くらいのものは含みません。 

『“花散里”~ヒカルが地球にいたころ……(8)』 野村美月
 文化祭なんて興味がないし、クラスメイトだって自分が顔を出すと嫌がるだろうとわかっているのに、なぜか委員長の推薦で是光はクラスの文化祭実行委員にされてしまう。さらに日舞研や生徒会からも役目を仰せつかっててんてこ舞いだが、差出人不明の手紙がなにをすべきか途方に暮れている是光を救う……。


『いわゆる天使の文化祭』 似鳥鶏
 文化祭の準備期間に出現した、謎の大量のラクガキ。犯人の真意はどこに?
 文化祭で悪のりがエスカレートすることが校風になってしまった学校の日常系ミステリ。普通の学園でここまでやるのか!?という限界点。


『クドリャフカの順番』 米澤穂信
 いよいよ待望の文化祭が開幕。だが、古典部の面々は思わぬ大問題に頭を抱えていた。20部印刷予定の文集「氷菓」を印刷所が200部納品してきたのだ……。
 凡人が努力に努力を積み重ねても手の届かない高みにまであっさり到達しておきながら、そんなことはたいした価値のあることじゃないと簡単に斬り捨ててしまう天才を前にした凡人はどうすべきなのでしょうか……。
 同シリーズでは、他に前日譚的な『愚者のエンドロール』も。


『オオカミさんととっても乙女な分福茶釜』 沖田雅
 模擬店で売上勝負したり美人コンテストとかあったり障害物競走で生着替えとか、ゲストキャラ総出演の文化祭絵巻。


『マリア様がみてる』 今野緒雪
 学園祭が終わるまでの慌ただしい2週間の学園を舞台に、少女たちが自分の居場所を見つけるまでの物語。内容的には舞台劇とかカレー屋さんとかいたってオーソドックス。
 同シリーズでは、その1年後の『特別でないただの一日』も。


『ハレーション・ゴースト』 笹本祐一
 寮の廊下に雪女が出現したり、クラスメイトが吸血鬼に連れ去られたり、学園祭準備期間から学園祭にかけて巻き起こる怪事件の連続。
 文化祭の企画でミニ核実験とか、怪事件が起きなくても十分に危険です。 


『ハレの日は学校を休みたい!』 陸凡鳥
 学園祭が嫌いな響川晴は「学園祭を中止しろ」という脅迫状の容疑者にされ、生徒会長タチアナの前に引き出される。潔白を証明するために、学園祭までに犯人を見つけなければいけなくなるが……。
 二段構えの犯人捜し。バカバカしくもシンプルな構成がツボ。


『12DEMONS』 御堂彰彦
 学園祭の学校から異世界へ連れ去られた12人は、それぞれの身体に埋め込まれた悪魔の部位の争奪戦を強いられるのだが……。
 楽しい学園祭とは縁がなくなってしまった話。しかし、生徒会長ならかくありたい。


『ベン・トー6~和栗おこわ弁当310円』 アサウラ
 烏田高校の文化祭。槍水先輩の年の離れた妹・茉莉花が登場し、16歳高校生と20歳超えているだろう男子がそろって、10歳の女の子の下半身を仁王立ちでガン見する話……ってまとめると最低だな! 
 同シリーズでは、他に丸富大学付属高校の文化祭での手作り弁当争奪戦を描いた『箸休め~燃えよ狼』も。


『電波女と青春男(6)』 入間人間
 1年以上前に学校をやめて、それ以来引き篭もりになっていたエリオだが、最近は少しずつ社会復帰も進み、今日はこっそり文化祭へと出かけるのだ……。
 展示発表やら物販にゲストを呼んでのステージまで、愉しいドタバタ学園祭編。でも他人には理解してもらえないかもしれないけれど、みんなそれぞれに頑張っているのだ。


『むやみに分裂!!~邪神大沼6』 川岸殴魚
 守銭奴の生徒会長が文化祭のネーミング権をスポンサーに売り飛ばしたり、露骨なタイアップ路線で私腹を肥やそうと画策し……。


『アイドライジング!3』 広沢サカキ
 戦うアイドルの学園祭。
 タキ・ユウエンからの借りを返すため、学祭期間中、モモはタキとデートするはめに。
 学園祭自体はごく普通のお嬢さま学校の文化祭でした。


『あそびにいくヨ!5』 神野オキナ
 地球の各国政府との外交チャンネルを開こうとする騎央たちだが、素人ゆえにまったく進展していいかない。だが、騎央たちの高校の学園祭にキャーティア人が参加するらしいということが伝わるや、マスコミはもとより世界各国からスパイや非合法工作員が群がり……。


『悪魔のミカタ666~スコルピオン・デスロック』 うえお久光
 悪魔のアイテムの影響が日炉理坂高校全体に広がってしまい、生徒たちのみなぎる気合いは自らの肉体を勝つための身体へ変貌させていくが、もはや教師や観客も異常を異常と認識することはなく、体育祭はどんどん進んでいくのだった……。


『彼女がフラグをおられたら~こんな女子ばかりの体育祭に出られるか、僕は二人三脚に出させてもらう』 竹井10日
 今年の体育祭は1週間ぶっ通し。通学電車内でのパン食い競争から7日間駅伝やら奇妙な試合がてんこ盛り。クエスト寮の面々は寮廃止を阻止するため、弓道娘やロボ少女の助っ人を迎えながら挑むのだが……。


 個人的には超常現象とかお金持ちがいるからというものではなく、普通にありそうだけれど、現実にはちょっとないかなあというあたりが好きです。紙幅は多くないけれど『いわゆる天使の文化祭』くらい。
 あのどこにでもありそうな学園祭が、年ごとにエスカレートしていくバカバカしさが好きです。
 現実には、こういう学園祭企画が世代を超えて次の年に引き継がれていくというのは難しく、カリキュラムの時間割編成の都合で文化祭や体育祭の日程はどこもかしこも短くなっていくのが流れのような気がします。自分が学生の頃は、期間が週末を絡めて2日かや3日は普通にあったものが、今は平日1日のみで、どう考えても他校生に来て欲しくない感がありありの学校ばかり。
 まだ小学校の方がにぎやかかなあ。

 地元の地区行事を観ていて思うのは、みんな大人になっても文化祭とか体育祭とか学園祭っぽいものが大好きだよな!ということ。地区の住人の交流を深めて防犯や防災に備えようとかお題目を唱えていても、結局みんな「お祭り」が好きなんですよ。
 そりゃあ、全部が全部そうではないし、ぼくもどちらかといえば面倒くさいのはキライ。でも、がんばる人は頑張るし、そうなると大人のコネとツテと技術と財力は児童・学生とは桁違いだからなあ……。
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★戦うメイドさんの系譜

2012-07-11 | ランキング・カテゴリー
 「戦うヒロイン」の派生ではあるし、その者たちをメードでも小間使でもお手伝いさんでも、なんと呼んでもいいけれど、いったいいつから女性使用人は戦う存在になってしまったのでしょう。
 もともとお金持ちや王侯貴族の召使は数も多く、分業されているのが常。一方、そこまでお金のないそこそこ裕福な人たちの雇う召使は、少人数で何でもやらされるのがあたりまえ。ただ、その「なんでもできる使用人」の“なんでも”に、家事一切合切から大企業の秘書的役割から戦闘まで含まれるようになってしまったのはいつからなのでしょうか。

 老舗の若旦那と先代から使えている番頭では、番頭の方が商売が巧いとか人望があるというのはよくある話ですし、いろいろな物語で、主人より使用人の方が冷静だとか有能だとかはよくある話です。
 『ドン・キホーテ』のサンチョ・パンサのようにヒーロー気分の主人に対して冷静なツッコミ・フォロー役はいましたし、『三銃士』などでも銃士の従者が戦闘でもそれなりに助手を務める姿はありました。
 ただ、最近は十徳ナイフじゃあるまいし、万能執事/万能ねえやの出番が増えてきました。そこまでオールマイティに優秀なら自分が主人になれよ!と思わないでもありません……。

★万能ねえやの系譜

1972
「家族八景」 筒井康隆
 住み込みのお手伝いさんはテレパス。

1975
「超少女明日香」 和田慎二
 スーパーお手伝いさんは自然の敵と戦う超能力者。

1991
「スレイヤーズすぺしゃる」 神坂一
 ウェイトレスの故郷の姉ちゃんは、上級魔族くらいなら笑いながらド突き回す。絵的には明日香の系統。

1993
※メイド姿のヒロインが戦うパソコンゲーム『ヴァリアブル・ジオ』発売。

1998
「サライ」 柴田昌弘
 メイド協会の護衛メイドは文明が崩壊した世界を再建すべく戦う。

2000
「薬師寺涼子の怪奇事件簿~巴里・妖都変」 田中芳樹
 薬師寺家のメイドは銃撃戦でも電子戦でも対応可能。

2001
※メイド喫茶「キュアメイドカフェ」オープン。

2002
「ブラック・ラグーン Rasta Blasta」 広江礼威
 メイド長は殺戮マシーン。

「まぶらほ~メイドの巻」 築地俊彦
 メイドさんはハウスキーピングから白兵戦闘・戦車戦まで万能。

※森薫のコミック『エマ』がヒット。

2004
「あそびにいくヨ!2」 神野オキナ
 お嬢さまを守るメイドたちは百戦錬磨の戦闘のプロ。

「お・り・が・み」 林トモアキ
 メイドさんは魔王だったり改造人間だったりのフルバトルメイド。

2004
「救出ミッション、始動!」 マイク・シェパード
 メイドさんはニードルガンやプロテクトアーマーまで用意している。(邦訳は2011)

2006
「メイド刑事」 早見裕司
 住み込みメイドの正体は潜入捜査のメイド刑事。

2007
「血闘絶対国防圏」 吉田親司
 その天体観測船のような仮装巡洋艦は乗員の99%がメイドだった。

2010
「ごくペン!(2)」 三原みつき
 傭兵あがりの金髪メイド・エリザベス登場。

「十三番目のアリス(2)」 伏見つかさ
 大食いのドジっこメイドは殺戮人形だった。

「竜と勇者と可愛げのない私」 志村一矢
 勇者のパーティーは、勇者+魔術師+メイド。

「A=宇宙少女2×魂の速度」 日野一二三
 地上最強のメイド。

2011
「旅する少女と灼熱の国」 藤原征矢
 やたら強いメイドさんが場違いな内戦の熱帯を旅する。

「白翼のリンケージ」 赤井紅介
 暴力メイド喫茶のメイドさんたちは異形の者と戦うのが本当の仕事。

「不完全神性機関イリス」 細音啓
 拾ってきたダメ家政婦アンドロイドは軍の最終兵器だった。

「キャットテイル・アウトプット!2」 神野オキナ
 メイドさんは無敵。


★万能執事……というかセバスチャンの系譜
1974
 アニメ「アルプスの少女ハイジ」が大ヒット。フランクフルトのゼーゼマン家の描写を通じて日本の庶民にヨーロッパのお金持ちの生活はこういうものだと知らしめた。まだ馴染みのない世界ゆえ、家政婦長のロッテンマイヤーが「執事」と呼ばれたが、男性使用人の筆頭がセバスチャン。以後、セバスチャンが男性使用人の代名詞となるが、善良ではあるが決して有能ではない。

1978
 アニメ「無敵鋼人ダイターン3」に登場する執事ギャリソン時田は、常に正装で沈着冷静でありながら、午後のお茶の用意からメカの整備、戦闘までなんなくこなす。以後の万能執事すべてのアーキテクチャとなる。

1997
 パソコンゲーム「To Heart」にて、 来栖川家の執事としてセバスチャン登場。本名は長瀬だがセバスチャンと呼ばれ、格闘技に秀で、主人公を一喝するインパクトの大きなサブキャラである。

2002
 コミック「戦う!セバスチャン」刊行開始。デーデマン家の執事セバスチャンはフラン◯フルト最強。

2006
 コミック『黒執事』の主役は悪魔で執事のセバスチャン。

 日本の一般的な人々が普通に海外旅行へ行けるようになったのは、やっと1970年代。それも一念発起の新婚旅行でハワイへというレベルで、気軽にほいほいと行けるようになったのは1980年代後半の円高以降。
 国民的アニメとなったハイジの影響は大きいと思うなあ……。
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★異能学園

2012-03-22 | ランキング・カテゴリー
 学校の生徒の中に超能力者がいた……という話は平井和正の『超革命的中学生集団』とか笹本裕一の『妖精作戦』とか以前からあるけれど、学校そのものが魔法使いや超能力者の養成をするのが目的という話は、いつから幾つくらいあるのだろう?と思いつつ、とりあえず目につくところからピックアップしてみました。
 さらに加えて士官学校や忍者学校ものも加えて異能学園ものとしてみました。

【1982】
『忍者マン一平』 河合一慶(100てんコミック)
 忍者の里の小学校に通う少年忍者が主人公のギャグ漫画。

【1986】
『落第忍者乱太郎』 尼子騒兵衛(あさひコミックス)
 忍者学園に通う少年忍者が主人公のギャグ漫画。

【1987】
『ワーストウィッチ』 ジル・マーフィー(評論社)
 イギリスの児童文学。カックル魔女学校の問題児の物語。

【1992】
『赤ずきんチャチャ』 彩花みん(りぼんマスコットコミックス)
 魔法の国のうらら学園を舞台にした学園ギャグ。

【1994】
『英雄志願』(マイクロキャビン)
 英雄を目指して冒険する、冒険者養成学校の生徒である3人の少女とお目付役の小妖精のファンタジーRPG。卒業実習がメインなので学園パートはほとんどない。ログアウト冒険文庫よりノベライズ版も刊行された。

【1996】
『エーベルージュ』(富士通パレックス)
 コンピュータRPG。魔法学園トリフェルズ校での学園生活をおくる中で、惑星管理用バイオコンピュータの復活をめざす恋愛ゲーム。

【1997】
『HEART OF MAGIC~君を信じたい!』(ホビーデータ)
 魔法学園物PBM。東京都多魔区は、キングダムと呼ばれるさまざまな異世界からやってきた魔法使いが普通の区民と一緒に暮らして学校に通っている。派生作品として角川ミニ文庫より小説『Heart of MAGIC メランコリック・オペレーション』東風円著。

【1998】
『退魔庁付属機関高等専門学校・大和武尊』(コスモエンジニアリング)
 異能学園物PBM。次第に力を強めていく妖魔に対抗するための退魔官を養成する学校の物語。士郎正宗のイメージイラストが印象的。

【1999】
『E.G.コンバット』 秋山瑞人(電撃文庫)
 双脚砲台のパイロットを養成する月面訓練基地に、教師として派遣された歴戦の勇者の奮闘記。

『ハリー・ポッターと賢者の石』 J.K.ローリング(静山社)
 魔法使いの学校に入学した少年の成長譚。

※『E.G.コンバット』は5月刊行。ハリポタは前評判はそこそこあったものの刊行は12月。

【2000】
『高機動幻想ガンパレード・マーチ』(アルファシステム)
 正体不明の敵と戦うため、学徒動員した学生を戦車兵等に訓練し、実戦投入する学園の物語。PSゲーム。

【2001】
『まぶらほ』 築地俊彦(富士見ファンタジア文庫)
 エリート魔術師養成学校の落ちこぼれ少年が、名家につながる血統であることから子種を欲しがる天才魔法少女たちが群がってくる話。

※『まぶらほ』の雑誌連載開始は2000年8月号から。

【2003】
『ハイブリッド学園』 織田兄第(MF文庫J)
 入学した学校は、正義の味方の養成校だった。

『まじしゃんず・あかでみい』 榊一郎(ファミ通文庫)
 魔法使いの養成機関<学園>(マジシャンズ・アカデミイ)の生徒が、一国を一夜で滅ぼせる力を持つという神魔少女を召喚してしまったことから始まる物語。

『風水学園』 夏緑(MF文庫J)
 風水師養成学校の物語。

【2004】
『アシャワンの乙女たち』 牧野修(ソノラマ文庫)
 絶対悪と戦う光の戦士を養成する女子校の物語。超人バロム1のパロディ。

『ゼロの使い魔』 ヤマグチノボル(MF文庫J)
 異世界の魔法使いに召喚され、使い魔として魔法学院で生活することになった平凡な高校生の物語。

【2005】
『アルテミス・スコードロン』 扇智史(ファミ通文庫)
 女性士官養成学校で機動装甲の訓練に励む少女たちの青春学園ストーリー。

『舞-乙HiME』 サンライズ(テレビ東京ほか)
 戦術核兵器並の能力を持つ「乙HiME」を養成する女子校の物語。サンライズが中心となって展開しているメディアミックス作品の第2弾。

【2007】
『竜と箒とひかりの彼方』 富永浩史(ファミ通文庫)
 魔法より科学が優位に立っている世界での、陸軍魔法士官学校の物語。
 
【2009】
『クロノ×セクス×コンプレックス』 壁井ユカコ(電撃文庫)
 異世界に紛れ込んでしまった少年が、少女の身体になってしまって魔法使い養成学校に入学する物語。

『白夢(スノーミスト)』 瀬尾つかさ(富士見ファンタジア文庫)
 霧の中から出現する正体不明の敵と戦える戦士を養成する学園の物語。

【2010】
『シンクロニシティ・ゼロ』 一の倉裕一(HJ文庫)
 正体不明の敵と戦うための特殊兵装を着用できる騎士生徒を養成、実戦投入する学園の物語。

【2011】
『百合×薔薇』 伊藤ヒロ(集英社スーパーダッシュ文庫)
 『花使い』と呼ばれる特殊な能力をもつ少女たちのための女学院に入学した女装男子の物語。

『物理の先生にあやまれっ!』 朝倉サクヤ(集英社スーパーダッシュ文庫)
 世界各地に忽然と現れた巨大ゴーレムを操縦するパイロットを養成するため、世界中から集められた高校生たちの物語。

『魔法科高校の劣等生』 佐島勤
 魔法使い養成学校に入学した兄妹の物語。

『駅前魔法学園!!』 藤浪智之(JIVE)
 テーブルトークRPG。魔法が科学と同じように認知されている社会で、魔法使いの資格を得るためのカルチャースクール「駅前魔法学園」に通う生徒となるゲーム。


 大ざっぱに自分の知っているものと代表的な有名作品をまとめただけだけれど、ライトノベルのレーベルとして、超能力者や魔法使いの専門学校の話が増えるのはハリパタ以降ではあっても、忍者あたりを範囲に含めると単独作品としてもかなり以前からあるのですね。それにコンピュータゲームのゲームの冒険者学校的なものが加わって……という流れなのかな。
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★学校対抗戦

2012-03-20 | ランキング・カテゴリー
 学校同士が技量を競い合う話というのは中学高校あたりを舞台にしたスポーツものでは定番なので、それ以外にどんなものがあるのか、ちょっと拾ってみました。

『百合×薔薇』  伊藤ヒロ
 そのうち学校同士の超能力対抗戦になるらしいけれど、今のところ学校をいかに掌握するかという番長マンガ的展開に。

『会長の切り札~一芸クラブに勝機あり!』 鷹見一幸
 市町村合併が進められる中、どの学校が存続するかを学校対抗の合戦で決めようという話。

『ガールズバッドカンパニー』 紅羽一葉
 608人の女子高生が文化祭の開催権を賭けて、サバイバルゲームで死闘を繰り広げる話。

『魔法科高校の劣等生3・4』 佐島勤
 魔法大学付属の9校が、魔法競技でぶつかり合う。

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』 J.K.ローリング
 クィディッチのワールドカップ、そして百年ぶりに開かれる三大魔法学校対抗試合で……。

 ……あれ? 思ったほどすぐには見つからないぞ。
 サークル対抗とか、生徒会VSクラブとかはちょくちょくあるけれど、柔道やサッカーではなく、魔法や超能力で学校対抗戦って、そんなに多くないのかな。
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★サークル小説(編集中)

2011-06-28 | ランキング・カテゴリー
 ライトノベルでも最近はがちがちのファンタジーやSFは流行らないよとかいわれると、なんとなく日常系学園ものが多いような気がしますが、そんなことは全然無くて、ましてサークル活動をメインとした日常系小説は皆無に近いようです。まんがタイム×××とか読んでいると、そんな感じの4コマまんがばかりなので意外です。
 で、適当に感覚で多いとか少ないというのも良くないと思うので、拾ってみました。
 とりあえず2005年1月から 2011年3月までに刊行された、電撃文庫、富士見ファンタジア文庫、角川スニーカー文庫、MF文庫J、ファミ通文庫、スーパーダッシュ文庫、GA文庫、ガガガ文庫、一迅社文庫、メガミ文庫、ソノラマセレクション、徳間デュアル文庫を目録でチェックし、主な登場人物がすべて小学校から大学までのサークル(公式・非公式を問わない学生・児童の集合体で、団体として存在が周囲から認識されているもの)に所属しているものを拾い出してみました。
 これ以外のものについても、手持ちで内容が確認できるものについては拾い出しました。


【仕事する生徒会】
「くじびき・アンバランス」生徒会/浜崎達也/MF文庫J
「創立!?三ツ星生徒会」生徒会/佐々原史緒/ファミ通文庫
「生徒会ばーさす!」生徒会/番棚葵/スーパーダッシュ文庫
「うちの会長は荒ぶる虎猫に似ている。」生徒会/空埜一樹/HJ文庫
「碧陽学園生徒会議事録」生徒会/葵せきな/富士見ファンタジア文庫
「会長の切り札」生徒会/鷹見一幸/角川スニーカー文庫
「マリア様がみてる」山百合会/今野緒雪/コバルト文庫

【ぽややんと日々を送りながら恋に悩んだりする日常系文化部】
「メグとセロン」 新聞部/時雨沢恵一/電撃文庫
「“菜々子さん"の戯曲」映画研究会/高木敦史/角川スニーカー文庫
「ヒメゴトシステム」放送部/神崎リン/ラブコメ/角川スニーカー文庫
「ぼいレコ!」第二放送部/夏緑/HJ文庫
「ラノベ部」軽小説部/平坂読/MF文庫J
「すてっち!」手芸部/相内円/HJ文庫
「らじかるエレメンツ」化学実験部/白鳥士郎/GA文庫
「助けて秋吉くん!!!」模型部/不破悠/HJ文庫
「みすてぃっく・あい」美術部/一柳凪/ガガガ文庫
「水平線まで何マイル?双つの翼」宇宙科学会/伊吹秀明/HJ文庫

【日常系運動部】
「ロウきゅーぶ!」女子バスケ部/蒼山サグ/電撃文庫
「MiX!」女子新体操部/岩佐まもる/角川スニーカー文庫
「私闘学園」格闘技同好会/朝松健/ソノラマ文庫
「暴風ガールズファイト」ラクロス部/佐々原史緒/ファミ通文庫
「○×△べーす」野球部/月本一/ファミ通文庫
「せんすいかん」水泳部/水城正太郎/HJ文庫
「吉祥GOOD☆LOOKS」野球部/若王子ラムネ/ガガガ文庫
「学校の階段」階段部/櫂末高彰/ファミ通文庫

【ミステリ系文化部】
「はい、こちら探偵部です」探偵部/似鳥航一/電撃文庫
「子ひつじは迷わない」生徒会/玩具堂/角川スニーカー文庫
「"文学少女"」文芸部/野村美月/ファミ通文庫
「初恋ソムリエ」吹奏楽部/初野晴/角川書店
「ほうそうぶ2」放送部/宮沢周/スーパーダッシュ文庫
「りっぱな部員になる方法。」ミステリー研究部/午前三時五分/スーパーダッシュ文庫

【人助けするボランティア系】
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」奉仕部/渡航/ガガガ文庫
「オオカミさんと亮士くんとたくさんの仲間たち」御伽銀行/沖田 雅/電撃文庫
「つばさ」つばさ/麻生俊平/MF文庫J
「えむえむっ!」第二ボランティア部/松野秋鳴/MF文庫J
「戴天高校勝利部」勝利部/夏希のたね/スーパーダッシュ文庫

【オカルト・バトル系】
「恋する鬼門のプロトコル」超常現象研究会/出口きぬごし/電撃文庫
「ほうかご百物語」美術部/峰守ひろかず/電撃文庫
「戒書封殺記」図書部/十月ユウ/富士見ファンタジア文庫
「いつか天魔の黒ウサギ」生徒会/鏡貴也/富士見ファンタジア文庫
「丘ルトロジック」オカルト研究会/耳目口司/角川スニーカー文庫
「末代まで!」心霊研/猫砂一平/角川スニーカー文庫
「荒瀬はるか、容赦なし!」化学・物理部(化物部)/熊谷雅人/MF文庫J
「コトノハ遣いは囁かない」学園伝説研究会/木村航/MF文庫J
「疾走する思春期のパラベラム」映画部/深見真/ファミ通文庫
「ココロコネクトヒトランダム」文研部/庵田定夏/ファミ通文庫
「ずっとそこにいるよ」文芸部/早見裕司/理論社
「モノケロスの魔杖は穿つ」地域社会研究部/伊都工平/MF文庫J
「戦え!松竹梅高等学校漫画研究部」漫研部/番棚葵/スーパーダッシュ文庫

【暴走する理系】
「ピクシー・ワークス」天文部/南井大介/電撃文庫
「キケン」機械制御研究部/有川浩/新潮社
「ほうかごのロケッティア」ロケット研究部/大樹連司/ガガガ文庫

【実体不明で主宰者のひまつぶしが主目的】
「帰宅部のエースくん。」帰宅部/ハセガワケイスケ/電撃文庫
「ハロー、ジーニアス」第二科学部/優木カズヒロ/電撃文庫
「ぷれいぶっ!」ぷれい部/高遠豹介/電撃文庫
「藍坂素敵な症候群」医術部/水瀬葉月/電撃文庫
「先輩とぼく」ミステリー研究会/沖田雅/電撃文庫
「涼宮ハルヒの憂鬱」SOS団/谷川流/角川スニーカー文庫
「僕は友達が少ない」隣人部/平坂読/MF文庫J
「ようこそ、無目的室へ!」無目的部/在原竹広/HJ文庫
「GJ部」GJ部/新木伸/ガガガ文庫

【公然の秘密の裏組織】
「ベリーベリー・エンジェルス」壱伍機関(スパイ部)/藤本圭/角川スニーカー文庫
「恋愛撲滅隊コイスル」組織〈コイスル〉/葛西伸哉/ファミ通文庫
「ルゥとよゐこの悪党稼業」悪党稼業部/藤谷ある/HJ文庫
「セク研!」セク研/大泉りか/ガガガ文庫

【ゲーム系】
「ギャルゲーマスター椎名」ギャルゲー部/周防ツカサ/電撃文庫
「げーまに。」女子ゲーム部/あきさかあさひ/MF文庫J
「彼女と二人で「C」体験!」マイコン部/石川ユウヤ/MF文庫J
「幻月のパンドオラ」電芸部/桃乃蛍/スーパーダッシュ文庫

【食でバトル】
「ベン・トー」ハーフプライス部/アサウラ/スーパーダッシュ文庫
「激辛!夏風高校カレー部(いもうと付き)」カレー部/神楽坂淳/スーパーダッシュ文庫
「喰」過食倶楽部/内田俊/MF文庫J



 やはりコミックと比べると(絶対量が少ないせいもあるかもしれないけど)運動部系の話が少ないですね。野球小説とかサッカー小説とか応援団小説ってほとんどありません。
 まあ、これだけリストアップしてもぜんぜん完璧じゃあありませんし、このリストに何か意味があるかというと自己満足の逃避でしかないわけですが。暇じゃないんだけどねえ。
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★巨大学園小説

2011-03-19 | ランキング・カテゴリー
 中高生が主なターゲットとなる小説は、たいてい主人公は少年少女で、主な舞台が学校という作品が多い。その方が読者が感情移入しやすいし、世界設定を説明するにも最低限で済むからだと思うのだけれど、おかげでライトノベルのレーベルで刊行される小説の5冊に4冊は、SFでもファンタジーでもミステリでもホラーでも、とにかく学園ものという状況に。SF系の士官学校とか魔法学校ものとかをいれるともっと増えるかな。
 そうすると、読んだ本をカテゴリーに区分して読書メモをつけ、あらすじとか名セリフとか感想とか記録しておこうと思っても、その8割が同じカテゴリーに入ってしまったら区分する意味が無くなります。
 それであれこれ悩んで、とりあえずミステリーとかホラーのカテゴリーに入れられるやつは入れることとして、「不思議や超科学」の有無でさらに区分することにしてみました(こういうことをやっていると「ライトノベル」の定義について語ることが無意味としか思えなくなってきます)。

 そんな学園小説の中でも「巨大学園もの」というジャンルがあり、さらに頭を抱えることに。
 ただ、舞台が「巨大学園」といっても、設定上の生徒数は万単位でも中身は普通の学校と同じ……というものも多く、実態としてはあえて分けるだけの数がないのが残念。やはり「巨大学園」というのであれば、生徒の自治が単なる学園自治ではなく、都市機能・行政にまで及んで欲しいなと、そこはこだわってみます。

★1975
 『宇宙大学』(「11人いる!」萩尾望都)……自治権を持つ人工惑星。

★1980
 『孔雀学園』(「燃えよ!孔雀学園」もとやま礼子)……南海の孤島の巨大学園。

★1982
 『私立鶴ヶ峰学園』(「コータローまかりとおる!」蛭田達也)……生徒数2万人超のマンモス高校。

★1990
 『私立蓬萊学園高等学校』(「蓬萊学園の冒険!」新城カズマ他)……生徒数10万人超の南海の孤島の学園。

★1992
 『CLAMP学園』(「CLAMP学園探偵団」)……幼等部から大学院までの学園都市。生徒・職員

★1993
 『九江州中学』(「轟世剣ダイ・ソード」長谷川裕一)……生徒数550名。学園ごと異世界を漂流。

★2001
 『私立鳳凰学園』(「微細回路少女師団」山下卓)……生徒数の多いブルジョワ校。
 『真輝島学園』(「深く静かに掘りかえせ!」麻生俊平)……幼稚園から大学まで。

★2003
 『麻帆良学園都市』(「魔法先生ネギま!」赤松健)……女子中等部だけで生徒数2000人超。

★2004
 『学園都市』(「とある魔術の禁書目録」鎌池和馬)……オーバーテクノロジーと魔術の学園都市。

★2008
 『新トウキョウ王子花園学園』(「シニガミノバラッド。アンノウンスターズ。」ハセガワケイスケ)……学園都市。

★2010
 『国立皇家院学園』(「表裏世界のソーマキューブ」乙姫式)……生徒数700万人の法力者養成校。

★2011
 『千陣学園』(「うちの会長は荒ぶる虎猫に似ている。」空埜一樹)……才能第一主義を標榜し、生徒数10万人超。

 とりあえず手元の本からピックアップして巨大学園リストを。



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★本屋・図書館・愛書家

2010-05-13 | ランキング・カテゴリー
 最初に気になったのは、古書や稀覯本がメインとなるミステリがけっこう多いなということ。そう思うと夫婦で古書店をまわるだけのノンフィクションがぽんぽんと出たり、マニアが俺は古本屋や本屋でこれだけ買ったぞという半ば自慢の購入メモみたいなものが刊行されたりして、本を読む人間は他人が何をどれだけ読むのかそんなに気になるのか?と呆れたもんです。
 そして気がつけば、書店とか図書館がメインの舞台となったり、書店員とかビブリオマニアとかせどり師とかコレクターが主要な登場人物の話も増えていて、その中には超能力を持っていたりいなかったりとあれこれ多岐にわたっているので、この際、とりあえずSFとかミステリとか関係無しにまとめてみたいと思った次第です。
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★怪獣小説

2010-01-01 | ランキング・カテゴリー
 今年はとりあえず「怪獣小説」に重点を置いてみようかなと思います。
 カテゴリーを定義するなら巨大生物が文明社会に殴り込みをかけ、軍隊と科学者がそれを迎え撃つ!みたいな話。舞台は「産業革命」以降「近未来」までの「地球」。宇宙だったらSFだし、異世界だったらファンタジーだし、中世以前だったら伝説とか神話ですからね。

 そんなに多くないとは思うのだけれど、ざっと調べてこの定義にあてはまる作品を数え上げるとそこそこあります。
 『塩の街』有川浩
 『空の中』有川浩
 『海の底』有川浩
 『ゼウス ZEUS-人類最悪の敵-』大石英司
 『レヴァイアサン戦記』夏見正隆
 『ゴジラ』香山滋
 『ひる』ロバート・シェクリイ
 『霧笛』レイ・ブラッドベリ
 『ソリトンの悪魔』梅原克文
 『機械獣ヴァイブ』山田正紀
 『MM9』山本弘
 『戦艦大和 海魔砲撃篇』田中文雄
 『放射能獣-X』友成純一
 『地を穿つ魔』ブライアン・ラムレイ
 『大空の恐怖』コナン・ドイル
 『熱帯の恐怖』W・H・ホジスン
 『凶獣リヴァイアサン』ジェイムズ・バイロン・ハギンズ
 『迎撃中ノ鳥島沖海戦』内田弘樹
 『モスラ』波多野鷹

 東宝怪獣映画のノベライズもいろいろありますね。
 手元に現物のない未読の本も多々ありますが、どこまで読んでいけるでしょうか?
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