付け焼き刃の覚え書き

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「ログ・ホライズン1~異世界のはじまり」 橙乃ままれ

2012-05-23 | 行きて帰りし物語
 ちょうど瀬尾つかさの『スカイワールド』を読み終わったところで長男から薦められたのが、この『ログ・ホライズン』。これまたプレイしていた「ゲームの世界」に飛ばされたプレイヤーたちの物語です。

 老舗MMORPG「エルダーテイル」で新システムの更新直後、プレイ中だったゲーマー3万人がゲーム世界に閉じこめられてしまった。
 死んでしまってもホームで復活できるが、現実世界には戻れない。キャラクターとしての能力は高く、アイテムや装備は十分でも、いざ現実にモンスターを目の前にして戦うとなると楽勝のはずの戦闘もままならず、日本サーバー以外のゲームがどうなっているか、これからどうなるのかも分からない。
 呆然としたまま日々を過ごすのもムダだと判断したシロエは、旧友の直継や暗殺者アカツキらと共にゲームの拠点だった廃墟アキバを中心に、この世界に慣れようと動き出すのだが……。

 『スカイワールド』ではあえて言及されていなかった、ゲーム世界に放り出された直後の混乱期から丹念に描いています。そして、この世界でもいちばん厄介な敵はモンスターではなく、プレイヤー同士の対立でありPK。無防備に博愛主義を唱えてのたれ死ぬのは愚かだけれど、疑心暗鬼に角突き合わせたり、後先考えず暴れ回るのは愚の骨頂。
 キャラクターが面白い小説というのは、たいていキャラに2つ3つの顔があります。顔というかペルソナというか設定ですね。「一見××だけれど(1つ目)実は××(2つ目)。でも本当は……(3つ目)」みたいな感じで、単なる脇役ザコキャラは1つ目まで、2つめが出てくるとそこそこ重要な脇役、3つめ以上が出てくると主役級。
 現実世界では内省的な大学生に過ぎなかった<腹ぐろ眼鏡>なシロエが、いかに世界を変えていくのか、これからどのような姿を見せてくれるのか、これからの展開に期待です。
 でも、ローゼンバーグの『眠れる龍』には有った、「自分はこのゲーム世界に放り出されて幸せだ。なぜなら現実の自分は身体が不自由であり、この世界では人並みの肉体を手に入れているのだから。元の世界に戻って、また元の器に押し込められたいと願うものか」というキャラが見当たりません。そういう、現実に戻らない方が幸せだというキャラが出てくるのか出ないのか。自分は出てこなくても良いと思いますが、こんなときでも/こんなときだからこそPKに走る乱暴者やら出てきたりするので、存在しても不自然ではありませんね。
 で、長男に「続きは?」と訊いたら、これは長男が次男に読ませてやろうと買ったもので2巻目以降はまだ買ってないとのこと。ということは、わざわざ薦めてくれた理由って……?

【ログ・ホライズン】【異世界のはじまり】【橙乃ままれ】【ハラカズヒロ】【エンターブレイン】【MMORPG】【PK】【WEB小説】
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2 コメント

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Unknown (hisayoshi)
2012-05-30 23:39:51
この作品もスカイワールドもまだ手をつけていませんが、やはりMMORPGの世界に閉じ込められる作品としては、川原礫さんのソードアート・オンラインがわりと楽しめました(閉じ込められるのは1巻だけですが)。こちらは、閉じ込められた上に、ゲーム内の死=現実の死、というルールが宣告されていて、また、それがうまく使われていたように感じました。
それも…… (まなせ)
2012-06-01 21:51:53
ソードアート・オンラインもそうでしたか!
書架のどこかに1巻はあった気がしますので、また読んだら感想を書かせていただきます。
まったく積ん読の山が高くなりすぎてます……。

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