「ハイブリッド学園～悪魔的な彼女」 織田兄第

　明るく元気な妹の晃とともに小野寺正輝が転校した私立轟学園は、中高一貫ながら学年が上がるごとにクラス数が減っていくという不思議な学校だったが、それもそのはず。轟学園は悪の組織と戦うために設立された学校だったのだ。
　しかし、正輝は自分の力がそんな悪の怪人と戦うためのものとは思えなかった……。

　読後感は「荒削り」のひとこと。そもそも「街で暴れ回る怪人」と「主人公を狙う敵」が最初から一致しておらず、なんでもかんでも詰め込んでまとまりが無くなっています。常識外れの転校生・美杉知香の話に持ち込むのが速すぎで、せめて次の巻に引いた方が良かったと思います。
　とにかく書きたい要素は全部放り込んで次巻への引きにするというテクニックもありですが、ティカ話を急ぎすぎたために「全校をあげて悪の組織と戦う学校」という設定が死んでしまいましたし、同じ理由でお互いにどこが良かったのか全然わからず、ボーイ・ミーツ・ガールっぽい話にもなりませんでした。こういう話なら『アシャワンの乙女たち』の方が好き。

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