付け焼き刃の覚え書き

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「風水学園」 夏緑

2007-11-01 | 学園小説(不思議や超科学あり)
 買ったままツンドク状態だった『風水学園』をやっとこさ読了。
 オーソドックスな風水が、都市建設や建物建築のノウハウとして認知されている日本。それだけでなく、式神…というより使い魔を使うのが普通の特殊技能として存在する世界。その世界で建築士をめざす高校生たちの物語。

 気がつけば続編がごろごろ出ているんで評判はいいんだろうなあ……。
 魑魅魍魎の除霊を陰陽師や退魔師ではなく建築士の仕事にして、連作短編みたいな形にした発想は面白いんだけれど、1巻を読む限りは今ひとつ。ライバルが物足りない。一昨年の最優秀生徒で富豪の子息、女生徒の評判も良いという彼の造形が良ければもっと盛り上がるんだけれど、本文の描写だけでは力押ししかできない、ただのブルドーザ男。それでもターミネーターみたいに押しの一手で暴れれば格好良いのに、失敗ばっかじゃん……。どこがカッコイイの?
 最後の課外実習も教師が「チームプレイを学ぶことも必要だ」と2人を組ませたのに、結局、それぞれ個人プレイに走って解決……って、意味ないじゃん。う~ん。

 風水そのものの概念は面白いと思うんだよね。『大江戸魔法陣』(加門七海)なんかで都市設計も風水にあてはめて解釈できるんだと納得し(でも読み物としてはつまらなかったぞ)、その上で荒俣宏の『風水先生レイラインを行く』あたりを抑えれば、たいていのヤングアダルト系のネタは理解できます。
 都市と魔術という点では『朧月都市』(PBM)が東京を魔法陣に見立てて世界再創造への扉を開く!という話で、いちばん面白かったな(一部シナリオが未完らしいけど)。『活劇!!ハイカラ紅蓮隊』(PBM)とか『ホーリーメイデン~緑の瞳の少女』だとシナリオ(ストーリー)への絡め方が物足りない。単なる陣取りの拠点だから。

【風水学園】【夏緑】【凪良】【MF文庫J】【風水】

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