今年も四国に影響を与える台風が既に二つ襲来した。7月に入って直ぐの九州の西側から日本海に抜けた台風と今回の台風12号だが今回の台風は此処の台風が辿るコースとは一寸違った変り種台風で当初は関東の遥か東側の海を北上する物と思っていたが途中から西側に曲がって従来の台風とは逆の東から西へと此方に進行する気配で有った。
天気予報の解説者の話を聞いて居ると頻りに「寒冷渦(寒冷低気圧)」と云う言葉が使われて居たので果たしてどの様な物なのかを調べてみたら対流圏上空の偏西風は常に南北に蛇行しながら地球を巡るが南側に蛇行した部分が極端に発達すると本体から千切れて低気圧性の渦になる。此の中心部には高緯度から来た冷たい空気が閉じ込められているので「寒冷渦とか寒冷低気圧」と呼ばれ冬には日本海側に豪雪をもたらせ春には日本中で「ひょうやあられを」降らせる。寒冷低気圧で此の渦は左回転をしながら移動するらしい。
今回は今まで活発だった太平洋高気圧が東の高い方向(緯度)に後退したので自力で進めない台風は其の高気圧の影響で太平洋の東側の北上を遮られ偶々南側に発生した寒冷渦とに挟まれて行き場を失った台風は半時計方向の回転渦に流されて本来の方向とは逆の東から西に移動したらしい。
此の台風12号に関する情報は可也早い段階から天気予報等で注意喚起が成されて居たので私も可也心配して今朝の01時頃までは台風情報を聞きながら何処に上陸して一体何時頃に当地に一番影響を及ぼすのか?探っていたが何時の間にか眠り込んだ様で目覚めたら05時前であった。起きて直ぐに外を見たら風も強くは無く、雨も強くは振って居らず「狐に騙された感じ!」其の後にも大きな変化も無く09時頃には一時晴れ間さえ出る時間帯が有ったので外に出てアンテナ関係に被害が無いか?方位ズレは無いか?をチェックしたが何れも問題は無かったので一安心、大風は吹かなかった様であった。
各周波数帯のビームアンテナを持って居るとワイヤーアンテナと比較すると通信(交信)には優位性を感じるが此の時期(7月~11月前まで)は台風情報に一喜一憂する事に成る。アンテナが壊れるのは其のアンテナを上げた時から覚悟はして居るのだが問題なのはアンテナの一部が飛んで行って近所の家や車を傷付けたりすると今後アマチュア無線を楽しむ事が出来なく成る事、万一の事を考えて保険は掛けて居る物の壊れた物を直せば其れで良しの世界では無いだけに神経は使う。若い頃は其の様な問題は起こらない様な対応をして居る自信が有ったが1990年代の大型台風の強風で3m近いアンテナエレメントの片方が何処かに飛んで行って行方不明に成った事が有った。何日も探したが行方は解からず終いで最終的な結論は40m位離れた那賀川まで飛んで行き枯れる事の無い川底に沈んで居るのではの結論に達したが?そうだとすると我家に一番近い家まで飛んで行く可能性は十分有る訳で其れ以後は台風が来ると神経質に成って仕舞う。
今年も正に其の季節が遣って来た。アンテナを撤去してワイヤーアンテナにする事は簡単な事だが其の事は私がアマチュア無線を諦める事に等しいので未だ思い切りが出来ないのが現実、従って此処暫くは未だ此の葛藤が続きそうである。