▲チャルマーズ・ジョンソン 『アメリカ帝国の悲劇』 2004
チャルマーズ・ジョンソン『アメリカ帝国への逆襲』2000 『アメリカ帝国の悲劇』 2004 など1-1
チャルマーズ・ジョンソン『アメリカ帝国への逆襲』2000 『アメリカ帝国の悲劇』 2004 など1-1
このところの天候のめまぐるしい変動と、参議院選ウォッチ疲れと睡眠不足で体調すぐれず、本日は軽く本の紹介のみ
前日まで、塩原俊彦のウクライナを扱う本2冊の中から、一部抄録を通じて、アメリカ帝国による国家転覆クーデターの最近事例はこんなことだったのかと整理しながら、納得。
いまや、20世紀末以降の現在では右翼や、軍人を使った古典的クーデターではなく、自由や、民主化の仮面を被ったクーデターなのだ。共和党政権時代から続く軍産複合体は、共和党と民主党の区別など必要としないほど一体化している。大統領選挙は、市民を欺くためのプロパガンダ・お祭り行事に過ぎない。
アメリカに存在するのは、草の根の市民運動を別にすると、「金持ちの金持ちによる金持ちのための政治」なのであって、藤波茂が、その著書『アメリカン・ドリームという悪夢』2010年 三交社 の中で ゴア・ヴィタルの言葉を引用していた。
もう一度引用するとこうだ。
ゴア・ヴィタルの発言
「私 がこの1千年ほど言い続けているように、合衆国には、ただ一つの政党ー財産党があるだけだ。それは大企業の政党、お金の党だ。それは二つの右翼派閥を持っ ていて、一つはデモクラット、でもう一つはリパブリカンだ。」 (『プログレッシブ』 2006年8月号 インタビュー)
『アメリカン・ドリームという悪夢 建国神話の偽善と二つの原罪』 藤永茂 三交社 (231頁)
もちろん、1000年というのは冗談で、建国その時、いやむしろ入植そのものも含めて、その時からずっと、アメリカは貪欲な性格を持っていたということなのだ。オバマ政権下でも全く同じ、副大統領バイデンが、ウクライナのガス問題にからみ、息子を、ウクライナでガス会社を立ち上げさせたり、ケリー国務長官、共和党有力者マケインが、ウクライナ右派勢力と会合したりと、さらには、究極のCIA長官が極秘にウクライナ訪問していたなど、大手メディアは報道することはなかった。
ウクライナ・クーデター政権ができるやいなや、アメリカウォール街の投資家が、ウクライナ政権の重要な経済ポストにつくということ事自体、その財政を預かる要職の閣僚ポスト、さらに、健康・保健、医療システムの構築を、日本でいえば国民健康保険制度や医療制度の構築を、外国人に充てるという異常さである。これは宗主国アメリカが命じるということ以外のなにものでもあるまい。これを、ネット・ジャーナリストの桜井春彦、田中宇らネット・ジャーナリズムは厳しく糾弾していたのだが。日本のNHKをはじめ、大きな報道機関ほど、これらの重要事項はもみ消しとなる不思議。
▼ブレジンスキー 『世界はこう動く』 1998年 日本経済新聞社 から
アメリカから見た「ユーラシア世界の地政学地図」
▲ ブレジンスキー 『世界はこう動く』 1998年 日本経済新聞社 から (130~131頁)
世界で唯一・最強の帝国になったアメリカは、ポーランド生まれの亡命者ブレジンスキーに、このような、傲慢な地政学地図を書かせている。「世界はこう動く」ではなく「世界はこう動かす」という未来予告地図だ。
世界の石油産地を含む国家を強奪する一方で、この地図の→に示されるように旧ソビエト社会主義共和国連邦を構成していた構成国を、イデオロギー支配の喪失としてとらえ、その後、これらの国を、ロシアから引き離すのにさまざまな手を編み出してきた。
第1弾として、カラー革命を演出、 オレンジ革命、バラ革命、ジャスミン革命・・・・・・・・が存在したのは周知の事実。
ソ連崩壊後、独裁政権的国家であっても、米国の意を汲む政権には、限りなく許容し、ロシアと縁が深い政権には容赦なく襲いかかってきたのではなかった?旧ユーゴスラビアの解体、セルビアの破壊・コソボの独立の演出、グルジア政権への介入属国化、オセチア・アブハジア問題等々・・・・
ところで、
オリンピックの開催年には要注意!
北京オリンピックの開催期間には、大方のマスコミがオリンピックに報道の精力を傾けている間に、グルジアが、オセチア・アブハジアへ軍をさしむけた。
ソチ冬季オリンピック期間前には、ロシアで大規模なテロ事件があり、またソチ冬季オリンピック期間中には、右派セクターが、ウクライナ・クーデターを引き起こした。
ブラジル・リオデジャネイロ オリンピック期間・中にも、要注意!
▲ブレジンスキー 『世界はこう動く』 1998年 日本経済新聞社
▲ ブレジンスキー 『世界はこう動く』 目次
▲ ブレジンスキー 『世界はこう動く』 目次2
▲ チャルマーズ・ジョンソン 『アメリカ帝国への報復』 2000年 集英社
▲チャルマーズ・ジョンソン 『アメリカ帝国への報復』 目次
▲チャルマーズ・ジョンソン 『アメリカ帝国の悲劇』 2004 文藝春秋
▲チャルマーズ・ジョンソン 『アメリカ帝国の悲劇』 2004 文藝春秋 目次
今日はここまで
つづく