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ケネディ大統領暗殺事件とそれに関わる日本文献 その1

2013年11月21日 | JFK ケネディをめぐる本・新聞記事

ケネディ大統領暗殺事件とそれに関わる日本文献

2009年1月3日の当ブログで、網羅的ではないが、問題点整理のために、自分用に、日本語で読めるケネディ暗殺事件に関わる書籍とその時代のリストをほぼ年代別にリストを作っていた。明日11月22日、ケネディ大統領暗殺から50年になる。

今年20歳の成人の人たちは、父母の世代もケネディ大統領暗殺事件のあった1963年には生まれていない人が多いはず。ケネディ暗殺事件は調べる意志が無ければもはや何も発掘できない遠い歴史の中の出来事になってしまった。文献リストだけでは興味の湧かない映像世代のために、まずは、表紙タイトルくらいはカラーにしてみよう。事件解明のための長い歩みの一端の中から、その興味のきっかけになるよう、また、自らも初心に返り、なぜ現代史の謎に興味が湧き、関心がそこに向かうのか、自問することにしよう。

 

 ▲ ケネディ大統領暗殺に関わる書籍・それに関わる日本文献 その1

 

 

 ▲『ウォーレン報告』 大森 実 監修 毎日新聞社外信部 訳 弘文堂 1964年 10月刊 当時定価390円 

アメリカで出版後すぐに日本で翻訳がでた。

ウォーレン委員会のケネディ暗殺事件に関する公式報告、付帯文書は26巻に及ぶ。26巻の資料集は翻訳されていない。教科書倉庫ビルからの3発の銃弾にこだわっているので、それ以外の証言ははじめから無視してかかっている。事件当時の統制のない時期の記録や証言などを拾わないと。オズワルドの極端な社会主義者ぶりを資料等をあげ強調しているのだが、彼は情報社会の常として、左翼にもぐり込ませたスパイ、あるいは、最初から囮として、陰謀の捨て駒として、利用されただけかも知れないと、すべてをいったん疑問符をつけながら読む必要のある報告である。ウォーレン委員会委員の一人ヘイル・ボックスは最後まで、この報告の結論には反対だった。その後かれは、アラスカで飛行機ごと消息をたった。遺体は発見されていないのだが・・・。ともあれ、報告は報告である。オズワルドの単独犯行かどうか、ひとまず読んでみるしかない。

原文は、インターネットのアーカイブに、本文・付帯文書ともダウンロードできる。

ここ▼

http://www.archives.gov/research/jfk/warren-commission-report/index.html

 

 ▲ 土田 宏 『秘密工作 ケネディ暗殺』 彩流社 2003年 価格2500円+税

没後40年にあたる年の2003年に発刊。日本のケネディ研究の第一人者。デイビット・リフトンの『ベスト・エビデンス』と言うケネディ大統領遺体変造説を唱えた本の翻訳もある。わが家にあるのだが、現在行方不明中で、ブログ上段の一覧の写真に間に合わなかった。見つかりしだいUPする予定。パークランド病院のストレッチャーで見つかったほとんど変形していない銃弾と、ケネディの背中の遺体にあった、浅い貫通していない傷跡は事後遺体の変造を介すると教科書ビルからの銃撃に、証拠ねつ造として、一直線につながる・・・・・・

 

 ▲ 土田 宏 『ケネディ兄弟の光と影』 彩流社 1992年

事件の探求というよりは、ケネディの政治と行動原理を、アメリカ現代史の中に位置づける。歴史学的な視野の本。しかし、ロバート・ケネディの事件にも触れている。サーハンの影にもCIAの足跡が?・・・・、アンバサダーホテルの怪

検死報告にある頭部に硝煙反応のある至近距離による射撃の痕跡、銃創の方向。銃弾数。ロバート・ケネディとサーハンの位置関係など不可思議なことがここにもあった。ロバート・ケネディの後方には、当日になって警備会社から派遣されたセザーが・・・いた。

ロサンゼルス警察が事件後、2ヶ月経った頃、ロバート・ケネディ暗殺現場を写した写真を廃棄。また、ホテル内の警備をなぜか警察はやっていなかった。・・・・

 

 

 ▲ マーク・レーン 『ケネディ暗殺の謎』  徳間書店 1967 年 初版 380円

原題は「Rush  to Judgement 急ぎすぎた判決」 原著は1966年の刊行。政府の『ウォーレン報告』 に真っ向から対決した論を展開。下のマーク・レーン 『大がかりな嘘』ととともに、私はケネディ暗殺事件を考える基本書だと考える。

 

 

 ▲ マーク・レーン 『大がかりな嘘 だれがケネディを殺ったのか』 扶桑社 1992年

この本は当ブログ2012年7月18日、19日に紹介記事あります。ぜひどうぞ。 

ブログ頁はここ▼

http://blog.goo.ne.jp/jfk1122zzzya/e/ac23128caf1625ba496c2ce70d820bcf

http://blog.goo.ne.jp/jfk1122zzzya/e/cf32717b741bcec9daca1c1dfebb603e

 

 

 ▲ ドナルド・フリード/マーク・レーン 『ダラスの熱い日』 立風書房 1974年 980円

同名映画のシナリオとは違った、訳者の井上一夫 によれば 「事実小説」 だそうだ。

マーク・レーンの1966年刊行の「Rush  to Judgement 急ぎすぎた判決」 を土台に作られた映画のシナリオのプロットで省かれた背景をひろく・ふかく説明する。しかしこれは、小説なので、マーク・レーンの2著を読むことをおすすめする。 

 

 ▲ オリバー・ストーン/ザカリー・スクラー 他  『JFK ケネディ暗殺の真相を追って』 キネマ旬報社 

映画JFKのシナリオと、映画をめぐる、アメリカメディアによる過激な映画批判と、オリバー・ストーンの反論・再批判の資料集。どうして、アメリカのメディアが挙ってオリバー・ストーンを叩くのか。映画シナリオの元になった参考資料や、JFKのベトナム政策のもとになった安全保障覚え書きなども翻訳収載する。総頁910頁でかなり重い。ソフトカバーの本なので、読むのに腕が疲れたら、昼寝の枕代わりにもなる一石二鳥の本である。冗談ははこれくらいにして。当ブログ2013年1月3日に記事あり、ぜひどうぞ。

当ブログ 『JFK ケネディ暗殺の真相を追って』 のページはここ ▼

http://blog.goo.ne.jp/jfk1122zzzya/e/a8a9c7956702bfacf30026d5b4b9ce9c

 

 

 ▲ マリータ・ローレンツ+テッド・シュワルツ 北澤和彦 訳 『諜報員マリータ』  1997年 

説明はいらない 世にも稀な現代の奇譚 夢中になって、読み出すと降車駅を忘れる! 朝の通勤での読書は厳禁の書 痛快、これで陰謀の目撃存在は、宣誓証言記録として残せたか? 下の布施泰和の『カストロが愛した女スパイ』とマーク・レーン 『大がかりな嘘 だれがケネディを殺ったのか』を併読すると、一層理解が深まる。

 

 ▲ 布施泰和 『カストロが愛したスパイ』  成甲書房 2006 

布施は『ジョン・Fケネディ暗殺の動機』2000年  近代文芸社 の著書もある。私は図書館でこの本を借り読んだことがある。 今は絶版状態。 そこでは『カストロが愛したスパイ』で詳述されるマリータ・ローレンツにも触れていた。マリータの宣誓供述資料も翻訳して添付されていたはず。

 

 

 ▲ ロバート・サムアンソン 和田敏彦訳 『彼らは大統領を撃った 』 1976 角川書店 

この著者は、日本ではあまり知られていない研究家なのか、全く情報がないまま買ったが、入手してよかった。巻末の索引が詳しい、人名検索や、引用出典がわかり重宝した。もちろん、ウォーレン報告の不備を指摘し再調査を求めている。

 

▲ ジョン・ニューマン 『オズワルド ケネディ暗殺犯と疑惑のCIAファイル』 1997 TBSブリタニカ

オズワルド関する問題点は、この本か。私は偽オズワルドがいて、彼を暗殺犯に仕立てるため、様々な場所で、声高に、射撃の名手であることをいいふらしたり、メキシコに渡り、社会主義者であることを装ったり、彼の主義・主張、性格印象を残すための工作が行われていると見ていたのだが。

ジョン・ニューマンはまさしく、オズワルドのソ連への亡命を、CIAが仕組んだものと見ている。

2段組の体裁で515ページ、大著である。残念ながらかなり関連文書資料と、脚注が割愛されている。これを加えると800頁位になり、1冊の分量を超えてしまう。残念だ。索引だけは欲しかったなぁ。

 

 

 

   

 ▲ ウィリアム・マンチェスター 宮川毅訳  『ある大統領の死』  恒文社 上下2巻 1967 

ケネディ夫人・ロバート・ケネディによって委嘱され、この本ができた。詳細に、時間軸に沿って、出来事が記述されている。ここでしか語られない取材証言が多い。索引も完備されている。 直接事件を解明するための方法をとっているわけでは無いが、これは、やはりケネディ暗殺事件を考えるとき、座右の書と言えるかも知れない。ケネディ家の意向というものもあるが、政府のウォーレン報告では書かなかった記述があるのは、比較しながら真偽を確かめ、熟考する上で大変に有益である。   

 

 ▲ 檜山良昭 『ケネディを撃った男たち 現代史の謎 』   東京書籍  1993 

檜山良昭は、この本の出版より前の1980年に、『ヒトラーの陰謀 ドイツ国放火事件』 講談社 1980を出版している。陰謀の手口の解明と嗅覚では、相当の腕前の人。『ケネディを撃った男たち 現代史の謎 』 でも、その臭覚と方向感覚は見失わないでいたと思っていたのだが、最後の結論部で、これは、ちょっとという記述がみられた。著者は20年集めてきた資料をまとめたと言っているが、それなら簡潔でもいいから巻末に資料一覧を掲載して欲しかった。

 

この項続く

次は堀田宗路 『ジョン・F・ケネディの謎』 から『ロックフェラー委員会CIA活動報告書』までの13冊

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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