巴里の中心で、ワンとさけぶ

笑いながら一気に読んでください! 愛犬・ラブラドールとのドタバタ巴里暮らし

カトリックの行事から

2006年11月11日 07時23分08秒 | Weblog
 カトリックの国フランスのカレンダーには、1年の365日のほとんどに守護聖人の名が示されています。(ただし、革命記念日とか勝戦記念日、あるいはカトリックの祝日などはそれが明記されているだけで、聖人名は隠れてて知る事は不可能なんだけど)。
 で、昔は、子供が生まれると、その日の聖人の名を与えるのが一般的だったらしい。たとえば、1月16日生まれならマルセル、3月6日生まれならコレット、4月22日生まれならアレクサンドル、7月24日生まれならクリスティーヌ、9月10日生まれならイネス、11月25日生まれならカトリーヌ、12月6日生まれならニコラ……、ってなぐあいに。だから友達や恋人の誕生日を聞き出すなんて必要はなかったわけ。名前がわかれば自動的に誕生日がわかってしまうから。もっとも今ではフランスでも宗教ばなれが進んでいて日曜日にミサに行く人も減ってるくらいだから、子供の名付けも自由にする人が多いみたいですけど。
 ところで今日11月11日の守護聖人はサン・マルタン(聖マルタン)です。昔々、軍人だったマルタンがフランスのアミアンを馬に乗って移動中、寒さに震えてうずくまる貧者に出会いました。で、慈悲深いマルタンは自分が羽織っていたマントを剣で半分に切り、貧者に与えました。すると、その夜、夢の中に主イエス・キリストがマルタンの与えたマントを羽織って現れたことで、マルタンは回心したと言い伝えられています。
 で、ウチの娘の通っている学校では、毎年この日の夜サン・マルタン祭が行なわれてます。生徒たちは皆手づくりのランタン(ちょうちん)を持って、夜の森を練り歩きます。そして6年生たちがマルタンが貧者にマントを切り与えるシーンを披露します。この祭りを通して、慈悲深さや犠牲的精神を生徒たちの心に刻むというのが目的みたいです。
 が、我らコテコテ日本人親子はクリスチャンではないし、皆が口ずさむサン・マルタンの歌も知らないし、ただ参加してるだけ状態。娘もこれは馬が見れるちょうちん祭としか認識してないみたい。そう、寸劇では本物の白馬が登場するんです! 帰り際「ねぇ、あなたサン・マルタンの物語は知っているの?」と娘に訊いたところ、あっさり「しらな~い」だって。やれやれ……。