沖縄・台湾友の会

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【日本の解き方】中国の罠にはまった玉城デニー知事、河野洋平氏ら訪中団 仕掛けられた「沖縄分断」に…米国と

2023-07-17 23:39:58 | 日記
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ズレた甘い対応の日本政府
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         高橋洋一

【日本の解き方】中国の罠にはまった玉城デニー知事、河野洋平氏ら訪中団 仕掛けられた「沖縄分断」に…米国と 

懸念されていた事態となった。日本国際貿易促進協会(会長・河野洋平元衆院議長)の訪中団に参加していた沖縄県の玉城デニー知事は先週、河野氏らとともに中国共産党序列2位の李強首相と会談したが、同県・尖閣諸島の問題は取り上げずじまいだった。海警局船の連日の周辺海域侵入を「黙認」したと受け取られかねない。玉城氏は中国訪問時の査証(ビザ)の手続き簡素化などを求めたが、米国務省は「不当拘束の恐れがある」として中国への渡航を再考すべきだと警告しており、温度差は大きい。元内閣参事官で嘉悦大教授の高橋洋一氏は、
訪中団を歓待した習近平政権の狙いを「政府と沖縄県を分断する揺さぶりだ」と指摘日本の政府の対応についても「ズレている」と断じた。


河野洋平元衆院議長が会長を務める日本国際貿易促進協会の代表団が中国を訪問し、沖縄県の玉城デニー知事も参加した。李強首相と面会したことが報じられたが、中国側の狙いは何だったのか。

同行筋によると、玉城氏は日中の友好強化、アジアの繁栄と安定に貢献したいとし、尖閣諸島の問題に言及しなかった。一方で、中国訪問に必要な査証(ビザ)取得の手続き緩和や、中国─沖縄間の直行便の再開を要請し、李首相は前向きな姿勢を示したという。

玉城氏はまた、周祖翼・福建省書記と会談後、「交流の重要性を改めて確認した。互いが理解し、交流し合うことで平和な環境を作り出し維持していく」とも述べたという。

一連の出来事は中国にとって好都合だ。沖縄県知事なら中国海警局船の尖閣海域侵入について抗議するのが当然だが、何も言わなければ「黙認」したと受け止められかねない。玉城氏は、沖縄の在日米軍や自衛隊にはあまり好意的とはみえないので、なおさらだ。

孫子の兵法に「百戦百勝は善の善なるものにあらざるなり。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」という言葉がある。いわゆる「戦わずして勝つ」だ。

中国としては、まず日本で影響力のある人に親中政策を働きかけ、次に親中政策を実施して中国なしでは存続できないような関係をつくり、最終的には中国の属国(植民地)化または一部(併合)とならざるを得なくなるように仕向けるのだろう。

沖縄は海洋進出を企てる中国の覇権主義にとって要衝だ。歴史的にも中国の影響下だった時代もあるので、中国にとってはくみしやすいのだろう。

玉城氏が日本国際貿易促進協会の訪中団に参加するのは2回目だ。前回の2019年に会ったのは胡春華副首相だったが、今回は李首相に格上げになった。相当な厚遇だ。

当面の話として、台湾有事もある。中国は「戦わずして勝つ」戦略で臨むだろうが、それがかなわない時には台湾有事はあり得る。

台湾有事は日本有事でもあり、沖縄県での自衛隊基地や在日米軍基地が重要になる。行政権を持つ県知事が各種手段を行使すれば、活動に支障が出ないともいえない。

そうした場合に備えての今回の玉城知事に対する中国側の厚遇だったとみることもできる。少なくとも政府と沖縄県を二分するような揺さぶりであることは明らかだ。

しかしながら、政府は甘い。松野博一官房長官は6日の記者会見で、今回の河野氏と玉城氏が訪中し、李首相と会談したことに関し「歓迎する」と述べた。本来は「地方知事の行動にはコメントしない」とすべきだった。

米政府は、中国渡航について4段階のうちレベル4(渡航不可)の次のレベル3(渡航再考)として警戒している。そうしたなか、日本が中国にビザ手続きの簡素化を要請したことを、「歓迎」というのは、さすがにズレているのではないか。(高橋洋一・元内閣参事官、嘉悦大学教授)