沖縄・台湾友の会

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「ゼロリスク」思考の落とし穴         高橋洋一

2023-07-16 19:03:26 | 日記
わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
                 頂門の一針 6564号 

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「ゼロリスク」思考の落とし穴
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高橋洋一


【日本の解き方】 処理水やマイナンバー問題も…世の中に100%安全なし、身近な「確率」と比較すべき 

東京電力福島第1原発の処理水放出への反対や、マイナンバーをめぐるトラブル追及の背景には「ゼロリスク思考」があるのではないか。

国際原子力機関(IAEA)は4日、福島第1原発の処理水について、日本による海への放出計画が国際基準に合致しているとする最終報告書を公表した。その報告書で、処理水の放出が人や環境に与える影響は無視できる程度だとした。

これについて、「人や環境へのリスクはゼロでない」という言い方をする人がいる。筆者は、「今この場で隕石(いんせき)が降ってきて死ぬリスク(確率)はゼロでないが、無視しているではないか」と答えるようにしている。

マイナンバーカードでも、保険証へのひも付けが7000件ほど間違っていたと報じられると、「あってはならない」「もし自分がそうなったらどうするのか」と言う人がいる。そういう時、筆者は「1・5万人に1人なのでめったに当たらない、宝くじを30枚購入して100万円が当たるようなものだ」と答える。

それでも、リスクはゼロであるべきだという「ゼロリスク思考」の人は、はじめから確率を聞こうともしない。

世の中に100%安全はなく、リスクは何%程度かという程度問題にすぎない。しかし、人はしばしばリスクを「有」「無」の二分法で考え、ゼロリスクを求める。

というのは、筆者はリスクを数量的な確率で考えるが、一般の人たちはリスクを確率でなく、「恐ろしさ」と「未知なもの」という2つの因子で認識しがちだ。これは、米国の心理学者ポール・スロビック博士が提唱した考え方だが、その結果、リスクを「有」「無」の二分法で考えることに陥りがちなことをよく説明している。

加えて、人は定量的な理性より「有」「無」の直感が優位に立つ。2002年ノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者のダニエル・カーネマン博士のいうように、直感は「速い思考」であるのに対し、理性は「遅い思考」なのだ。筆者もその例外ではないが、遅い思考をできるだけ速く行い、速い思考を抑えているだけだ。

リスクを「有」「無」の二分法で考えないようにするためには、リスクを定量的に日常で体感できるものと比較するのがいいだろう。筆者がよく使うのは前述の宝くじのほか、交通事故率や天気予報の降水確率だ。

交通事故の死者・重傷者数は年間約3万人で、保険証のひも付けミスに遭う確率はそれより低い。降水確率は0%と表記するが、気象庁は「ゼロ」でなく「れい」と発音している。降水確率0%は0~5%の意味なので、「れい」(零)のほうが適切だ。この場合、ほとんどの人が傘を持たないが、まれに雨に降られることもある。保険証のひも付けミスに遭う確率は、降水確率0%で雨に降られるよりもはるかに低い。

悪質なのは、リスクを確率で考えられない人の弱みにつけ込んで、「安全より安心」などという人たちが後を絶たないことだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【有本香の以読制毒】"フランス暴動"は「対岸の火事」ではない!深刻な埼玉・川口市のクルド人問題 大メディアに都合の悪い?

2023-07-16 18:59:52 | 日記
 わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
                 頂門の一針 6563号 

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「トルコ国籍」報道のワケ 
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【有本香の以読制毒】"フランス暴動"は「対岸の火事」ではない!深刻な埼玉・川口市のクルド人問題 大メディアに都合の悪い?


先月来、フランスで警官による少年射殺事件をめぐる暴動が続いてきたことはご承知のとおり。市街地で火の手が上がり、黒装束の暴徒らが暴れる─。信じがたい映像が日本のネットにもたくさん流れていた。

暴動の要因は移民問題だ。実際、きっかけとなった少年もパリ郊外に住む北アフリカ系移民の出自だが、この報道に接して、「フランスは大変だな」と思った方がいたら、その認識はいささか甘いと言わざるを得ない。

仏暴動が「対岸の火事」ではないと思わす事態が日本でも起きているからだ。

埼玉県川口市で5日夜、100人ほどの外国人が集まって乱闘騒ぎが起き、複数の逮捕者が出た。

きっかけは、同夜、「トルコ国籍」の男性が、同じくトルコ国籍の男に切りつけられた事件にある。殺人未遂の疑いで45歳のトルコ国籍の男が逮捕されたが、この男を含むグループが複数台の車で被害者を追いかけた後、切りつけたという。

事件後、切られた男性が運ばれた市内の病院に、100人ほどの外国人が集まって乱闘騒ぎに発展したというわけだ


警察は、男性を切りつけた者がほかにもいるとみて行方を追っているとも報じられている。

この一連の報道をめぐって、一つ気になることがある。

朝日新聞や毎日新聞、TBSの記事には、容疑者、被害者、集まった100人の外国人とも「トルコ国籍」「トルコ国籍とみられる」と記されている。

しかし、地元の複数の人に聞けば「クルド人でしょう」と言う。クルド人の大半がトルコ国籍であることは誤りではないが、大メディアが事件の関係者を「クルド人」ではなく、「トルコ国籍」と書くことには、警察発表に忠実という以上のワケがある。

それはひとまず横に置き、川口市のクルド人をめぐる最近の状況に触れよう。

2023年6月29日、埼玉県川口市議会で、異例の意見書が採択された。標題には「一部外国人による犯罪の取り締まり強化を求める意見書」とある。

内容は次の通りだ。

川口市に住む4万超の外国人の一部が、生活圏内である資材置場周辺や住宅密集地域などで暴走行為、煽り運転を繰り返し、人身、物損事故を多く発生させ、(中略)。すでに死亡事故も起こしているが、(中略)警察官不足により、適切な対応ができていない。

この状況を受け、議会は次の3点を要望している。

1)警察官を増員し、一部外国人の犯罪の取り締まりを強化すること

2)資材置場周辺のパトロールを強化すること

3)暴走行為等の交通違反の取り締まりを強化すること。

この意見書に出てくる「一部外国人」が、一部のクルド人らを指すことは、川口の人たちの間では暗黙の了解事項である。

地方議会がこのような意見書を採択することは異例中の異例だ。だが、大メディアが報じた形跡はない。

同市の奥富精一市議(自民党)によれば、「異例ですが、メディアの取材は一件もありません」(5日現在)という。

ここで、前述の「トルコ国籍」表記の件と合わせ見ると明らかだが、「一部クルド人」に問題ありと報じることは、大メディアにとって都合が悪いのだ。

先月まで、左派メディアはさんざん、「かわいそうなクルド人」キャンペーンを張ってきた。通常国会で成立した入管難民法改正に反対するためだ。要するに、クルドの人たちを政治利用した、それとの齟齬(そご)を隠したいのではないか。

川口市での一部クルド人の問題は、最近降って湧いたことではない。3年前すでに、「クルド人の生活マナーについて」という市民意見が役所に寄せられていた。

日本に急増する移民。岸田文雄政権と自民党はさらに増やす方針だが、岸田首相は川口市議会の意見書にこそ「聞く力」を発揮すべきだ。

いま対応を誤れば、フランスでの光景が明日の日本のものとなるだろう。


AIがわれわれの仕事を奪っている。映画はAIがつくっている    ハリウッドの脚本家、俳優組合がストライキ突入

2023-07-16 18:56:43 | 日記
 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)7月15日(土曜日)
        通巻第7823号 
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 ■連休中(明日7月16日~17日)、小誌は休刊です!
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 AIがわれわれの仕事を奪っている。映画はAIがつくっている
   ハリウッドの脚本家、俳優組合がストライキ突入
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 ハリウッド映画は左翼的な偏向が激しく、そのうえ少数民族が主役を張る時代となっていた。
ガガとか、メリルストリープとか、有名俳優はトランプ嫌いのパフォーマンスを繰り広げてきた。この点は日本の映画界も同じだが、日本の場合はテレビが映画を斜陽にした上に、左翼イデオロギーではなく、画面や製作、舞台装置があまりにも貧弱で、自ら滅亡の道を選んだとも言える。

 こんどのハリウッドのストライキは背後に極左思想が希薄である。ロスのネットフィリックス本社前に集まってデモ隊は主要な製作会社までデモ行進を繰り返した。

 訴えは労働条件の改善、賃上げあたりが相場と思いきや、外れ。
 「AIが仕事を奪う、おれたちは失業する」という深刻な現実、これまではバーチャルリアリティとして本気では捉えず、AIの出現で画像処理技術が上がってサスペンスを盛り上げる効果抜群などと言われ、AI脅威視する俳優もカメラマンも少数派だった。

ところが最近の映像は殆どがコンピュータ処理されて、もちろんその方が迫力がある。例を挙げるとキリがない、スパイダーマン、ターミネーター、ジェラシックワールドの恐竜同士の決闘場面から、アクション映画の冒険や乱闘画面、災害でも大都市に津波が来たり、地震で人々が谷底へおちてゆく画像など、もちろん実写ではない。

まして脚本はチャットGPTが書いてしまう? 
主演俳優は百ほどの面相をAIが記憶すれば、あとは画像処理が可能だから、将来のハリウッドは暗澹たる暗さに包まれるだろう。


【Viewpoint7/14】"損失の恐怖"克服し外交・安保進めよ~「尖閣」死守へ強い措置を

2023-07-16 18:54:52 | 日記

「尖閣」死守へ強い措置を
遺憾の空砲では事態改善せず


東洋大学名誉教授 西川 佳秀
 プロスペクト理論というものがある。不確実性下における意思決定モデルの一つで、元は行動経済学やマーケティングで力を得た考えだが、近年では国際政治や戦略論でも用いられるようになった。
 この論に拠(よ)れば、人は新たに何かを得ようと行動して失敗することよりも、いま手にしている利益を失う危険性をより重視し(損失の恐怖)
政策決定に際し利益獲得より損失回避を優先させる傾向にあるという。費用対効果分析を行い、得られる利益が失う利益を上回れば行動に出ると合理的な政策決定論は教えるが、そうは動かないというのだ。
戦果より戦力温存優先
 獲得よりも損失回避を重視した行動に出ると聞くと、太平洋戦争での日本海軍の戦い方が思い起こされる。軍中央は常に積極果敢な攻撃に出るよう命じたが、一線部隊は米艦隊への肉薄追撃を避け、腰の引けた戦が繰り返されたといわれる。優勢な米海軍を前に、目先の戦果よりも我の艦艇被害を抑え、戦力の温存を優先させようとしたのだ。
 損失を恐れるあまり積極的行動に出ようとしないのは、今の日本も同じではないか。生活環境の変化が激しかった高度経済成長の時代がとうに過ぎ去り、安定成長の下で育った世代は、日々新たな挑戦に出ることを躊躇(ちゅうちょ)し、リスク回避に動く傾向があるように思える。実際は日本を取り巻く環境は激変しているのだが、精神的な鎖国の故か、昨日も今日も明日も同じ日々が続くかの感覚に陥り、過去の延長線上の未来を好み、リスクの受容を厭(いと)うのだ。
 
 若い世代ほど与野党逆転よりも自民党政権の継続を望むこと、戦後日本の経済を牽引(けんいん)してきた有名企業から市場を席捲(せっけん)する新製品が生まれなくなったこと等々、個人も企業も、継続性と安定性を重視するお役所然となり、“創造的破壊”や挑戦が死語となった。この国から探検譚(たん)や冒険小説の類いが姿を消して久しい。
 
損失(失敗)を恐れ、利得よりもリスク回避に逃げ込む姿勢は我が国の衰退と深く関わっているように思えるが、外交や安保政策の在り方にも影響が及んではいないか。連日中国の海警船が尖閣海域に出没、領海侵犯を重ねても、政府は「断じて認められない」「強く抗議する」と毎度同じメッセージを繰り返すだけ。強い措置に出て日中対立を激化させ、さらには尖閣が武力で強奪される事態を招くより、“現状維持”を以(もっ)て良しとする発想が働いているのだろう。W・サミュエルソンらは、これを「現状維持バイアス」と呼んでいる
 
 だが、尖閣水域への中国船の進出や領海侵犯件数の増大を許すことは、現状の維持にはなっていない。少しでも長い期間海警船が尖閣海域で行動し、あたかも実効支配をしているかの体を装い、自らの領有権正当化の根拠となすのが中国の狙いだ。日本の立場は日々後退を重ねていることを知るべきだ。