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鍛冶俊樹の軍事ジャーナル (2024年7月13日号) *防衛省218人処分の実相

2024-07-14 20:41:13 | 日記
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
(2024年7月13日号)
*防衛省218人処分の実相
 防衛省は自衛隊の相次ぐ不祥事について調査し、昨日218人の処分を発表した。海上幕僚長は事実上更迭され、大手メディアは「異例の規模の大量処分」と報じているから、衝撃的な事件と言ってもいいであろう。
 ところが実は、私は左程の衝撃を受けていない。不祥事の中身を見ると、・特定秘密の不適切使用、・内局幹部のパワハラ、・潜水手当の不正受給、・自衛隊施設内での不正飲食の4項目だが、どれもこれも自衛隊内部ではとっくの昔に知れ渡っていた不祥事だ。
 もちろん不祥事であるから、是正しなくてはならず、その為の処分である。しかし、この処分でこれらの不祥事は根絶されるのであろうか?答えはノーだ。

 この処分は不祥事の表面を撫でただけで、根本に立ち入った調査に基づいていないからである。これらの不祥事はすべて自衛隊における人員不足に起因している。人員不足は人材不足に直結するから、特定秘密を扱う資格者が足りなくなり、資格のない隊員が特定機密を扱わざるを得なくなる。
 人員が不足すれば、業務が停滞し、状況の報告すら上がってこなくなるから内局幹部が怒鳴り出す。潜水隊員は他の業務に駆り出されて訓練すら儘ならなくなるが、潜水訓練は義務だから、訓練をしたことにして手当だけを受け取る。不正飲食はいわゆるタダメシ食いだが、隊員食堂の管理体制の不備であり、管理人員の不足が原因だ。

 自衛隊は1960年代以降常に定員割れの状況が続いている。つまり慢性的な人員不足なのだが、昨今はこれに少子化が拍車を掛け、劇的な人員不足に陥っている。昨年度の自衛官の募集に対する採用の比率を示す募集率は過去最低の51%だ。
 この数字が意味する所は何か?いくら予算がついて装備が充実しても、それを使う隊員がいなければ防衛態勢は崩壊する。
 根本原因に目を向けずに、表面的な処分だけで事態を糊塗する岸田政権の姿勢は、国防に対する政治の怠慢を隠蔽するものであり、断じて容認されるべきではない。


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