IZUNOHANA’s blog

     後期高齢驀進中者の戯言

郷愁の中国紀行(13日目)

2008-07-22 09:39:58 | 旅の足跡


ようやく中部地方の梅雨も明けたようだ。
蝉が激しく鳴くのを聞きながら・・・はて?・・・中国紀行の折に、蝉の声を聞いたのだろうか・・・風景や人々の営みは、ボンヤリながらも記憶にあるのに、鳥の声、ロバの鳴き声、風の音、雑踏のざわめき、何故か二十数年の月日は、私の記憶から音を消している。
常に思い出すのは、あの乾ききった、突き刺すような光線の、太陽の輝きだ。
何故だろう・・・。


1986年7月22日(火)
-ゴムルドにて-

バス代 174元9角(ゴルムド~ラサ)
宿代 8元(ゴルムドバス停旅社)
(Wさんは留学生待遇なので、公的な料金は基本的に私より安い)
食事代 9元5角(解放軍餐庁)
ビスケット 8角
スイカ 1元7角
(レート 1元=約42円)

西寧からゴルムドはひたすらゴビタンの中を走る。
灼熱の太陽は地表の水分を激しく蒸発させ、塩分が白く輝いている。
コビタンのはるか端には、一本の木すら見ることができない山々が、その茶褐色の肌を屹立するのみ。
実に哲学的な風景である。

だが、それに引きかえ、車内のうるさい事・・・香港からの旅人たち男女8名が乗っていた。
自己主張の苦手な日本人2名は、自分達の座席から通路の座席にはじき出されても、じっと彼等の様子を見つめるだけ。
彼等、騒々しく持参のインスタントラーメンで食事を済ますと、ガイドブックを広げて行程検証を始めた。
そのやかましい事といったら・・・ピーピー、ワーワー、一斉に主張するのですよ・・・一人づつ言いなさいよ・・・お互い何を言っているのか分かってるの?
ハイテンションの意見交換が終わったらしく、やれやれ静かになったと思えば、それぞれもたれあったり、窓に寄りかかったりして寝ていた。
じっと窓外の風景を眺めて、物思いに浸っている・・・なんて姿は一度も見なかったよ。
これって、民族性?それとも年の差ですかねえ・・・・。

コ゜ルムドは終点である。
明日、ラサに向かうべく、汽車の切符を購入、ついでに本日の宿を確保する。

街をブラブラしながら、昼食を摂る為の餐庁を探す。
この街はとてもローカルな良い雰囲気。埃ぽいが、安らぐ街である。ちょっとした百貨店風の商店もあり、市場のようなところにおいしそうなスイカが並べられている。
帰りに買ってゆこう・・(この旅ではスイカが重要な位置を占めて、我等は、度々、スイカを丸ごと1個買い、2人で半分づつ食べていた。ビールとはまた違った、大事な水分補給として・・・)しばらく歩くが餐庁らしき店は見つからず、さて、どうしよう・・パンでも買って宿で食べるしかないかなあ・・・など思いつつ尚も歩くと、解放軍キャンプが現れた。
ダメモトと中に入ってみると餐庁があるではないか・・・。
おそるおそる食事ができるか聞くと、OKだという。
まずは昼飯にありつけた。

宿に戻り、就寝の用意をしていると、同室に中国婦人2名加わり4名となる。
その一人の台詞が面白かった。
「荷物を盗むものがいるから気をつけなさい・・・」でも、この部屋は一応、ドアには鍵もついてるし、ここにいるのはあなた方と私たち・・・。
「謝々、謝々」我等は彼女の忠告に従って、現金およびパスポート入りのバッグを、しっかりと抱きかかえて眠ったのでした。

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