智子さん・・・あなたのことが思い起こされてなりません。
あなたが彼岸に行かれて、既に、20年経ったでしょうか。
私が故郷に戻ってからも、あなたに逢いに行こうと、何時も、思っています。でも、とても悲しくて行けないのです・・・あなたが亡くなったあの日よりも・・・。
私が、山歩きの真似事を始めたのは、あなたが居たからかも知れませんね・・・よく、歩きましたよねぇ・・・。
先日、友達等と山道を歩きました。ある景色に接したとき、突然、あなたが、私の目に飛び込んできたんです。
そう、こんな道を、おしゃべりをするでもなく、一人でもなく、目の端にあなたを感じながら、ちょっと距離をとり、黙って歩いた姿を・・・ね。
今、あなたと歩きたいな・・・・と、しきりに思います・・・沈黙のままで・・・でも、心は語りかけている・・・。
智子さん・・・あなたが私に言い残した「私の分まで生きて・・・」との願いは叶っていますか・・・。
私はあなたに報告する事が何もありません・・・だから、行けないのです。