母と娘の確執を扱った作品。イングリット・バーグマンとリブ・ウルマンの好演が光る。バーグマン最後の出演作品。
母親のシャルロッテ(イングリット・バーグマン)は,ピアニスト。若い頃から演奏旅行,そのための練習で忙しく,また自分勝手で気ままな性格であった。かつてヨセフという夫がいて,エヴァ(リブ・ウルマン)とレナという二人の女の子をもうけた。その後,レオナルドという男性と13年連れ添ったが,死別した。成長して現在,教区で働いている娘のエヴァが母親を呼ぶ。7年ぶりの再会であった。エヴァは高校,大学を卒業したあと,医者と婚約して,数年間同棲したが結核にかかり,婚約解消。現在の夫のヴィクトルと結婚したが,エリックという男の子を4歳の時に溺死で失い,子どもの御墓にもうでることを日課としていた。
エヴァとシャルロッテは最初こそ,久方ぶりの再会を喜びあったが,しだいに会話が険悪になる。エヴァは言う。母と娘とは何と恐ろしい,きっても切れない絆なのか,母親の不幸は娘の不幸であると。そして最後に,エヴァは母親のシャルロッテに,あなたは人生とうまく取引しているけれど,いつか「つけ」はまわってくる,罪の意識にさいなまれることになると罵しった。これに対して,シャルロッテは子育ての頃が辛い時期だったこと, 自分も昔の記憶がなく,母親からの優しさとか,温かさを思い出せなかったと弁解するが,エヴァのあまりの剣幕に思いあたることが多かったのか,私が悪かったと娘に許しを乞う。
シャルロッテは,エヴァの家を後にした。エヴァは慌てて帰っていった母を想い,昔のことで恨みをさらけだし悪いことをした,もう会うこともないと感じながらも,ママを忘れない,互いに助け合うこと,いたわり合うことが大切で,それは手遅れでも諦めないと詫びの手紙を書くのであった。
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