シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

イングマール・ベルイマン監督「秋のソナタ(Hostsonaten)」(スウェーデン,1987年)☆☆☆☆★

2020-02-02 10:25:27 | スウェーデン
 
母と娘の確執を扱った作品。イングリット・バーグマンとリブ・ウルマンの好演が光る。バーグマン最後の出演作品。

母親のシャルロッテ(イングリット・バーグマン)は,ピアニスト。若い頃から演奏旅行,そのための練習で忙しく,また自分勝手で気ままな性格であった。かつてヨセフという夫がいて,エヴァ(リブ・ウルマン)とレナという二人の女の子をもうけた。その後,レオナルドという男性と13年連れ添ったが,死別した。成長して現在,教区で働いている娘のエヴァが母親を呼ぶ。7年ぶりの再会であった。エヴァは高校,大学を卒業したあと,医者と婚約して,数年間同棲したが結核にかかり,婚約解消。現在の夫のヴィクトルと結婚したが,エリックという男の子を4歳の時に溺死で失い,子どもの御墓にもうでることを日課としていた。

エヴァとシャルロッテは最初こそ,久方ぶりの再会を喜びあったが,しだいに会話が険悪になる。エヴァは言う。母と娘とは何と恐ろしい,きっても切れない絆なのか,母親の不幸は娘の不幸であると。そして最後に,エヴァは母親のシャルロッテに,あなたは人生とうまく取引しているけれど,いつか「つけ」はまわってくる,罪の意識にさいなまれることになると罵しった。これに対して,シャルロッテは子育ての頃が辛い時期だったこと, 自分も昔の記憶がなく,母親からの優しさとか,温かさを思い出せなかったと弁解するが,エヴァのあまりの剣幕に思いあたることが多かったのか,私が悪かったと娘に許しを乞う。

シャルロッテは,エヴァの家を後にした。エヴァは慌てて帰っていった母を想い,昔のことで恨みをさらけだし悪いことをした,もう会うこともないと感じながらも,ママを忘れない,互いに助け合うこと,いたわり合うことが大切で,それは手遅れでも諦めないと詫びの手紙を書くのであった。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アラン・パーカー監督「アン... | トップ | シドニー・ポラック監督「追... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

スウェーデン」カテゴリの最新記事