実際にあった名画盗難事件が映画化された作品。原題は「公爵」、盗まれた画のことです。
主要舞台は1961年のニューカッスルとロンドン。
NGから盗まれたのはゴヤの肖像画「ウェリントン公爵」。警察は国際的なプロの仕業と推定しますが、被疑者は北部工業都市でタクシー運転者をしている年金受給者、ケンプトン・バートン(ジム・ブロートベント)でした。彼は妻のドロシー(ヘレン・ミレン)と次男のジャ
ッキー(フィオン・ホワイトヘッド)との3人暮らし。
ケンプトンは戯曲も書いています。出来上がったものをBBCに持っていきます、取り上げられません。また、BBCの受信料未払いで抵抗しています。当時、イギリスではBBCが提供する番組をみるには受信料を払う義務がありましたが、彼はそれに不満を持っています。
そんなときに、政府はゴヤの件の絵画を1400万ポンドで購入したのです。意を決したケンプトン(しかし、実は・・・)。そして、警察に脅迫状を送ります。「絵画を返してほしければ、BBCの受信料を無料にしろ」と。
父と息子は盗んだ絵画を隠そうと苦心惨憺。1400万ポンドを生活困窮者に役立てようとします。差別に抗議し、会社もバイトもクビになる始末。実直すぎるのです。
この結末は?(実は犯人は)
冒頭とラストにこの事件の裁判シーンがあります。被告席にいるのはケンプトン。