チャイコフスキーによる「白鳥の湖」の映画化です。
オデット役のマイヤ・プリセツカヤが全盛期の頃(32歳)の作品で、バレエファンでなくとも満足度がたかくなること請け合いです。ましてや、バレエが好きな人には珠玉の逸品です。
失敗に終わった初演(演出家が作品の内容を十分に理解していなかった)から、レフ・イワノフ、マリウス・プチバが振付けを刷新してペテルブルクで再演し、成功をおさめ、以後、バレエ音楽の代名詞になった経緯の解説、オデット役を演じた歴代のプリマの紹介(オディール・カルパコワ、アンナ・パブロワ、マリーナ・セミョーノワ、ガリーナ・ウラノワ)があります。
プリセツカヤの舞台裏の表情、あらゆる角度からのステージの撮影は、見逃せません。
彼女の演技は、言葉で説明するのは不可能なほど華麗で、バレエの神髄をあますところなく見せてくれます。王子・ジークフリート役のニコライ・ファデーチェフとの呼吸はぴったりです。
「白鳥の湖」、全4幕は、ナレーションつきです。今回、観ると第一幕では道化師が、また第3幕、第4幕では黒鳥(悪魔の化身)が重要な役どころです。舞踏会の場面では、チェルダッシュ、マズルカ、スペインの踊り、など見どころ満載です。