いせ九条の会

「いせ九条の会」の投稿用ブログです(原稿募集中)。
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「通販生活」付録の「憲法特集」に賛否/山崎孝

2006-02-17 | ご投稿
(2月15日付け朝日新聞記事を要約)

季刊誌「通販生活」(カタログハウス)2006年春号に、憲法に関する企画への読者からの賛否両論が掲載 されている。前々号の2005年秋号に、岩波書店発行のブックレット『憲法を変えて戦争へ行こうという世の中にしないための18人の発言』を別冊付録としてつけたことへの反応だ。

 「通販生活」(82年創刊)の発行部数は130万部で、付録は9割強を占める定期購読者にだけ付けた。雑誌本 体では何も触れず、斎藤駿発行人の「ご挨拶」をブックレットにはさみ、雑誌と共に発送した。

挨拶状には、私たちは『九条を守る』よりもっと大切なことは、九条は変えないほうがいい、いや、変えたほうがいいよと、お互いにのびのびと持論を表明し合える『言論の自由を守る』ことだと考えています」とも書かれていた。

 届いた読者の声は、付録に賛成259人、反対87人。約3対1である。

 賛成派は「(ブックレット同封が)憲法改悪に反対するための企業行動と却って感動しました。おそらくかなりの費用を払っての行動と察し、その企業ポリシーが本 物だと確信しました」(静岡県の男性)

反対派は「真に不快極まりないものでした。……良質な商品を紹介する雑誌に徹すべきではないでしょうか。思想・信条までも通信販売すべきでないと考えます。別冊とするならば『変えたほうがいい』との発言集も併せて届けるべきでは?」(福岡県の男性)という声が代表的なものだ。

付録に賛成する人は「九条を守るべきだ」、反対の人は「九条を変えるべきだ」という考えとほぼ 重なっているという。斎藤さんは「改憲支持の読者の多くが、護憲の読者と同じく『戦争は真っ平』との気持ちを表明していると痛感した」と述べる。

従来は賛否両論を載 せることが多かったが、今回は護憲派だけの発言集だった。斎藤さんは「自分とは異なる意見を尊重しながらものを考えることは民主主義の基本 だから、両論併記は大切です。ただし、国論を二分する大きな問題については、メディアの主張を訴えることも大切だと考えます。これからも、静かにしぶとく取り組んでいきたい」と話している。

記事に関する私の意見

「改憲支持の読者の多くが、護憲の読者と同じく『戦争は真っ平』との気持ちを表明していると痛感した」と述べています。この言葉で思うことは、改憲が戦争につながることを、論理的にかつ現在の国内外の政治情勢と絡めて説明しなければと思います。

「通販生活」の編集者が述べている「ただし、国論を二分する大きな問題については、メディアの主張を訴えることも大切だと考えます」という言葉で関連して思うのは、自民党の国民投票法案は、マスコミが国民投票の期間中は、憲法についての論評が出来ないことがあげられます。このような国民投票法案は言論の自由にとって危険です。

「歴史の先行者」たる自覚/山崎孝

2006-02-16 | ご投稿
次期国連事務総長にはアジアから、タイのスラキアット副首相、スリランカのダナバラ前国連軍縮局長、韓国の藩基文通商外交相が名乗りをあげています。

日本 は経済的な実力や国連分担金負担額は第2位、海外援助は世界最大国という実績がありこの側面から見れば、日本 人が立候補してもよさそうにも思えます。次期はアジアからというような国際的雰囲気もあるわけですから。

だが、政府 はどの国の立候補者を推すか様子見の状態です。日本 の外交が米国への追随外交と言われ、国際社会に対する訴求力や権威がないことを知っている?ようです。

私は憲法の理念で外交を行なっていたならば、このような様子見をしなくて済んだと思います。

日本 の近代史と国連改革の論文を多く発表しているドイツ人クラウス・シルヒトマン氏は「世界」3月号の記事の中で「統合を終えたヨーロッパは、憲法作成を摸索しつつ、たどるべきは日本 国憲法の精神であることに一致をみようといるまさにその時に、日本 は「歴史の先行者」たる栄誉をかなぐり捨てるのであろうか?と述べています。

日本 人は戦争で失った国力を一生懸命に働き復興させ、頭も使い世界から褒められる優秀な製品も生み出し、そして世界有数の経済大国を築いています。日本 人は核廃絶を望み、非核三原則・武器輸出の禁止も国是にしてきました。

歴代政府 が「歴史の先行者」という自覚を持って、日本 国憲法の精神を生かした外交を行なう。日米関係がよければ他国ともうまくゆくというような視野狭窄に陥らず国際社会に臨んでいたならば、国連事務総長は日本 から出すことは出来たと思います。

国家というフィルターを通すことはなく/山崎孝

2006-02-15 | ご投稿
私は2月13日に「単騎、千里を走る」を観ました。張芸謀(チャン・イーモウ)の監督作品です。私は張芸謀の作品は「紅いコーリャン」「黄色い大地」「秋菊の物語」「あの子を探して」などを観ていて注目 している監督です。これらは中国の歴史的に培われた社会習慣を持ち続ける人の生き様を描いています。

「単騎、千里を走る」のあらすじ

 ( )内は俳優の名前です。素人を起用しているため配役名と俳優名が同じです。かなり長い文章ですが我慢してお読みください。

息子の命が残りわずかだと知った時、男は初めて、息子に近づきたいと思った。疎遠になっていた息子ともう一度やり直したいと強く思った。最後の希望は、この胸の中にあった。

日本 の北東部沿岸の静かな漁村に暮らす高田剛一(高倉健)は、久し振りに新幹線に乗りこみ東京へと向かう。嫁の理恵(寺島しのぶ)から、高田の息子、健一(中井貴一‥声の出演)が病院に入院したという連絡を受けたのだった。末期癌であった。

しかし、理恵から高田が見舞いに来てくれたという知らせを受けた健一は、父との面会を拒む。高田と健一は長年にわたる確執が未だ解けずにいるのだった。打ちひしがれ、そっと病院を抜け出す高田に、理恵はこれを見て欲しいと一本 のビデオテープを手渡す。理恵は、高田がビデオを見てくれれば健一のことをもっと知ってもらえるのでは、と願っていた。ビデオを再生した高田は、息子が千年以上にも遡る、中国の宗教的儀式にまつわる演劇形態の研究をしていたことを知る。

有名な俳優リー・ジャーミン(リー・ジャーミン)の舞踊を見るために、はるばる中国南部、雲南省まで向かった健一だったが、体調を崩していて歌を披露することが出来ず、翌年健一が再び雲南省を訪れた。「三国志」の英雄関羽にまつわる仮面劇「単騎、千里を走る」を披露すると約束していたのだ。だが、病を患う健一はもうその約束を果たす事が出来ない。末期癌であった。

高田は、自らの心の奥底から湧きあがる想いを止めることが出来なかった。いまの自分に出来ること、それは健一の約束を自分が代わりに果たすことだった。高田は理恵に内緒で、息子のやり残した仕事を成し遂げるため、リーの舞踊をビデオ撮影しようと、単身中国の麗江市へ旅立った。

通訳を務めるチユー・リン(チユー・リン)は日本 語がおぼ つかない。チユー・リンの元に案内してきた旅行者の通訳と携帯電話で助けてもらって話をする始末であった。遅々として進まぬ状況に苛立ちを隠しきれない高田。当のリーは人といさかいを起こし傷つけたために刑務所に入っていた。撮影を願い出ると、刑務所の役人は前例が無いとか、上司の許可がおりない、一度例外として外国人に刑務所内の撮影を許したが、反中国の材料に使用されてしまったからだめだといって断られる。高田は諦めきれず自らの心情をさらけ出し無骨な顔に涙を浮かべて訴える姿をビデオに撮影して役人に訴えた。このビデオを上司と共に観た役人は心を動かし撮影の許可を与えた。ところが撮影を始めると、高田の子を思う父親の姿にリーは生き別れになった息子ヤン・ヤン(ヤン・ジエンボ ⊥のことを想い「単騎、千里を走る」を舞うことが出来なかった。リーは息子に一目 会いたいとその場で泣き崩れる。高田はヤン・ヤンを迎えに行くことを決意した。何としてもリー・ジャーミンの舞う「単騎、千里を走る」を撮影するために、高田は中国の奥地へと向かう長旅の中で多くの人に出会うことになる。中国の特異性をあれやこれやと説明してくれる善意の通訳、物事の道理を説く村長、そして父親との再会を拒む少年ヤン・ヤン。人々の純朴な心情に触れ、自らの深い孤独感が徐々に和らいでいくことに気付き始める高田。一方、高田の誠実な想いも人々の心を動かしていく。

旅先で高田が見つけたもの、それは″人の優しさ″だった。遠い昔に失ってしまった家族の意味を、高田は少しずつ取り戻していく。映画のラストはリーの子どもを連れてこれはしなかったが、撮っていた子どものデジタル写真を刑務所のテレビでリーと服役者に見せた。リーも服役者も家族を想い涙を流した。リーは「単騎、千里を走る」見事に舞った。

感想を述べます。

ある人は、向かい合う外国人に対して、人間集団として時には対立関係になる国家と国家というフィルターを通じてその人を見てはならないといいます。

また、逆のような発想で見るときもあります。過去に自国のその国に行なった行為を省みて、人間として持つ贖罪の気持ちに駆られてその国の人と交わることもあります。この例として中国の砂漠化した土地に何年も営々として植林を行なう日本 人や先に紹介した「天の半分を支える会」の人たちがおります。

「単騎、千里を走る」に登場する中国人たちは、過去の日本 の行為は問わず、同じ心を持つ人間として高田に共感をよせてゆきます。チユー・リンはリーの子どもを高田が探す決意をした翌日に高田から受け取っていた通訳代を高田に返し、高田に同行します。高田の心を理解した刑務所の役人も官僚的態度を捨てます。旅行者の通訳も高田が困難に陥った時は何度も夜中にもかかわらず助けています。リーの子どもの面倒を見ている村長始め村人は高田の切ない親心とリーの子どもを捜 す行為に共感を寄せています。私はこの映画を観て改めて、何処の国の人も同じ心根を持っていると思いました。

しかし、日本 の政権党の政治家、一部学者・評論家そしてその言説に同調する人たちは、脅威だとする人間集団、利害が対立する人間集団という国家のフィルター通じて中国を見るように煽っている気配が濃厚です。国民はこれに乗せられてはならないと思います。

私がこの映画を観てもう一つ強く感じたことは、広大で峻険な雲南省や中国のとてつもない広さを見て、どうして過去の日本 はこの国をどのような根拠で支配できると思ったのかということでした。まるで小人が巨人を支配するようなことだと思いました。やはり日本 は中国が広大な国土を利用した柔軟な持久戦に負けたのでした。

賛同署名に取り組もう!!

2006-02-14 | ご投稿
1月例会で「賛同署名」について話し合いました。
いずれ行われる「改憲を問う国民投票」で、伊勢市過半数を獲得するための基礎票固めと、何より憲法九条をもっと知ってもらうために、ぜひ取り組みたいと思います。署名案を下記に紹介します。署名への取り組み方、広げ方についても検討中です。ご意見を聞かせて下さい。
2月の例会でも、ご意見をお聞かせ下さい。


「平和憲法九条を守る署名」(案)

署名協力のお願い                        
今、国会内外で、憲法を変える議論がされています。
改憲が国会で承認されると国民投票が行われます。
国民投票の時、あなたは、どちらの国を選びますか?
 
戦争ができる国・・・憲法9条をかえた場合
戦争をしない国・・・「戦争放棄」の憲法9条1項2項を変えない場合

改憲案の中身は
・「戦争放棄」の言葉を削る。
・自衛軍を持ち、海外での武力行使―戦争参加―ができるようにする。
・憲法を変えやすくする。・・・憲法を変える賛同議員数を2/3から1/2に変える
などです。
わが国は、憲法で“どんな理由があっても、2度と戦争はしない”と世界に宣言しています
九条2項は、“『戦力』を持たない”“交戦権を認めない”と世界に信頼を与え続けています。その事によって、戦後60年、日本は戦争で人を殺すことも、殺されることもありませんでした。9条2項は、戦争に対する最も強い“抑止力”なのです
これを変えることは“日本を今までより戦争に近い状態に置く”ことになり、それを子ども達に受け継がせることになります。
世界の人々と手を取り合い、平和な国で暮らし続けるために、九条2項の改訂に反対しています。どうか署名にご協力ください。

私は、平和憲法九条(1項2項)を守ることに賛同します。

(あと お名前、ご住所の記入欄が用意されています)

2月の学習会…のお知らせ

2006-02-14 | 事務局より
とき:2月19日(日)10:00~12:00
ところ: いせトピア
内容: 「いせ九 議論百出!」

憲法・九条・平和についての疑問・質問。みんなで考えてみましょう。
たとえば、「北朝鮮が攻めてきたら、どう守るの?」 「世界にバカにされないために、国際貢献(武力行使)に参加するべきだ」など、憲法について話す時によく出される疑問・反論について、あなたはどう考え、説明されていますか? 一度きちんとみんなで整理してみましょう。

高金素梅の涙/山崎孝

2006-02-14 | ご投稿
朝日新聞は2月11日「社説」で、麻生外相は『先週末、福岡市での講演で、日本が戦後のアジア各国の発展を支えたと説くなかでこう述べた。「日清戦争のころ、台湾という国を日本 に帰属することになった時に、日本が最初にやったのは義務教育です。貧しい台湾の人々が子どもを学校にやったらカネをやるという大英断を下した」。「結果として、ものすごく教育水準があがって識字率が向上した。おかげで、台湾という国は極めて教育水準が高い国であるがゆえに、今の時代に追いつけている」』と紹介。

それに加えて2003年に麻生外相が朝鮮半島で行なった創氏改名を朝鮮半島の人が望んでいるような発言。先週末の講演の中で台湾を「国」と繰返したこと。名古屋の講演で靖国神社に天皇陛下が参拝するのが一番と発言したことを挙げて、日本 外交を麻生外相に委ねるのは、とても心配だと主張しています。

私は麻生外相の発言から、高橋哲哉著「靖国問題」の中で書かれていた、台湾の高金素梅(ガオチン・スーメイ)さんが流した涙のことを思い起こしました。

旧日本 軍の軍人軍属としてアジア太平洋戦争に動員され戦死した台湾人の遺族ら236人が、首相と国、靖国神社を相手取って裁判を起こしたが、2004年5月13日、大阪地裁は請求を棄却した。台湾の人たちは小泉首相の靖国参拝は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を受けると主張しました。

高金素梅さんはこの心無い判決を聞いて涙を流しました。「タイヤル族」の出身で、歌手や女優を経て立法議会議員に転身した人です。

旧厚生省の統計によると、日本 の統治下で台湾人約20万7千人が軍人軍属として戦争に徴用され、そのうち約3万人が死亡した。先住民族は「高砂義勇隊」として太平洋戦争に動員され戦死しています。

高金素梅さんは38歳の時、タイヤル族の勇士の頭を切り落とす日本 軍兵士の写真を見て衝撃を受け歴史を研究しました。高金素梅編集で日本軍が台湾の野蛮人を征伐すると称して撮った写真集「無言的幽谷」の序文に「見よ、見よ、私の皮膚には鳥肌が立ちはじめ、私の目からは涙があふれ出し、熱い血がこみ上げてきて脳天を直撃した。私はついに、自分がいったい誰なのかをはっきり知ったのである」と書いています。

私は台湾と日本 の歴史的関係を調べてみました。大まかに述べます。

日清戦争で日本 が勝利し、1895年の日清講和条約によって日本 が遼東半島と共に台湾を獲得しました。しかし、植民地統治は住民から抵抗を受けて1902年まで抗日闘争への鎮圧にかかっています。日本 軍は竹薮の中から突然襲ってくる台湾ゲリラを「草木皆兵」に見えた。ゲリラに対抗するために日本 軍は夜陰に乗じて村落の出入り口を封鎖してラッパを合図に一斉射撃を行なったりしています。

抗日勢力への対抗策として台湾人士紳との連絡機関「保良局」を設置し、後には保甲制度を採用し、連座責任によって治安維持を図っています。また、懐柔工作として地主の権利を保障することにより、地域ぐるみの闘争から地主層を脱落させました。それでも1930年10月に抗日暴動の「霧社事件」を起こり、鎮圧するために軍隊を2000人出勤させ原住民500人を死亡させています。

日本 は台湾から砂糖、米、樟脳、煙草、塩を日本 国内に持ってきています。

日本 とアジアの歴史を知れば、日本 国憲法は、明治以降の日本 人が自由と民主主義を追求した夢と希望の結晶。日本 の軍国主義支配の下で流した、日本 人とアジアの人々の流した血と涙から生まれた結晶。そして未来に向けて輝く結晶だと思います。

改憲意見に対する私の意見/山崎孝

2006-02-13 | ご投稿
2月12日の朝日新聞「声」欄に次のような文章がありました。

 平和守るため憲法の改正を 高校生(16歳)

 私は憲法改正に賛成だ。今、世界の各地で紛争やテロが起こっている。私たちはこれからの世界を担っていく者として、紛争やテロに歯止めをかけるべきだ。そのためには多少の軍事力は必要だろう。

 軍事力を持つといっても目 的を誤ってはいけない。私たちの持つべき軍事力は、紛争やテロを起こして人を傷つけるものでなく、あくまでも世界の平和を守るための防衛力である。武力行使を避け、話し合いで解決するための抑止力となるものだ。

 世界平和に頁献するために憲法9条が足かせになっているとしたら、足かせをはずし、新たな一歩を踏み出すべきではないか。(以上)

「抑止力のため多少の軍事力の必要」「話し合いで解決するための軍事的圧力」「日本 の世界貢献」このような考え方の改憲の意見は、「マガジン9条」のホームページで、20代・30代の人たちの中にも見られます。

このような意見には、抽象的な概念の反論ではなく、具体的な自民党政権の政治、米国の覇権主義の状況と日米軍事同盟との関連、国連の平和維持の活動、国際貢献のあり方などを述べる必要があると思います。

自民党政権の政治でみれば、日本 の2006年度防衛予算が4・8兆円で世界第2位であること。海上自衛隊の戦力が世界第2位を示していることなどを考えてほしいと思います。

憲法解釈と歴代政府 の考え方は、個別的自衛権は持てると考えて自衛隊を持っています。「抑止力のため多少の軍事力の必要」は既にあるのです。

「話し合いで解決するための軍事的圧力」は、相手の反発を買うだけです。米国は北朝鮮に対してこの方法を用いましたが、失敗しています。道理でもって相手を説得することこそ有効です。軍事力の対決路線から包容政策に変えた韓国は北朝鮮の態度を大きく変えることに成功しています。

自衛隊はPKO(武力を伴わない平和維持活動)までは行える法的な措置(1992年に国連平和維持活動協力法成立)が出来ています。自衛隊による「世界貢献」も出来ないことはありません。

また、国連が直接的な形で紛争当事国に武力介入はしたことがありません。国内紛争に対する武力介入には一方の勢力に加担をしないという大変難しい課題が残されており、武力介入する時の国際的な基準もまだ出来ておりません。コソボ 紛争、イラクのクウェート侵攻(湾岸戦争)に対応したのは国連軍ではありませんでした。

湾岸戦争戦争後、クウェート政府 の感謝リストに米国の戦費を大きく肩代わりした日本 が入っていなかったことを日本 の外務省が騒いだことが、国際社会が騒いだに取り替えられて武力による貢献が必要だいう説が流布されるに至っています。

「マガジン9条」や「e-デモ・ジュニア」のサイトには、安保条約に日本 は守られているという意見が掲載 されます。この意見は、日本 がモンゴル軍の侵攻以降700年以上も侵略を受けていない歴史的事実を忘れた意見です。地政学的な考え方も必要と思います。

自民党の改憲の狙いを日米同盟が米軍と自衛隊の一体化を図る方向と一体のものと捉えなければと思います。

これらを踏まえて自民党の改憲の狙いを説明しなければと思います。

「風を遮り、雨を避けさせた」活動/山崎孝

2006-02-12 | ご投稿
私は「いせ九条の会」の事務所が置かれている「天の半分」という名前をいつも不思議な名前だナーと思っていました。2月12日の朝日新聞の記事を読んで言葉の持つ意味が分かりました。

以下は朝日新聞記事の文章です。

 日中友好の活動を続ける女性の築い「天の半分を支える会」(津市)が11臼、発足30周年を迎えた。約100人の会員が中国文化や文学などの勉強会を開き、貧しい子どもたちへの就学支度や留学生への援助、中国での交流を繰り返してきた。30年間会長を務める伊勢市の元教員山村ふささん(86)は「日中友好に向け、これからも足をつかって具体的な活動をしたい」と話す。

 会の発足は、日中国交正常化から4年後の76年2月。中国との交流を進める活動をしていた県内の女性が「これからは女性を中心とする友好団体が必要だ」と集まった。会の名前は、毛沢東の「婦女能頂半辺天」(女性が世の中の半分を支えている)という言葉から付けた。同年7月、山村さんが訪中団の団長となり、北京を訪ねた。

 山村さんは奈良女子高等師範学校(現奈良女子大)を卒業後、1940年に、愛知県内の女学校の教員になった。生徒に、国のために奉仕する心を教え込んだ。

 終戦後、日本 軍が中国人を虐殺した事実を知った。「日本 が中国人の心に深い傷を負わせた。筈という面で加担した賓任があるのではないか」と悩み続けた。

 訪中団の団長として、頭を下げる思いで中国を訪ねた。だが中国人は、同じアジア人として心から歓迎してくれた。高校で教員をしながらも、友好活動を続ける原動力になったという。

 留学生を食事に招いたり、中国物産店を開いたり、中国の着物を紹介する展覧会を催すなど多彩な活動をしている。会員の松本 文子さん(87)は「色々なアイデアを出して引っ張ってきた。会長がいたから、30年も続いたと思う」と話す。

 最近、中国から一通の手紙が会に届いた。中国の山村では、貧困で修学できない子どもたちがいる。会員がひとり約3方円を出し合い、5年前から就学援助をしてきた。その子どもたちからだった。「もう少しで学校に行けなくなりそうだった貧しい私たちは、もう一度学校に行くという夢をかなえることができました。まるで傘のように、私たちのために風を遮り、雨を避けてくれました。おばさまたち、安心して下さい。私たちは一生懸命頑張って良い成績をおさめ、皆さんの愛に応えます」

 30周年記念パーティーで会員らに締まれた山村さんは「訪中は54回になり、退職金は使い果たした。でもアジア平和に向けてこれからも努力しないといけない」と語りかけた。



日本 国憲法はアジアに対する侵略の反省の意味を持っているといわれます。山村ふささんたちは、自らの人生の体験からこのことを認識されておられます。「天の半分を支える会」と中国の人たちの交流は素晴らしい、感動をします。

追伸

私は中国のことは10代の頃から関心を持っていました。もっぱら中国の歴史や人物像を分かり易く書いた「中国古典物語」やフィクションの「水滸伝」、武田泰淳の「司馬遷―史記の世界」などに魅せられていました。しかし、政治のことは無知で、どうして地図に中華人民共和国と中華民国が記されているのだろう思っていました。それが分かったのは20代に入り「60年安保」の日本 社会を経験して政治を考え始めたからでした。

対話で宥和をはかる動き/山崎孝

2006-02-11 | ご投稿
イスラム教の預言者ムハンマド(マホメット)の諷刺画を欧州のメディアが掲載 したことへの抗議行動が全イスラム世界に拡大しています。一部に過激な行動も起こっています。

抗議行動は言論の自由への侵害として、欧米では反発していて、イスラム世界と対立してゆく状況が生まれています。

この状況を沈静化させて宥和を図ろうとする動きが活発になってきております。これらの動きを新聞記事で拾ってみます。

国連・イスラム諸国会議機構・欧州連合の共同声明

「我々は表現の自由を完全に支持する」しかし、「イスラム世界が深く傷つき、怒 りが広がっていることを理解する」さらに「報道の自由には、責任と思慮が求められ、あらゆる宗教の信仰と教義は尊重すべきだ」、「人命や財産に対する攻撃は、平和的なイメージを損ねるだけだ」として、すべての政府 に対し、外交公館と外国人の保護を要請しています。

2月9日、国境なき記者団やイスラム圏の人権団体の主催で、報道関係者や在仏のイスラム教徒ら約200人が参加した討論会が行なわれた。討論の一部はアルジャジーラで放送された。

この中でフランスで8日、漫画週刊紙がムハンマドの特集号を出したことに対して、全仏イスラム教徒連盟の代表は「意味の無い挑発」と批判「宗教にせよ非宗教にせよ、周囲が見えない原理主義はだめだ。政教分離の国にいるのだから、文明間の対話を深めるほかない」と強調した。

靖国参拝を心の問題と批判をはねつける小泉首相は「周囲が見えない原理主義はだめだ。政教分離の国にいるのだから」という言葉に耳を傾けてほしい。

漫画週刊紙がムハンマドの特集号を出したことに対して、9日、アナン国連事務総長は「無神経で、侮辱的で挑発的だ。世界で何が起きているのかに目 を向けるべきだ。言論の自由は支持するが、言論の自由の名の下にすべてが許されるわけではない」「言論の自由には責任と分別が伴う。火をつけ、油を注ぐようなことをする編集者がいることが理解できない」と述べている。

クウェート国会は「過激な行動は、あたかもイスラム教や預言者が攻撃性と破壊性を備える印象を与えている」として、冷静で平和的な行動を呼びかけた。

イラクシーア派組織「イラク・イスラム革命最高評議会」のハキム代表は、抗議行動は平和裏に行なわれるべき、と強調した。

エジプトカイロの研究機関「イスラム研究アカデミー」の副事務局長アットラッシュ師は、毎日新聞に対して「風刺漫画は到底容認できるものではない。しかし、暴力の形をとる行動もまた許されない」と語っています。



理解しあうために、対話を行ない、宥和を図る道しか、世界の人々が平和に生きることは出来ません。

この精神を世界に呼びかけているのが、日本 国憲法の前文です。

前文から抜粋

「…平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しょうと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努める国際社会おいて、名誉ある地位を占めたいと思ふ…」

家族や社会との絆が断ち切れる/山崎孝

2006-02-10 | ご投稿
「南日本 新聞」の2月10日の電子版を見ますと、小泉首相は9日の夜「外国人から見た観光まちづくり懇談会」で外国人委員らと懇談、次のような言葉を語ったといわれます。

「日本 人は(戦前)くっつきすぎてしがらみが嫌になっていた。(戦後)しがらみを断ち切りすぎたが、失った心のつながりを回復しょうという気持ちが出てきた」などと、日本 文化についての持論を語っています。

小泉首相は懇談会の司会を務めた木村尚三郎東大名誉教授が観光のポイントとしている「女老外」という言葉を紹介。「女性にとっての美しさ、老人にとっての安心、外国人にとっての分かりやすさ(重要)という意味だ」と解説したといわれます。

これらの言葉の内容を小泉首相は自らの政治において実践したのでしょうか。

小泉政権になってから、家族や社会との心のつながりを失い断絶してしまい、ホームレスになる人が増える。年間3万人以上の人が自殺する年が続いています。これらが起こる背景には、強い者を更に強くし、弱者になったものを更に弱くして淘汰して行く新自由経済政策の原理が強く働いています。竹中平蔵氏が米国から学んだ経済政策です。米国は今、1%の人口が50%の富を持っているといわれ、それがハリケーンの襲来で貧富の二極化の姿を露呈しました。老人層も負担が増えていて安心してはいられません。

小泉首相は「外国人にとっての分かりやすさが重要」と観光のポイントを語っていますが、外交にとっては外国から理解されることがなおさら大切です。この点において首相の靖国神社の参拝は外国から理解されているとはいえません。小泉首相は理解しないのは中国と韓国だけと国会で述べていますが、

シンガポール前首相のゴー・チョクトン上級相は6日、シンガポールで開かれたアジア太平洋円卓会議で基調演説した中で、靖国神社について、「日本 の指導者は参拝をやめるべきだ」と小泉首相や閣僚が参拝を中止するよう強く求めています。

シンガポール紙聨合早報7日付(電子版)によると、ゴー氏は「日本 の指導者はすべて事実に基づき判断を下さなければならない。事実上、日本 はこの問題で外交的に孤立した状態におかれている。他のアジア諸国はすべて、また米国さえも日本 の立場にはくみしていない」と指摘しています。



竹内浩三の「骨のうたふ」は「ふるさとの風や こいびとの眼や ひょんと消ゆるや」とうたっています。これは戦場で愛しいものとの絆が、不条理な戦争政策によって、突然に断ち切られる状況を表現しています。

改憲して「自衛軍」を外国に派遣して戦闘行動をすれば「骨のうたふ」の状況が避けられなく起こります。この状況を生んではならないと思います。小泉首相が自衛隊が居る所が「非戦闘地域」と言うイラクに自衛隊員が派遣されるとき、家族が見送る光景をテレビでみれば、家族との絆の行方を心配していることがわかります。