いせ九条の会

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民主党の問題本質の取り違え/山崎孝

2006-02-28 | ご投稿
「許すな!憲法改悪・市民連絡会」のホームページより引用

「憲法改正国民投票法」に関する質問

(前略)

民主党憲法調査会が05年10月31日に発表した「憲法提言」では、憲法改正の理由として、「その時々の政権の恣意的解釈によって、憲法の運用が左右されている」「いまや『憲法の空洞化』が叫ばれるほどになっている。いま最も必要なことは、この傾向に歯止めをかけて、憲法を鍛え直し、『法の支配』を取り戻すことである」との認識が語られています。

そうすると、「憲法の空洞化」をもたらしたのは、恣意的解釈によって憲法を運用してきた時々の政権と、それを許してきた国会に第一義的な責任があると思われますが、その責任を糾さずに憲法のほうを変えることによって「法の支配」が取り戻せるのか、はなはだ疑問です。どんな憲法を作っても、それを政府と国会が守らないのであれば、「法の支配」は実現しないのではないでしょうか。この点はいかがお考えでしょうか。

憲法改正問題が浮上してきたのは、国際社会や日本 の政治・社会の変化に現憲法が適合しなくなったからだという主張がありますが、本 当にそうなのでしょうか。むしろ、政府・自民党などの恣意的解釈による憲法の運用が限界に来たこと、いわゆる「護憲派」とされる社民党や共産党が大きく議席を減らしたこと、最大野党となった民主党が憲法改正に積極的な立場をとったことなど、日本 の政治構造の変化によることが大きいと思われます。

実際に、憲法改正の最大の焦点とされる「9条」問題では、国民の多くは9条を変える必要性を認めておりませんし、いわゆる「新しい人権」は現憲法下での立法や施策で具体化・保障できるものばかりです。民意や立法・行政の責任を度外視して憲法改正を唱えることは、立憲主義の原理からも大きな問題だと思いますが、いかがお考えでしょうか。

「憲法改正国民投票法」の問題は、自民党などの憲法改正の要求から浮上してきたもので、決して「憲法改正に中立的」な問題ではないと思います。そもそも「憲法改正国民投票法」は、憲法改正を求める人びとにとってだけ必要なもので、現憲法を守り生かすべきだと考えている人びとにとっては必要ないからです。

いわゆる「立法不作為」論も、多くの国民は国民投票法がないことによって何らの権利侵害や損失を受けていないのですから、私たちは憲法改正を求める人びとが改憲プロセスを進めるための口実として持ち出しているものにすぎないと考えざるをえません。この点はいかがお考えでしょうか。 (以下略)



この質問状は「憲法の空洞化」をもたらしたのは、歴代の政府 と国会の責任であるにもかかわらず、現行憲法だと主張され問題の本 質を取り違えさせられることを拒否しています。

「新しい人権」については、現憲法下での立法や施 策で具体化・保障できる問題=立法や行政の責任に問える問題を、国民が憲法改定問題に取り違えないことを訴えています。

2月26日の朝日新聞記事「融合のゆくえ」は、米軍再編の中間報告には、自衛隊と米軍の共同訓練の拡大が確認されたこと、米国内には集団的自衛権の行使を含め、一層の協力を期待する声が少なくない、と書かれています。

自民党や民主党内の政治家は、日米同盟から米国に要求されている集団的自衛権行使の問題の解決を、改憲して海外で武力行使可能という事柄に潜めさせようとしているようです。

自民党は集団的自衛権行使が出来る地域は限定せず、民主党内の政治家はイラクのように余り離れた地域は駄目 だが、日本の周辺地域と考えているようです。周辺とは朝鮮半島と台湾地域を想定しているのかも知れませんが、何れの地域も米国が介入の姿勢を見せているところです。日本 の防衛に取っては直接 的に関係ない地域で、米国がこの地域の問題に介入しなければ火の粉は飛んできません。

この地域は何れも基本 的には平和的な手段で問題解決の方向を追求しています。

次回はこのことに関した文章を書かせてもらいます。