いせ九条の会

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整合性の無い前原氏の論理/山崎孝

2006-02-20 | ご投稿
民主党の前原代表は2月17日、日本 外国特派員協会で記者会見し、中国の軍事力について「多くの国民が脅威を感じる。それは事実だと思う」と、「中国脅威論は世輪としてあるという認識を示した。その一方で、「中国とは環境、エネルギー・感染症、北朝鮮の核開発などの問題が山積みだ。長い大切なつきあいを続けていかなければならない」として、友好関係を重視している点を強調した。

前原氏は党の外交・安保政策について「非武装中立、日米同盟の即刻破棄など非現実的な考え方を取らない。これを強調しすぎると自民党とどこが違うかという批判を党内で受けるが、(政権交代しても)安全保障のスタンスが変わらないという安心感を国民に与えることが必要だ」と述べた。(朝日新聞電子版より)



中国の脅威を述べていながら、友好関係を重視する発言は論理的な整合性がありません。

前原氏は先制攻撃論さえ持っていて昨年発行の雑誌「論座」の対談記事でも否定をしていません。日米安保に対する姿勢は自民党と変わらない考え方です。このことは米軍の外国での軍事行動に対する支援活動を日本 が積極的に参加していることを日米安保は近年進化をとげていると米側は認識して、更に変革を期待しています。これは自民党の安保政策のほとんど容認することになります。

軍事的な事柄は、片方だけが脅威を感じる性格のものでありません。日本 の軍備やその使い方も相手に脅威を与えます。

日米安保は中国も視野に入っています。日米は相手のミサイルを非力化するミサイル防衛網の開発と配備の計画を進める。現在は陸上と海上から迎撃ミサイルを発射するタイプのシステムですが、米国は宇宙から攻撃できるシステムを考えています。

自衛隊の軍備は世界有数で、さらに海外での武力行動を支援する高速輸送艦の導入も決めています。

そしてこのような軍備を持つ自衛隊が在日米軍との一体化を計りつつあり、巨大な世界で飛びぬけた軍事機構が出来上がります。

更に前原氏は海外で武力行使が出来る憲法を持つという考えです。これらのことが、中国が脅威と感じない筈はありません。

前原氏が友好関係を重視する姿勢と中国の軍拡が脅威と述べる論理的な整合性を計ろうとするのであれば、

自民党の進めるミサイル防衛網開発と配備に反対、自衛隊の軍事超大国の米軍との一体化に反対、自民党の海外での武力行使が出来る憲法に反対するから、

中国は日本 国民が脅威と感じるような軍拡はしないでほしいと、日本 外国特派員協会の記者会見で述べることではないでしょうか。そうすれば前原氏の「長い大切なつきあいを続けていかなければならない」という、ソフトな心は中国に伝わると思います。

自民党と同じの“安全保障のスタンスは変わらない”という考えでは中国は理解しないでしょう。総合的な事実に基づいて考える国民の多くはそう思います。