いせ九条の会

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改憲意見に対する私の意見/山崎孝

2006-02-13 | ご投稿
2月12日の朝日新聞「声」欄に次のような文章がありました。

 平和守るため憲法の改正を 高校生(16歳)

 私は憲法改正に賛成だ。今、世界の各地で紛争やテロが起こっている。私たちはこれからの世界を担っていく者として、紛争やテロに歯止めをかけるべきだ。そのためには多少の軍事力は必要だろう。

 軍事力を持つといっても目 的を誤ってはいけない。私たちの持つべき軍事力は、紛争やテロを起こして人を傷つけるものでなく、あくまでも世界の平和を守るための防衛力である。武力行使を避け、話し合いで解決するための抑止力となるものだ。

 世界平和に頁献するために憲法9条が足かせになっているとしたら、足かせをはずし、新たな一歩を踏み出すべきではないか。(以上)

「抑止力のため多少の軍事力の必要」「話し合いで解決するための軍事的圧力」「日本 の世界貢献」このような考え方の改憲の意見は、「マガジン9条」のホームページで、20代・30代の人たちの中にも見られます。

このような意見には、抽象的な概念の反論ではなく、具体的な自民党政権の政治、米国の覇権主義の状況と日米軍事同盟との関連、国連の平和維持の活動、国際貢献のあり方などを述べる必要があると思います。

自民党政権の政治でみれば、日本 の2006年度防衛予算が4・8兆円で世界第2位であること。海上自衛隊の戦力が世界第2位を示していることなどを考えてほしいと思います。

憲法解釈と歴代政府 の考え方は、個別的自衛権は持てると考えて自衛隊を持っています。「抑止力のため多少の軍事力の必要」は既にあるのです。

「話し合いで解決するための軍事的圧力」は、相手の反発を買うだけです。米国は北朝鮮に対してこの方法を用いましたが、失敗しています。道理でもって相手を説得することこそ有効です。軍事力の対決路線から包容政策に変えた韓国は北朝鮮の態度を大きく変えることに成功しています。

自衛隊はPKO(武力を伴わない平和維持活動)までは行える法的な措置(1992年に国連平和維持活動協力法成立)が出来ています。自衛隊による「世界貢献」も出来ないことはありません。

また、国連が直接的な形で紛争当事国に武力介入はしたことがありません。国内紛争に対する武力介入には一方の勢力に加担をしないという大変難しい課題が残されており、武力介入する時の国際的な基準もまだ出来ておりません。コソボ 紛争、イラクのクウェート侵攻(湾岸戦争)に対応したのは国連軍ではありませんでした。

湾岸戦争戦争後、クウェート政府 の感謝リストに米国の戦費を大きく肩代わりした日本 が入っていなかったことを日本 の外務省が騒いだことが、国際社会が騒いだに取り替えられて武力による貢献が必要だいう説が流布されるに至っています。

「マガジン9条」や「e-デモ・ジュニア」のサイトには、安保条約に日本 は守られているという意見が掲載 されます。この意見は、日本 がモンゴル軍の侵攻以降700年以上も侵略を受けていない歴史的事実を忘れた意見です。地政学的な考え方も必要と思います。

自民党の改憲の狙いを日米同盟が米軍と自衛隊の一体化を図る方向と一体のものと捉えなければと思います。

これらを踏まえて自民党の改憲の狙いを説明しなければと思います。