いせ九条の会

「いせ九条の会」の投稿用ブログです(原稿募集中)。
会の趣旨に賛同される方、メールでご投稿ください。

二つの成果/山崎孝

2007-10-04 | ご投稿
ブログでは先に6カ国協議の暫定合意が出来たことを紹介していますが、正式な合意ができましたので紹介します。

【全核計画、年内に申告 6カ国協議合意文書】(2007年10月4日付中日新聞)

【北京=平岩勇司】北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の議長国、中国の武大偉外務次官は三日、記者会見し、先月三十日に休会した同協議での合意文書を発表した。文書は北朝鮮の寧辺(ニョンビョン)にある三つの核施設の「無能力化」と、すべての核計画の申告を年内に行うと明記。焦点となっていた米国のテロ支援国家指定の解除時期は示さず、「北朝鮮の行動と並行して履行する」としている。

合意文書では、無能力化作業の当初の費用を米国が提供することも盛り込んだ。作業準備のため米主導の専門家チームが二週間以内に訪朝する。核計画についても「十二月三十一日までに完全かつ正確な申告をする」と明記。プルトニウム貯蔵施設やウラン濃縮計画の具体的な言及は無かった。

北朝鮮が強く求めていた米国によるテロ支援国家の指定解除と敵国貿易法の適用除外では「米朝作業部会における合意を基礎として、北朝鮮の行動と並行して履行する」と表現。北朝鮮首席代表の金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官は二日、解除の時期が「明示されている」と発言しており、年内の合意事項の実施と同時に指定が解除されるとの認識とみられる。

日朝関係では、国交を正常化するため両国が「精力的な協議を通じ、具体的な行動を実施していく」と表記した。

また、適切な時期に六カ国の外相会合を北京で開催。事前に準備のための首席代表会合を開くとした。

今回の六カ国協議は九月三十日、中国が合意文書案を提示し、各国政府首脳の承認が必要なため二日間休会していた。

【合意文書の骨子】 ▼ 北朝鮮はすべての既存の核施設を無能力化することに合意。年内に寧辺の三施設の無能力化を完了、▼二週間以内に米国主導の専門家グループが訪朝、▼北朝鮮は年内に、すべての核計画を完全かつ正確に申告、▼北朝鮮は核物質、技術、ノウハウを移転しないと再確認、▼米国は北朝鮮のテロ支援国家指定を解除する作業を開始。北朝鮮の行動と並行し対敵国通商法の適用を終了する作業を進める、▼北朝鮮と日本は平壌宣言に従い、早期の国交正常化に向け努力、▼北朝鮮に百万トンの重油相当を限度とする支援を提供、▼六カ国は適切な時期に外相会合を北京で開催(共同通信)

【朝鮮戦争終戦へ会議開催 南北首脳が平和協力地帯設定】(2007年10月4日付中日新聞)

【ソウル、平壌4日共同】韓国の盧武鉉大統領と北朝鮮の金正日総書記は4日、平壌での第2回南北首脳会談の成果をまとめた「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」に署名した。韓国の聯合ニュースによると、黄海に平和協力特別地帯を設定することや11月の首相、国防相会談開催、朝鮮戦争終結宣言のため朝鮮半島で米中を含む当事国会議を開催することなどが盛り込まれている。韓国取材団によると、宣言は計8項目。

聯合ニュースはまた、具体的な新規経済協力事業を提示する方向としている。

盧大統領は4日午前、南浦市の自動車工場や大同江河口の西海閘門を視察。同日午後、南北経済協力の象徴である開城工業団地を訪問後、再び軍事境界線を越えて陸路、ソウルに戻る。

韓国としては核問題進展を追い風に、朝鮮戦争(1950-53年)休戦協定に代わる平和協定締結に向けた関係国間の交渉を早期に開始、主導権を握りたい考えだ。(以上)

6カ国協議が、北朝鮮の核施設の無能力化という第二段階へ歩み始めました。そして年内に寧辺の三施設の無能力化作業の終了を目指しています。韓国と北朝鮮は首脳会議を開き「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」に署名しました。この二つの成果は、東アジアの平和と安定の方向への確実な歩みといえます。そして、この成果が軍事的な手段の安全保障ではなく、お互いを信頼し合うことを基本に置き、対話により得られたことは、憲法の前文と9条の理念を生かす立場の私たちにとって大きな励ましになるものです。
削除 返信